小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第381回小麦句会結果発表

2018年05月08日 23時16分25秒 | 1日句会





熊本は、月曜日火曜日と雨続き。

けっこう激しく降ります。

明日は回復するようですが、鹿児島県の奄美地方ははや梅雨入り。

急に暑かったかと思うと、ここ数日は朝晩、けっこう寒く感じます。

体がついていかない部分もあります。

今も雨の音がしています。

本当に明日は晴れるのでしょうか?

では、句会の結果発表です。

次回の句会はまきえっとさんが当番です。

 

♪♪♪♪♪

げんげ田にいきのいい風吹いて来る  ちせい

〇(アネモネ)いきのいい風にびっくり。

◎(瑠璃)元気の出る句だと思います。

○(幹夫)紫雲英田の広々とした景に共感です。

◎ (多実生) 蓮華の咲く頃は絶好な季節。いきのいい風で俳句も生き生き。

◯ (アゼリア) 爽やかな風を頬に感じます。

 

犬ラジオ聴きハウスに暮るる昭和の日   アゼリア

 

ダンプカー紫雲英の畑に突き当たる   春生

○(餡子)地方では、よく見られる景なのでしょう。紫雲英野を本当に見なくなりました。どんどん均されて宅地化していくのでしょう。  

○(ちせい)季語は「紫雲英」。ダンプカー的なでかさと紫雲英の小ささとの対比が妙味であると思いました。

 

レンゲ咲くみつばちマーヤの旅に出る   藤三彩

○(泉)「みつばちマーヤ」という童話がありましたか?ロマンチックな俳句ですね。

 

クレーンに春愁吊られバスの旅  まきえっと

◯(瑠璃)クレーンが効いています。

〇(藤三彩)何を吊るかと思えば春愁ですか

 

げんげ野は喜びの園バスを待つ  敏

◎(ちせい)季語は「げんげ野」。喜びの園と言う大胆な主観。バスを待つでは石田波郷句を思い出しました。

 

バスを待つ紫雲英田経由団地行き    道人

◎(アネモネ)「紫雲英田経由団地行き」いかにもです。

◎(餡子)いずれこの紫雲英田も名前だけのバス停になってしまうのでしょうね。

◯ (アゼリア) 少しくらい遠回りしても紫雲英田経由を選びます。

〇(まきえっと)紫雲英田経由団地行きの現実に戻る感じが面白いです。

〇(宙虫)目的地が団地なのがいいですね。生活の色と癒しの色の取り合わせ。

 

寝転んで回ってみたい蓮華の田  多実生

 

紫雲英畑経由あの頃行きのバス  珠子

〇(アネモネ)「あの頃行き」いいですね。

○(ルカ)童心行きのバス。詩情があります。

○(餡子)奇しくも。「紫雲英経由」が重なりましたが、二句とも、好きです。

〇(仙翁)あの頃を思い出させる、蓮華畑でしょうか。

○(敏)「以前のぼくに遭いたくて」と詠った歌人がいましたが、一句はまさにその同工異曲の俳句版。歌人は「きみに逢う以前のぼく」に「遭いた」かったのですが、俳人の想いは端的に「あの頃」で、経由地の紫雲英田で何かがあったことを暗示しているようです。

◯ (アゼリア) こんなバスがあったら乗りたいです。

○(ちせい)季語は「紫雲英」。あの頃は戻れない。しかし戻りたい。葛藤すら感じられる句。

 

薫風や未来へ運ぶ時刻表    あちゃこ

○(ルカ)未来は漠然とした表現ですが、季語が明るさを感じさせます。

◎(泉)「銀河鉄道の夜」を連想しました。SF的な部分がありますね。

◯(瑠璃)薫風の捉え方が新鮮です。

〇 (多実生) 明るい未来で有ります様に。

◯ (アゼリア) 目的がなくとも時刻表を眺めていると心がウキウキしてきます。

◎(まきえっと)「未来へ運ぶ時刻表」が素敵です。季語も爽やかです。

〇(宙虫)確かに薫風はすぐそこにある未来を見せてくれる。

 

(選外)(道人)「未来」の解釈が難しいが、薫風はいつか必ず明るい未来に運んでくれる。

 

あてどなく次なるバスと春を行く  仙翁

〇(瞳人)春か秋か、やっぱり春か

◯(あちゃこ)晩春はこんな気分になりますね。当てなき旅の終着地で一句できました!連句です。助かったぁ。

 

とりあえず家を出てみる白い靴  泉

〇(瞳人)赤い靴は脱ぎ捨てて、です

◯(瑠璃)とりあえず行動するというところに共感しました。

○(幹夫)白靴を履いて夏の自然へ。

〇(珠子)毎日が連休のような生活ですが、爽やかなゴールデンウィークは「とりあえず」出かけたくなります。私の場合、同じくらいの距離に二つの駅があるので、家を出たら右の路線か左の路線かまずは迷うことになります。

○(ちせい)季語は「白い靴」。とりあえずと言う軽い気持ちと季語の唱和があると思いました。

〇(宙虫)この気持ち、よくわかる。季語が生き生きしている。

 

サングラスかけてはずして時刻表   瑠璃

〇(瞳人)そういう不便て、ありますね

〇(アネモネ)「サングラス」の小道具が効いています。

〇(珠子)ぐるぐる回らなくても乗り場がわかる優れものにびっくり。しかしこれだけ多いとサングラスを外しても時間がかかりそうです。

○(敏)色分けで掲示された時刻表。サングラスの色によっては読み取れない時刻や路線があったのでしょう。「かけてはずして」が一句の主人公の気持ちと動作をよく表しています。

○(ちせい)季語は「サングラス」。時刻表と言う対象がくきやかに。季語の存在感もある。

 

故郷は少年の日日夏のバス   瞳人

〇 (多実生) 私の少年の頃、今は懐かしい木炭バスでした。

○(餡子)少年時代・・・いいものだけが思い出されますね。ふるさとを一巡りするのも今の内。

〇(仙翁)田舎のバス、昔はよく乗りました。

◯(あちゃこ)遠く遥かな思春期を故郷においてきました。バス通学の思い出が蘇ります。

〇(まきえっと)井上陽水の歌を思い出しました。

 

乗り継いで紫雲英浄土に立ちつくす   餡子

〇(アネモネ)「紫雲英浄土」にはまいりました。

〇(春生)紫雲英浄土という捉え方がすばらしい。   

◯(道人)紫雲英浄土がとても良い。バスを乗り継いで、やっと辿り着いた紫雲英田の実感。

 

蓮華田に遊び呆けて夕の鐘   アゼリア

◎(幹夫)子供の頃の思い出が詠まれており、句のリズムに共感です。

〇(仙翁)子供の頃、レンゲ畑でよく遊びました。

 

僕の羽おちて蓮華に埋もれる   宙虫

○(泉)良く分かりませんが、詩情あふれる俳句だと思います。

◎(珠子)「僕の羽」こういう感覚、素敵。

◎(仙翁)羽が落ちる、詩的でいいですね。 

◎(敏)一句の「僕」は天使か仙人か、いずれにしても空を飛んでいたのでしょう。蓮華の園に何かを見た途端、背に生えていた羽が落ち、我が身も羽と一緒に埋もれてしまった、ということかも知れません。いったい何を見たのでしょうか。

◎(あちゃこ)詩的な一句。飛び立つことを止めさせるげんげ田の美しさと受け取りました。

◎(道人)無機質な現代社会を飛んでいる鳥になった不思議な感覚。紫雲英田を見つけ舞い降りた、そのまま紫雲英に埋もれて眠ってしまいたい。共感!

〇(藤三彩)僕のドローンが堕ちたか。

〇(まきえっと)どんな羽だろう。また生えてくるまでゆっくりしてください。

 

路線図や伸び縮みして蟻の列   ルカ

○(泉)「路線図」から「蟻の列」への連想が見事です。

◯(瑠璃)蟻の列を伸び縮みする路線図と蟻の動きとの対比が面白いと思いました。

○(幹夫)上句の切れ字が微妙ですが、好きな取合せの俳句です。

○(敏)くねくねとした路線図。白と黒で描かれた鉄道路線は、あたかも列をなした蟻たちにそっくりに見えます。

〇(藤三彩)路線図も伸び縮みしそうな感じ

〇(宙虫)伸び縮みが妙に面白い。

 

鶏鳴や遠く霞みし寝釈迦山   アネモネ

〇(珠子)雄鶏の鳴き声は半世紀近く聞いていない気がします。寝釈迦山の見えるところならではの景の広がり。 

○(敏)三枚目に写っている遠山並みを「寝釈迦」と見立てたところ、秀逸と存じます。霞の向こうから聞こえる鶏の声も鮮明で、お釈迦様に刻を告げているかのようです。

 

バス停まる薄暑拾ってゆくように  珠子

◎(瞳人)なるほど、そうですね

◎(ルカ)薄暑を拾うという発想に惹かれました。

〇(春生)絵本のような世界を展開しました。

〇 (多実生) 都会のバスはよく止まります。例えが面白い。

〇(仙翁)バスが止まるたびに、暑さを感じます。

◯(あちゃこ)中七がすてきです。

◎(藤三彩)不条理劇のバス停のような薄暑

〇(まきえっと)表現が上手です。

◎(宙虫)中七がドラマをはらんで、初夏の緊張感もある。

 

クレーン車の百人力に春疾風   幹夫

 

げんげ田の口笛いつか昭和唄   瞳人

〇(春生)げんげに昔を懐かしむ気分になってきました。  

○(泉)また元号が変わります。昭和は更に遠くなりますね。

〇(珠子)髙橋真梨子を歌っていたはずなのに、いつのまにかペドロ&カプリシャスになっていて。おかしいなあ…。

○(餡子)げんげ田に立つと、懐かしい日々がよみがえってきます。昭和唄ではなく具体的な曲名の方がよかったかも。  

◎ (アゼリア) 美空ひばりの唄なんか歌ってしまいそうです。

 

槌音の砕く廃墟と春愁と    あちゃこ

〇(春生)写真が繰り広げる世界をうまく捉えています。    

◯ (アゼリア) 春愁も砕いていただいて爽やかな初夏を楽しみたいですね。

〇(道人)この「槌音」は、さらなる自然破壊と無機質なコンクリートの世界を創造するのかも。淡い春愁などあっという間に砕け散る。

○(ちせい)季語は「春愁」。槌に砕かれ廃墟が誕生する。「春愁」も一時的なもの。再生の物語が今や始まる。

 

阿蘇山の雄姿を見たい五月晴れ  多実生

○(泉)本当に素晴らしい、「五月晴れ」だろうと想像しました。

〇(藤三彩)登りたくても今はダメみたい

 

音の止む五月のクレーン骨休み    藤三彩

〇(瞳人)連休は人さまだけではありませんね

○(ルカ)俳諧味がありますね。

○(幹夫)五月は就中黄金週間中の工事現場の様子なのでしょうか。共感です。

 

(選外)(ちせい)季語は「五月」。この句は考えようによってはいい句だと思いましたが、考えようによっては「音の止む」と「骨休み」が安易な類比表現とも思えて選外としました。

 

紫雲英田に麒麟の首が隠れない   幹夫

◎(春生)クレーンを「麒麟の首が隠れない」を捉えた感性がすばらしい。  

◯(瑠璃)ユニークな句だと思います。

◯(道人)子供の頃は紫雲英田に埋もれ、誰からも隠れたつもりでいた。郷愁の句。

〇(宙虫)麒麟の首の隠し場所は大変。いろんなことを連想する。

 

新緑の工事現場に白き  ちせい

 

げんげ野の扉を探す嫗かな   ルカ

◯(あちゃこ)浄土への扉?過去への入り口?意味深な一句。あわれなり。

 

(選外)(道人)「扉」を開けるとどんな世界が見えるのでしょうか。

 

紫雲英田のげんげに残る月日かな    道人

〇(仙翁)蓮華に昔の思い出が残っているのでしょうか。

 

紫雲英田や工事現場の機械音   春生

〇 (多実生) 紫雲英田と工事現場が近くなりました。

 

春が行く思い出路線案内図  敏

 

(選外))(道人)「春が行く」が珍しい表現で気になります。

 

影二つれんげ畑に見え隠れ   瑠璃

○(アネモネ)ミステリアスですね。

○(幹夫)蓮華畑の景が広がって佳く詠まれています。

〇(春生)のんびりしてくるような句です。  

 

げんげ田の記憶組まれてゆく鉄骨   宙虫

○(ルカ)消えてゆくもの、生まれるもの。対比がいいですね。

〇(珠子)鉄骨が組まれるのを見上げながら、あれ?ここに何があったんだっけ?そうそう、ここで紫雲英を摘んだ記憶があるなどと思い出して。

○(餡子)消えたげんげ田は、徐々に記憶からこぼれていくことでしょう。このビルの立つ前は何だったっけ?と。 

○(敏)かつて豊かだったげんげ野に、再開発のための鉄骨が組まれていく様子と、その現場を囲んだ塀に描かれた、げんげ田を模した壁画を想像しました。

◯(道人)紫雲英田もやがてなくなり、ビルなどに変貌して行く。過去からその繰り返し。

 

街騒をのがれ春愁解く旅   餡子

◯(道人)騒がしい都会から逃れるには、路線バスの旅が良いですね。

〇(まきえっと)「春愁を解く」が上手です。

 

一面の紫雲英遥かに道遠し   仙翁

 

色分けのバスの路線図春暑し   アネモネ

○(ルカ)くっきりとした、わかりやすい色分けに暑さを感じる。共感します。

〇(藤三彩)色分けしてあっても初めての人には分からないだろう

 

青い目にバスを聞かれて滲む汗  泉

〇 (多実生) ふいに聞かれるとそれは焦りますよね。

◯(あちゃこ)焦ってモゴモゴ?それとも?よく分かります。汗にも色々ありますね。

 



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2018-05-09 20:09:32
宙虫さん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は最近、雨が降り続いています。まるで梅雨の様な状態になりました。沖縄付近は、既に梅雨入りした様ですね。雨が降ると、広島カープの試合が中止になるので、ガッカリです。それにしても、大谷選手の活躍は素晴らしい。
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