こんばんは。
お待たせいたしました。
すっかり緑がまぶしい季節になりました。
兼題:葉
腹圧して馬は疾駆の草若葉 幹夫
葉桜や嫁ぐ娘は三十路過ぎ 泉
(選外)(瓦すずめ)おめでとうございます。祝福したい気持ちが葉桜に現れているように思います
(選外)(道人)親として共鳴の句。
草若葉ふいにそつぽを向く鴉 瓦すずめ
○(アネモネ)鳥って表情がないから・・・とりわけ鴉はそっぽ向く感がいかにも。
〇(仙翁)そんな場面に合ったような気がします。カラスは気まぐれ。
◯ (アゼリア)鴉の行動は予測不能でいつも「負けた」と歯ぎしりしています。
葉桜や年下の義姉ひとりいて ルカ
○(泉)「年下の義姉」という表現が、気になりました。
○(ちせい)季語は「葉桜」。法律上の姉。その意識が自然を違った見方にしていると思います。
(選外)(瓦すずめ)主人公は年下の人と結婚をした。配偶者の姉は、自分よりも年下だ。人間関係の構築も大変そうではあるのだけれど、葉桜だから何とかなりそうな気もします。
乾パンのやうな棒菓子花は葉に アネモネ
〇(春生)取り合わせの、「乾パンのやうな棒菓子」面白く懐かしいです。
山葵葉の青さ辛さを初一念 瞳人
光受け露葉は母に復活祭 藤三彩
踏み行けば微かに匂う草若葉 仙翁
○(幹夫)様々な色が入り混じる草若葉の春のかおりが詠まれており共感です。
◯(宙虫)若草のやわらかい感覚が伝わる。
半ば罪四月貢がし三ツ葉かな 吾郎
○(餡子)先ごろ逮捕された女性。こんな感じでしたね。
◯(宙虫)ほんとうに何でもないものまで「罪人」のように。不倫を含め、ネットで断罪される人々を見ると考えてしまいます。
〇(まきえっと)そういえば、貢くんという言葉が流行っていました。
(選外)(道人) 三つ葉の謎を解いてみたい。
初恋の頁四つ葉のクローバー あちゃこ
○(アネモネ)甘いけどいかにもいかにも。
〇(瓦すずめ)日記の初恋のことがかいてあるページに、今、四葉のクローバーを挟み込んでいるのだ、と解釈しました。大切にしたい思い出なのでしょうね。
◎(幹夫)ハイネの詩集、或いは、日記に綴られた初恋の思い出・・・佳く省略されて詠まれており好感です。
○(敏)日記や愛読書の頁に栞代わりに入れた記憶、私にもありました。初恋に限りませんでしたが・・・
◯ (アゼリア)同じようなことしたような記憶がー
選外 (多実生) 四つ葉は見つけ難いほど、見つけた時は嬉しいものです。
言の葉の足らざるを吹き春疾風 敏
◯(ルカ)言の葉を吹くのが面白かったです。
朧夜や司葉子のビデオ借る 餡子
○(アネモネ)ほほう、司葉子とはまた! 渋い!!
〇(瞳人)子どものころ、こんな別嬪、いるものかという憧れでした、気持、よおくわかりますねえ。
○(泉)「司葉子」は懐かしいですね。今でも美人なのでしょうか?
万葉の語り部逝きし花は葉に 道人
◯(ルカ)美しい弔句。
◎(ちせい)季語は「花は葉に」。中西さんでしょうか、犬養さんでしょうか、少し混乱しましたが、何かストンと腹に落ちるものがありました。
地球儀の右に傾ぎて青葉冷え アゼリア
〇(春生)なんとなく、雰囲気があります。
◯(ルカ)季語がいいですね。
◎(瓦すずめ)青葉キラキラしているときの突然の冷え込み。青葉が茂っているのに、冷え込むという不思議さと地球儀の傾きと、関係ないはずなのに、ありそうに思えてしまいます。
○(餡子)困ったもんです。危機感一杯の地球。
○(敏)最近のニュースを見ていると、世界中が右へ右へと傾いていくように見えますね。心も冷えてきます。
◯(宙虫)世界情勢が地球儀の中まで?そんな思いが詠み込まれている。
〇(まきえっと)環境も政治も傾いていますね。
春落葉しきりポストの腹が開く 珠子
○(あちゃこ)展開が面白い。通りすがりに発見したのでしょう。実景句として戴きました。
春風の流るる方へ葉を広げ 春生
〇 (多実生) 自然の法則でしょうか?今度よく観察します。
◎(仙翁)いいですね。ゆったりと流れるような人生を思います。
◎(まきえっと)逆らわずにという感じです。
花は葉に激しき雨の後の菓子 ちせい
葉桜の中の残花に目白来る 多実生
〇(仙翁)葉桜の中の残花、いい表現ですね。光景が浮かびます。
春落葉に頬を打たれる街日暮れ 宙虫
〇(道人)こういう日暮れが好きです。
花は葉に背中で結ぶ蝶結び まきえっと
○(アネモネ)いてててて!もう背中で結ぶほど手が回らないけれどうらやましさで一票!
◯(宙虫)割烹着なのでしょうか?蝶結びにしなやかさを感じます。
◯(道人)背中には手が回らなくなって来ました。老化を花に譬えて楽しい句です。調べも良い。
○(あちゃこ)結ぶが2度出てくるのですが、邪魔にならずにリズムを作りだしています。「リボンの蝶」ではリズムはうまれないので。可愛らしい幼子に結んであげているのは、誰でしょうね⁈
テーマ:ホッとする
のどけさや上天丼にタレの染む 瓦すずめ
○(泉)本当に「のどか」。日本は平和です。もっとも、朝鮮半島は?
◯(吾郎)あらまぁ上天丼ですか、車海老が2本、まぁホッとしますね。
○(幹夫)ホッとするひとときが詠まれていると思いました。
花菜風金曜日指すカレンダー まきえっと
◎(泉)本当に金曜日になるとホッとします。土日も仕事、という人も多いでしょうが。
◎(吾郎)そうなんです、最初「金曜目指す」と読んで納得してました
〇 (多実生) 今は毎日休日の私ですが、金曜日の解放感は素晴らしい。
(選外)(道人)金曜日は心浮き浮きでしたが、確かにホッとする曜日でもあります。
遠近(おちこち)にダイアル失物囀りぬ 藤三彩
花冷や五臓六腑に生姜湯 道人
○(珠子)この頃の気温差には体が付いてゆけません。私はお酒よりも生姜湯派です。
海の春信時潔奏でけり 瞳人
うららかやこずるい鳩に囲まれる 宙虫
◯(ルカ)面白いです。
〇(瓦すずめ)思わずニヤリとしました。観光地の鳩でしょうか。あの鳩たちは、確かにこずるい。でもうららかだから許せそう
○(ちせい)季語は「うららか」。「こずるい」と言う評価にハッとしました。
黒糖に和えて穀雨の胡桃の実 アネモネ
昏き戸を開ければ春の月の影 仙翁
○(幹夫)リズム佳く、情緒が感じられる句ですね。
桜揉み昼寝兼ねる日身も楽さ 吾郎
○(餡子)八重の桜を塩漬けにするのだそうですね。あとは、気楽に浸かるのを待ちましょう。出来たら桜茶にして。
◯ (アゼリア)だんだん楽が一番になってきました。共感の名回文と思いました。
◯(道人)桜見しながらの昼寝とは心地良いでしょうね。出来そうで中々出来ません。
春の星独り占めする露天風呂 アゼリア
〇(春生)ほっとした気分が伝わってきます。
○(泉)羨ましいような光景ですね。お湯にのぼせないように、注意して下さい。
○(藤三彩)春寒の夜空かな。山の湯で見る天の川もいいのですが
〇(瓦すずめ)無邪気さが好きです。
○(敏)独りだけで露天風呂につかっていると、確かにそんな気がしてきますね。
しんがりは年嵩の子や葱坊主 あちゃこ
◎(ルカ)葱坊主にも序列化がありそう。
○(敏)嫌な事件が起きますと、やはり集団登校は必要ですね。
◎(道人)小学校の集団下校の景でしょうか。葱坊主が嵌まっています。
春宵一刻紫煙安堵の旅寝かな 幹夫
◎(藤三彩)タバコ愛好家にはほっとする選択の宿。「喫煙指定場所に近いお部屋をお取りします」というのが世知辛い現状
吹雪いては安堵の声や花の山 餡子
数日の遅れはあれど花開く 春生
清明やバターのゆるむパンの皿 珠子
◯(吾郎)実に即物的な感じに好感が持てたりして
◎(あちゃこ)清明の日に満ちるパンとバターの匂い。ゆるむという表現が季語と響き合っています。
○(ちせい)季語は「清明」。バターの自然現象に季節の感覚が交わりが自然だと思いました。
〇(まきえっと)う~ん。この取り合わせが面白いです。
大変化見えぬおぼろの三面鏡 敏
〇(瞳人)きょう、某Y紙の人生案内を見て、あっと叫び、変化のない幸せってありますね。
○(泉)「大変化」という表現がユーモラスだと思います。
〇 (多実生) 最近はいつでも見られる住居の仕組みか変化は見えぬものです。
○(餡子)うーん。近頃は、老眼や、白内障も始まったみたいで、お肌の変化がよくわかりません。朧となったら尚のこと。
◯(宙虫)大変化の意味がわかったようなの不満はあるけど、おぼろが面白い使われ方。
定年の亭主出かけて春の風 泉
◎(アネモネ)参ったなあ。我が家をのぞき見されているような・・・。
〇(瞳人)これも大いなる幸せです。
○そういう風にほっとするんだ、奥さんが友達と旅にでればこれが最高。録画見て、くさやも焼ける。
〇(瓦すずめ)細君のお気持ちは、春の風というところから喜んでいるように思います。亭主の元気を喜んでいるのか、一人になれるのを喜んでいるのか
(選外)(道人)きっとホットするのでしょうね。
逃げ場ないままで目覚めし春の夢 多実生
来客は再婚同士水温む ルカ
○(アネモネ)上手く言えないけれどこの淡い感じ好きです。
〇(瞳人)こういう幸せって、ごく身近にあります。
○(珠子)ご挨拶にいらっしゃったのでしょうか。いろいろあっての再婚でしょうが、幸せでありますように。
◯ (アゼリア)お幸せお祈り致します。
(選外)(道人)超高齢化社会はかくあるべし。超高齢化社会でなくても。
珈琲に牛乳沢山春の雨 ちせい
〇(春生)こんな工夫で、ほっとした気分ですね。
雑詠
花菜道沿いの天上銀河の譜 敏
かたかごや午後の日かげりやすくして アネモネ
○(珠子)遅日とはいえ、山の斜面のかたかごにはもう日が陰ってきたのでしょう。
湧き水の向かう大海山笑う まきえっと
◎ (多実生) 湧き水も大海構成の一つ、大海と湧き水の対比が面白い。
〇(仙翁)僅かな水が大河になり大海に向かう。いい流れです。
○(ちせい)季語は「山笑う」。「大海」がでかいですね。「湧き水」との比較対照から、俳句の味わいが感じられました。
一行の住所消しかね花の雨 道人
○(餡子)亡くなったかたへの複雑な気持ちがよくわかります。
◎ (アゼリア) 様々の理由でもう会うことの出来ない方なのに住所録から消しかねる~よくありますよね。共感の句です。
○(あちゃこ)何があったのでしょうか?忘れるために消そうとしているのかもしれません。様々な想像が膨らみます。
花見ごろ大和の忌日はつとして 瞳人
「ちょお待って、春やからってキスしすぎ」 瓦すずめ
◎(餡子)内容も、句の形も、斬新!若い!迷いつつ頂きました。
花吹雪き親とはぐれて泣く子かな あちゃこ
うらうらと蝶なぞり来る野の起伏 餡子
◯(吾郎)ちょっと盛りだくさんですが、そんな感じしますね。
○(幹夫)野を舞う蝶々の様子が佳く詠まれていると思いました。
〇 (多実生) 蝶の迷い飛びは、なるほど起伏をなぞっているかの様です。
○(珠子)蝶の動きの形容はいろいろありますが、「うらうらとなぞりくる」も言いえて妙。
〇(仙翁)山の起伏に沿ってゆらゆらと飛ぶ蝶。面白い光景です。
◎(敏)のどかな感じを蝶(多分初蝶)に適用したところ、感心してしまいました。このような例、私は初見でしたので。
◎(宙虫)起伏に沿う蝶。情景も浮かぶし、生きているものの実感があります。
○(あちゃこ)やや説明調ながら、「うらうらと」の擬態語が蝶の動きを上手く表現していると思います。
〇(まきえっと)野の起伏は「うらうら」と言った感じでしょうか。
花筏何かが沼の底にゐる 幹夫
◎(春生)「何かが沼の底にゐる」という感性、見事です。
◯(吾郎)底が丸見えの底なし沼的な不気味。だいたい見えないことっって怖いやね。
○(藤三彩)居るのは河童じゃないな、飼えなくなった古代魚か。と想像させる。
〇(仙翁)花に隠された沼の底には、何かがあるように感じますね。
帰り来て桜吹雪に立ち止まる 仙翁
○(幹夫)何と美しい桜吹雪なのでしょう!
三鬼の忌女ばかりの立ち飲み屋 ルカ
◎(瞳人)でかい、にゅうぼう、ばかりではありません。これも幸せ、これも三忌です。
○(藤三彩)「君たちの乳房」の西東三鬼先生は女性がお好きだったそうで、後始末に苦労した後輩俳人もいたそうだ。
○(珠子)男ばかりもあって女ばかりもあって。今日も一日お疲れさまでした!
◯ (アゼリア)恐るべきーという名句ができそうですね。
◯(道人)「おそるべき君ら」の肝臓ですね。
○(あちゃこ)立ち飲み屋?未だ行ったことは無いのですが。忌日をあえて持ってきたところがこの句の妙ですね。
〇(まきえっと)大胆な発想です。
持寄りで句会も兼ねる花の下 多実生
〇(瞳人)羨ましいですね、こういう句会。
〇(瓦すずめ)穏やかで優しい時間のような感じがします。
芝櫻室内運動止められず ちせい
若草や性格違う三姉妹 泉
○(藤三彩)これから伸びようとする若草にそれぞれの生き方がありそう。谷崎潤一郎の『細雪』を思わすが。
○(ちせい)季語は「若草」。若草物語や、奈良市の若草の鹿。いろいろと思い浮かびました。
西へ東へ蛇穴を出てひかる 珠子
〇 (多実生) 蛇穴を出てひかる。自然界の生き物はみな綺麗です。ひかるの表現が上手い。
○(敏)やっと穴から這い出てきた蛇さんの、明るい光に戸惑っている姿が見えてきました。
花濡らし無地にて滲む知らぬ名は 吾郎
想い出に鴉が降りてくる春野 宙虫
◯(道人)鴉は何の象徴なのか、勝手読みながら座五「春野」から失恋の想い出のような気がする。
鶴瓶の眠そうな目や葱坊主 アゼリア
◯(ルカ)確かに!季語と合ってて面白いですね。
◎(珠子)鶴瓶さんのあの、全くひねたところのないお顔と性格は天からの授かりものですね。眠そうな優しそうな眼。実際にはどこかに三つ目の厳しい目もお持ちなのでしょうが。アンテナさえあれば句材は無限と感心した句でもあります。
(選外)(道人)鶴瓶と葱坊主の取り合せが巧い。
唐揚げの手羽先ほいじゃけ黄砂降る 藤三彩
◯(吾郎)方言の楽しさ。
薔薇の芽の短く太くたくましき 春生
(選外)(藤三彩)ミニバラ系じゃなくて大輪系かな
今月は久方ぶりに名古屋→大阪→東京→播州但馬(城崎・竹田城址・生野銀山・姫路城)→名古屋と目まぐるしく動きました。桜の散り方もそれぞれでした。
宙虫さん 次回の写真詠題、美しすぎて難しいです。
皆さん 今後ともよろしくお願いします。
広島は桜も既に散りました。それでも、なかなか暖かくなりません。今年は広島カープの調子が今一つなので、多少の不安感があります。もちろん、他の球団も頑張らないと、プロ野球は面白くなりませんが・・・。