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サーカスの春や鷗の宙返り 春生
◎(珠子)あの暗い空の下のサーカスと水鳥をどうつなげようかと散々悩んでボツ。サーカスと鴎の宙返りとは!あっけらかんと明るい景にした力には脱帽です。
◎(幹夫)サーカス空中ブランコと春鴎それぞれが「宙返り」にマッチして詠まれる。
◯(道人)写真詠らしい映像がしっかりした句。
◯(アネモネ)「や」の使い方が面白い。
冬晴や街にジンタの流れ着く あちゃこ
〇(藤三彩)待ちわびたサーカス団がようやく村に入ってくる。という子らの期待と喜びが感じられる
○(幹夫)昨夏木下サーカスが地元岡山に久しぶりに凱旋ジンタッタ♪ 空中ブランコ、オートバイ曲芸、ピエロのコンビ、ライオン、象・・・堪能して来ました。
○(卯平)中七のジンタを知っているとすれば、それは私と同世代。ジンタの流れる街は何処かもの哀しい。この句の手柄は下五の「流れ着く」。季語との調和は予定を超えている。
◎(餡子) 小さい頃からサーカスは大好きでした。今はジンタは聞かれませんが、あの頃は聞いた覚えがあります。サーカス団の人たちにすごく興味がありました。どんな生活をしているのか、動物たちはどうしているのかとか・・・。物語をいろいろと想像していました。
〇(宙虫)サーカスにまつわるいろいろなことが目に見える。
白鳥の寒九の水を賜れり 卯平
サーカスの虎の遠き眼風疼く 珠子
〇(仙翁)虎の故郷は、冬の厳しい所かな。
◎ (アゼリア) 遠い故郷を偲んでいるような眼ですね。観察が鋭いです。
○(泉)「風疼く」という表現は厳しいですね。
〇(宙虫)こういう動物の句はこういう展開になる不満はあるが。
日脚伸ぶサーカス小屋を囲む列 まきえっと
○(卯平)この写真から素直に詠んだ句。それ以上でもそれ以下でもない。が、上五の季語がこの句を明確にしている。
○(餡子)今回のこの写真。いろいろなことを思い出させてもらいました。甘酸っぱい少女時代。
〇(ちせい)季語は「日脚伸ぶ」。サーカス小屋は今日も大盛況だったのでしょう。
冬鳥の羽の諍い静かなり ルカ
小屋を出るピエロに涙冬の空 仙翁
◯(アゼリア) 失恋したのかな? ピエロには涙が似合いますね。
〇(春生)ピエロの悲哀が伝わってくる句です。
サーカスや子らに風船サービスし 泉
〇(春生)子どもにとって、サーカスも楽しいけれど、風船も楽しい。
空中ブランコ見てきて砂を抜くあさり 宙虫
◎(仙翁)ファンタジーのように面白いですね。
◯(アゼリア) 感動もさておき、ご飯をつくらなければならないという現実にすぐ戻ります。
〇(珠子)主婦の目線を的確に詠んでいます。
〇(楊子)サーカスの非日常という世界は大事ですね。ときどきは見にいこうかなと思います。
○(まきえっと)空中ブランコという非日常とあさりとの取り合せがいいですね。
◎(アネモネ)意外な取り合わせに脱帽です。
テセウスの繁吹く舳先に冬鴎 幹夫
着膨れてルオーのピエロ呼び込める 藤三彩
○(あちゃこ)サーカスといえばピエロ。呼び込みの姿が浮かびます。語順は下五中七上五とした方がスッキリするのでは?
○(泉)「ルオーのピエロ」が良いと思います。
○(卯平)ジョルジュ・ルオーが描くピエロ像。何処かもの哀しいピエロであるが、そのプロが日本風に「着膨れ」ていると言う景。そして呼び込みをしている場末の景。何処か滑稽の中に更なるもの哀しみが滲んでくる。
〇(ちせい)季語は「着膨れ」。ルオーのピエロはキリスト者なのであろうと思いました。
せはしなく鳴いて撒き餌の冬かもめ アネモネ
○(敏)生きることは食べること。人も鴎も変わりはありませんね。生きものの逞しさが一句を成り立たせています。
〇(宙虫)水鳥たちの中には人間を怖がっていないやつらけっこういる。
白鳥やサーカスの子の転入生 餡子
○(あちゃこ)確かに。小さかった頃には気付くことは無かったけど。悲しみと逞しさが同居する。
◯ (アゼリア) 昔クラスにそういう事があったような。
◎(春生)白鳥とともに、サーカスの子も転入してきた、いろんな物語が浮かんできます。
○(幹夫)冬に飛来の渡り鳥、その子の居住地はテント村か。
○(ルカ)季語がいいですね。風の又三郎みたいな転校生でしょうか。
◯(道人)白鳥もサーカスの子も流浪の悲哀を抱えて必死に生きている。
○(泉)本当にサーカス団の子供は大変です。
〇(楊子)それは美しい子でした。でもどこか哀しみをたたえた瞳をもっていました。小学生のころ校区に演芸場があって、旅役者の子どもがしばらくの間クラスにいた記憶があります。
○(卯平)サーカスはせいぜい長くて三ヶ月くらい。その間サーカスの子は出会いと別れを繰り返す。転住してきたサーカスの子もやがては去って行く。白鳥のごとく。
(選外)(藤三彩)冬鳥の白鳥が渡ってくる、と不定期な転校転入生の季節の取り合わせが何とも
単身赴任の無聊を癒す都鳥 アゼリア
〇(藤三彩)在原業平の胸中にある妻子を想う都鳥。転勤と赴任は自分の思うようにならない。
〇 (多実生) 経験は有りませんが判ります。
◯(アネモネ)なるほどなるほど。
水鳥や暗号めきし飛翔かな ちせい
〇 (多実生) 水鳥には理解出来るのでしょうね。
○(泉)水面の影は本当に暗号の様です。
○(まきえっと)どうやって合図するのか不思議です。「暗号」がよいです。
都鳥サーカスの子に攫われて 道人
サーカスのテントふあふあ虎落笛 楊子
◎(敏)虎落笛に調子を合わせたようにテントが「ふあふあ」、俳諧味溢れる作品です。
○(あちゃこ)テントはサーカスのシンボル。テントの中に歓声があがる。ふぁふぁが効いています。
〇(春生)風の強い日のサーカスのテントの様子がうまく表現されました。
〇 (多実生) 生家の町では風の季節の初午に、複数の見世物が掛りこんな風景でした。
○(幹夫)「ふあふあ」がいいですね。
◯(道人)「ふあふあ」が佳い。虎落笛ごときで倒れたりしない。酸いも甘いも嚙み分けたサーカス団はどんなことにも対応できる柔軟性がありそう。
水鳥の水輪消しゆく白さかな 敏
〇(仙翁)水鳥の水輪、何となく面白い。
○(まきえっと)「白さかな」が寒さとか奥の深いものを語っている感じがします。
◎(ちせい)季語は「水鳥」。水輪と水鳥の色の違いに感性を感じました。
寒の水歓び揺らす百合鴎 多実生
白い息吐く地上へと首延べて 敏
○(泉)地下街から地上へ。空を見上げて、思わず白い息を吐く。
サーカスのジンタ二月の空重し 珠子
◎(藤三彩)子供らには楽しみをもたらすジンタッタ。でも世は寒そう。
○(敏)ジンタに空の重さを感じたという作者の心象は、かなり複雑なのでしょうね。
〇(楊子)にぎやかであればあるほど悲しいときがある。大人になってからわかったことがある。
○(餡子)前出の◎の句にも書きましたが、サーカス団にはいろいろな人生が詰まっているように思います。まだまだ春は遠い二月。 木下サーカス団、今もあるんですね。私が初めて見たのはもう、65年前にくらいになるかしら。
〇(宙虫)二月の空が効いている。
道化師や枯野に淡き夢の跡 道人
○(敏)芭蕉の「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」に通底する何かがあるようです。
〇(仙翁)道化師の夢とは何でしょうね。
○(まきえっと)道化師・枯野・夢の跡は付きすぎという感じもしますが、嵌ってます。
◎(卯平)下五からすると大変ベタな句ではある。しかし枯野の中に居る道化師。おそらく心象風景であろう。陳腐の危うさを醸しながら、しかし、何処か心に残る句。
○(餡子)サーカスになくてはならないピエロ。せつない。
〇(ちせい)季語は「枯野」。芭蕉の句も思い出されますが、「淡き」が印象的です。
地下鉄を出て鳥雲になる時刻 宙虫
○(敏)地下鉄を出て仰いだ空に見た鳥たちが雲間に入ってゆく姿。視線の動きが見えます。
〇(仙翁)鳥が雲になる時刻は、何時ごろでしょう。
○(あちゃこ)何か気になる一句。写真からの発想の方向が多様です。
○(ルカ)地下鉄を出て変身。
〇(楊子)地上と地下との境目の空気感覚が敏感に詠んである。
夢と春置いてサーカス街を去る アゼリア
◎(あちゃこ)春を運び去りゆくサーカス。詩情があります。
〇(珠子)サーカスが「春と夢を置いて去る」という視点がgood!
○(幹夫)上記「白鳥やサーカスの子の転入生」の句にも通ずる根無し草たるサーカス団が詠まれる。大所帯の引っ越しは毎度大変だろう。
◎(道人)サーカスには現実と非現実が綯い交ぜになった夢がありますね。
◎(泉)楽しみは一瞬。しかし、大きなお土産がありました。
○(まきえっと)サーカスの一団が去った後が目に浮かびます。
○(餡子)サーカス団が去った広場はやはり寂しい。でも何かほのぼのとしたものを残していってくれます。
サーカスのテント叩いて芽木の雨 アネモネ
〇(藤三彩)糸を引くような細かい雨が降る。どこか春めいた色をもち。
〇(珠子)私もあの雨の降り出しそうな空と木が気になりました。
〇(春生)明るくサーカス小屋が描かれました。
〇(宙虫)季節感がテントの音で伝わる。
サーカスやピエロがかぶる熊の皮 泉
〇(春生)熊の皮をかぶったピエロもいいですね。
風ごと吸い込まれ冬のサーカスだ ルカ
○(あちゃこ)面白い。テントになだれ込む人波とワクワク感が伝わります。吸い込まれがいいです。
着ぶくれてサーカス団の象つかい 幹夫
〇(藤三彩)太っちょのお父さんのような象つかい。鞭を打ち鳴らしているのかな
○(敏)ごく自然な写生句ながら、可笑しさが滲み出ています。
〇(珠子)寒空。仕事以外での象使いはダウンジャケットを羽織っているに違いありません。
◎(ルカ)象使いが眼前に浮かびました。
◯(道人)ユーモアとペーソスあり。
○(餡子)象遣いは、おなかの出たおじさんが多かったように思います。着ぶくれてが面白い。
〇(ちせい)季語は「着ぶくれ」。サーカス団の象つかいなので、装飾的な意味もあったのかもしれません。
◯(アネモネ)オーソドックスですがいかにもです。
厚着して脚を使えば娑婆の風 多実生
啓蟄やサーカスてふ触太鼓 春生
人日や順番待ちの夢の國 卯平
〇 (多実生) 遊びも寒風下に列で待つ、我慢、我慢です。
○(ルカ)夢に行くにも順番待ち。
◎(まきえっと)順番待ちは当たり前なのですが「人日」を効果的に使っています。
裸木や地下鉄表示の鮮明さ ちせい
◎ (多実生) 人間工学に基づいていますね。違和感なし。
オリオンを見上ぐる土竜首を出し 仙翁
○(幹夫)春を待つ土竜が詠まれる。
◯(道人)発想の飛躍がとても良いです。
〇(楊子)オリオンと土竜のとりあわせに笑ってしまいました。たぶん憧れなのですね。
〇(宙虫)もぐらたたきのモグラが真っ先に見える面白さ。
ジュラ紀より続く冬凪の地下街 楊子
〇(仙翁)地下には、風は吹いていないでしょうか。
○(ルカ)地下街とジュラ紀が響き合ってます、
○(卯平)今年の異常気象から冬凩は実感できなかった。しかし本来なら古代より以前のジュラ紀から続いている現象であろう。その風が近代の象徴でる「地下街」へと導くという。少々理が先行している
羽広げ飛び立つ準備春を待つ まきえっと
◯(アゼリア) 鳥も帰る準備を用意周到にしていますよね。そろそろ家の近くの空を小白鳥が帰る練習かと思われる往復をし始めます。
〇 (多実生) 彼ら判っています。飛び立つ日が近い事を。
〇(ちせい)季語は「春を待つ」。飛び立つ準備と春を待つの共感がいいと思いました。
さすらいや明日は何処の白鳥見む 餡子
〇(藤三彩)「白鳥」を「くぐい(鵠)」と読ませる。寒いなかどこをほっつき歩いている御仁だろう
◯ (アゼリア) 羨ましいような寂しいような。
コート脱ぎメトロの上のナポリタン 藤三彩
〇(珠子)このカタカナ続きの軽快さ。地下鉄出口の写真は?!?で見なかったことにした私。
◎(楊子)韻といい意味といい、つかず離れずの感覚が好きでした。
◯(アネモネ)これは美味そう!
◎(宙虫)ナポリタンの色もいい感じに影響している。
冬鳥を旅の友とすサーカス団 あちゃこ
○(ルカ)本当にさすらいびと同士。
◯(アネモネ)いかにも「旅のつばくら」。
広島はやっと冬らしくなって来ました。しかし、もう二月ですから、春は近いです。
サーカスは懐かしい、というか意外でしたね。転校生も今でもいるのかな・・・?