小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第466回小麦句会結果発表(1)

2021年12月09日 10時31分12秒 | 1日句会

熊本では穏やかな12月が続いている。

久しぶりに夜の街に出かけ、イルミネーションの中を歩いたが。

忘年会などの盛り上がり方ではなかった。

以前よりひとは出ているが、夜の過ごし方も人によっては大きく変わっているんだろうと思う。

 

さて、句会結果発表!

今回も二回に分けて掲載。

 

★結果発表

 

凩の過呼吸つづく路地酒場  楊子

◎(道人)「過呼吸」が凩の吹き抜ける路地酒場にピッタリな個性的表現。

○(敏)凩の擬人化? 初めて目にしました。

◯ (アゼリア) 温暖化のせいか風も雨も激しくなってきました。凩の過呼吸ー言い得て妙と感心致しました。

 

(選外)(卯平)中七下五の措辞と季語である「凩」をキレ字「や」で均衡を保てば路地酒場の景が一目瞭然で今回の句会での特選句だった。

 

冬の旅下校の児らに道尋ぬ     アゼリア

◯(アネモネ)写真が無理なく一句になりました。

○(餡子)良い光景ですね。昔の子は恥ずかしがったものですが、今の子達は、ちっとも臆することなく教えてくれるでしょう。  

〇(藤三彩)コロナで旅に出ることはまだまだ自粛中。永六輔の「遠くへ行きたい」が懐かしい。

○(アダー女)旅先でよくやります。子供は親切で曲がり角まで付いてきてくれたり。

〇(春生)道を訪ねる旅人と尋ねられる子どもたちの雰囲気が良いですね。

 

山裾へ吸い込まれゆく十二月  まきえっと

〇(楊子)そんな気がするのはなぜかわからないけれど。作者の感覚の鋭さでいただきました。

◯(道人)十二月は忙しい。のんびりした山間の町でもあっという間に過ぎ去る日月。正しく「吸い込まれゆく」です。

◯ (アゼリア) 子供達も車も山の方へ向かっており、街ごと山裾へ吸い込まれてゆくような錯覚を覚えます。

〇(めたもん)山頂から降りてくる雪。山裾の景とも残りの日数ともそ気分とも読める中七が素晴らしいです。

〇(ちせい)魅了されたのか、目眩がしたのか、十二月と言う季語と。

〇(宙虫)遠近感のある表現と十二月がいい。

 

北風に押され暖簾を押し潜る    仙翁

◯(アネモネ)北風がいい役割しています。

◯(道人)臨場感あふれる句。

○(敏)北風に吹かれていると暖簾の奥が恋しくなって…と言った心持ちでしょう。

〇(まきえっと)暖簾を押し潜ったのは北風のせいだと言い訳ができますね。   

〇(春生)こういう情景がコロナで少なくなりましたね。

 

初雪や理由をつけて居酒屋へ  泉

◯(アネモネ)ほんとほんと。

○(卯平)初雪にはどこか浮き浮きした気分になる。だから飲み助はそれを理由にして暖簾を潜るものだ。

○(餡子)女性は、こういうことは余りありません。男性ですね。直ぐバレるような理由でしょう。 

○(アダー女)「寒いねえ!ちと熱燗でおでんといくか」「今日は暑かったねえ!焼き鳥でくい~っと生ビールといくか!」吞兵衛はいつでも理由つけられます。

〇(ちせい)楽しく飲酒をしている風景が思い浮かびます。

 

冬青空路地裏奥の商店街   ルカ

 

十二月八日の朝の通学路    春生

◯(アネモネ)季語の斡旋に驚きました。

◎(卯平)あの時と同じようなきな臭い風が今吹き始めていると感じるのは私だけではないだろう。この子らにけして銃を取らせてはいけない。

○(餡子)80年前の12月8日。日本中が歓喜に湧いたという・・・。  

○(あちゃこ)レトロな町並みから開戦日へと発想を飛ばした句。変わらざる人の営みと平安を考えさせられます。

◯(アゼリア) 当たり前の日常があっという間に崩れてしまう事をコロナ禍で痛感しました。世界中がきな臭くなって怖いですね。

〇(あき子)少ない言葉で戦争と平和、日々の暮らしの尊さが伝わってきます。

◯(ルカ)その日の朝の風景が浮かびます。

〇(宙虫)平和は日常の中にある。

 

紅い影は饒舌路地の冬物語    宙虫

〇(仙翁)いろいろな物語が語られそうですね。紅い影も面白い。

 

学童や山眠りかけて居る頃    ちせい

 

寒柝の路地一列に遠ざかる   あき子

〇(めたもん)路地を遠ざかっていく寒柝の音。過ぎていく今年が列をなし遠ざかっていくような感慨。

 

物知りの横におとぼけおでん酒    めたもん

○(泉)漫才のような、ユーモラスな俳句だと思います。

◯(道人)物知りとおとぼけという登場人物の組合せに俳味あり。

○(アダー女)上品な博識から蘊蓄たれたれまで物知りにもいろいろありますね。そんな横で「そんなことどうだっていいじゃねえか。」とすっとぼけて「まあ飲みねえ、飲みねえ」という輩もいる。

◎(あき子)店内の様子や笑い声も聞こえてくる。こころとからだがほぐれてきます。

 

寒鰤やコップ酒酌み老主筆    瞳人     

○(卯平)この句から「むのたけじ」の姿を思い出した。筑紫哲也や金平茂紀に通じるけして忘れてならない新聞人だ。

◎ (アゼリア) この写真からこの発想、感心致しました。

 

シャッターのゴジラ火を噴く十二月  珠子

○(卯平)上五中七の景は明確。その事実が十二月で詩になった。切取りが上手い。

◎(藤三彩)ゴジラに火を噴かせましたか 人は逃げてひと気なき十二月ということでしょう

○(敏)あまり凄みの無いゴジラですが、シャッターから火を噴き出すとしたら、矢張り恐ろしいですね。

〇(宙虫)十二月とゴジラ・・・いろいろ想像する。

 

人気無き冬日の遊ぶアーケード   敏

○(あちゃこ)景そのままを描写していますが、語りすぎないからこそ、詩情を感じます。

〇(まきえっと)「冬日の遊ぶ」がいいですね。  

〇(仙翁)今どきの静かなアーケード、夕日も遊ぶ。

〇(あき子)写真の閑散とした雰囲気がよく捉えられています。

◯ (ルカ)詩情があります。

 

熱燗を待つ間近づくゴジラの咆哮    藤三彩

 

木枯一号シャッター街にゴジラの絵   アネモネ

〇(楊子)寂しげな景色とゴジラの絵のとりあわせがますます寂しさを誘いますね。

◎(春生)寂れた町のシャッターに書かれたゴジラが救いです。

 

息白し新聞少年走った時代   アダー女

○(泉)昭和は遠くなりました。

○(瞳人)配るに足る?新聞であってほしいけど、最近、評判良くないですね

〇(藤三彩)ランドセルの児童を見て昔を想う。頑張ったね

○(餡子)シヤッターに、落書きは増えていて侘しさと同時に不安を感じます。季語が更に追い打ちをかけて。   

〇(まきえっと)「木枯一号」がいいですね。  

 

(選外)(卯平)残念ながらこちらは「シャッター・・・・」と比較すれば報告を抜けきっていないと鑑賞した。  

 

延ばそうかけふの宿題花八手   卯平

 

 

 

つづく

 

 

 

 



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