こんにちは。
お待たせいたしました。
バタバタしていたことがようやく落ち着いたので、春を満喫しに五分咲きの河津桜を見に行ってきました。
近場にもこんな川があったのかとびっくりです。満開になったら圧巻だろうな。
鶯の鳴き声を聞きました。
兼題:返
春風に切手の不足返り来る 楊子
○(餡子)切手不足も、昔は手紙の宛先の人が払っていたような気がします。今は戻ってきますので安心です。去年不足どころか切手を貼るのを忘れて8通出してしまったのですが、きちんと束になって出戻りしてきました。季語が良いですね。
△(卯平)中七と下五の叙は単なる説明。更に「春風」の季語で説明に輪をかけていないか。
冴返る闇に湯気立つ露天の湯 幹夫
◯(アネモネ)混浴の露天風呂を思い出しました。
内股を返されふわり鳥雲に 宙虫
○(アダー女)柔道の内股の技だろうか。内股をかけようと片足になった途端、相手に片足をすくわれ、返し技をかけられ、ひっくり返された。まるでスローモーションのごとく体がひっくり返されるとき、ふんわりと体の回転する中で北へ帰る鳥が空を飛ぶ様子も見えたような感覚がうまい。
返礼の苺を迷う長崎栃木 藤三彩
返信は慈姑会湧く阪神へ 吾郎
◯(道人)関西の知人から頂いた吹田「くわい」へのお礼メールでしょうか。
白魚の指で返事はハート型 泉
◎(瞳人)うーん、いい返事ですね
〇(ちせい)ハート型とはおしゃれな人だと思いました。
二ン月のひ文字目白の宙返り 瞳人
〇(めたもん)耳慣れない単語の印象が強くて最初は景を浮かべるに至らずでしたが、何回か読むうち、なんとなく共感。マントラのようでもあり面白いです。
返さぬまま遺品となりし春ショール 餡子
〇(藤三彩)師からもらった春ショールなのでしょう
◯(アネモネ)上五が「借りしまま」なら特選候補でした。
◯(ルカ)字余りが、効いてます。
〇(めたもん)遺品である春ショールの軽さ、あたたかさが哀しい。静かに前向きな気持ちも伝わります。
○(敏)「春ショール」をどのような経緯で預かることになっていたのでしょう、切ない物語がありそうです。"
初虹を見たり踵を返しとき 敏
○(あちゃこ)瞬間の描写が上手い!
◎(アダー女)先日の大雨の後、私も東の空に美しい虹を見た。ほんの短い時間で淡く消えていった。運良く「踵を返したとき」の表現にラッキーな気分、高揚感がよく感じられる。
鶯に返す口笛相聞歌 道人
〇(珠子)とても上手な方がいますよね。近くの自然園には「鳥の鳴き声を真似するのはやめてください。縄張りを混乱させます。」との注意書きがあります。相聞歌などと気どってはいけません。
〇 (多実生) メジロには口笛で返せますが、鶯は難しい。相聞歌が効いていると思います。
○(卯平)上五から中七の行為は面白いし、その行為を相聞歌とまとめているのはそれなりの鑑賞を求めるだろう。そう思い何度でも読み返すが「面白い」の疇を抜けていない。が、相対的に選とした。
返し文一晩そつと春の闇 メイ
○(吾郎)うわぁ、中学生!
○(あちゃこ)意味深な句。恋文でしょう?中七が効いています。
呻き声聞くも返さぬ冬の山 仙翁
バレンタインチョコ謝意に絵文字の返信来る アダー女
返信は未着のままや冴返る 卯平
○(餡子)こちら側からとも考えられるし、あちら側からともとれる句ですね。どちらにしても、返信が来ないのは、あるいは着かないのは心配です。いろいろと憶測してしまいます。
水温む返事不要と友の文 ルカ
○(泉)「返事不要」というのが、気になります。
〇(楊子)気の置けない友だからこその「返信不要」の文字ですね。あの人らしいという少しの笑いも見えます。
春日差し薄着となりて若返る 多実生
○(泉)「若返る」という表現が、春らしくて良いと思います。
寝返りの如月の窓明らみて めたもん
〇(珠子)雨戸も遮光カーテンも嫌いな私には実感です。夜明けが早くなりました。
〇(春生)すっきりしためざめです。
○(メイ)春の予感。王朝の女人を想像しましたが、時代を超えた共通の感覚かと思います。
冴返る児童ホームの閉じし門 あちゃこ
(選外)(藤三彩)児童ホームとは放課後に小学生などが集まる所のことだろうか?コロナ禍での閉館と察する。
(選外)(メイ) 子どもたちが集まって、賑やかなはずなのに・・・。
芽吹山こだまにこだま返しけり 春生
〇 (多実生) こだまは地形に依存しますが、芽吹きが終わるとコダマの季節も終わる様です。
(選外)(道人)季語とこだまのリフレインが呼応し合って、春の勢いがよく伝わって来る。
春の雪ひっくり返す砂時計 まきえっと
◯(アネモネ)「春の雪」に想像が広がります。
○(吾郎)雪がいい塩梅で。
◯(宙虫)三寒四温の時期、何度も砂時計をひっくり返して、春雪の向こうの明るさを待つ。
○(仙翁)一人で、砂時計をひっくり返す。いいですね。
〇(ちせい)ひっくり返された砂時計が目に浮かぶようでした。
△(卯平)砂時計は「ひっくり返す」から砂時計だろう。だから説明の範疇を抜けていないのでは。
返らないあの春の日と回転木馬 アゼリア
○(幹夫)幼少の楽しかった思い出が、今はちょっと切なく詠まれており共感です。
返却は自動車で行く春の鳥 ちせい
○(幹夫)自転車漕いでCDビデオ返却?「春の鳥」という季語で、より軽快さが伝わってきました。
冴返る燐寸を擦れば昭和の香 珠子
◯(ルカ)季語がいいと思います。
〇 (多実生) 喫煙してた頃の火は燐寸が好きでした。懐かしい昭和の香りです。
◯(道人)燐寸は滅びずに生き残っている。百円ライターは生き残っているだろうか?
◎(敏)近頃は身の回りから火を付ける「器具」としての「燐寸」はほとんど消え去りました。寺山修司の「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」は昭和の代表歌です。まさに燐寸は昭和を象徴した着火具ですね。
◯ (アゼリア) 懐かしい匂いがしてきました。
目刺焼く藁の匂ひを裏返し アネモネ
○(餡子)いかにも春の気配。佐藤春夫の「秋刀魚の歌」的な句ですね。
○(あちゃこ)香ばしい匂いを藁の匂いとは。比喩が効いています。
○(アダー女)最近は目刺といってもほとんど頬差しとか。藁差しも少なくなっている。焼くときは藁を外して焼く事が多いと思うが藁の香りが付いているような感覚が良い。ただマイワシの脂ののったのは部屋中煙と魚臭さがしばらく続いて困る。それでも好きだから焼く。
◎(春生)「藁の匂ひを裏返し」に発見がある。
〇(まきえっと)う~ん。春ですね。
テーマ:回る
コロナ禍の伝言ゲーム冴返る ルカ
◎(楊子)この数が月間、何の不自由もなくメールやwebで句会をしてきましたがこれは伝言ゲームだったという驚き。確かに文字で伝言したのだ。
◯(宙虫)やがてぐだぐだになるに違いない伝言ゲーム。フェイクも真実にすりかわる。笑う。
〇(珠子)伝言ゲームのように果てしなく続くコロナ禍。参った・降参・助けて。開き直ってネットゲームをしているようでもあり。すっきりとした軽さが魅力的。
◯(道人)噂は回るほど増幅して返って来る。コロナ禍は特に。ウィルスよりも怖いのがニンゲンの噂かも。
まだ浅き水車の音や座禅草 道人
◎ (多実生) 昔、精米その他は水車小屋でした。木製の大きなヘリカルギヤー等の構成は絶品でした。水音が座禅草に届きます。
○(あちゃこ)雪解け水を待つ東北の風景を思い出します。
◯ (アゼリア) 座禅草が近くの山に植えられ六十本ほど咲くとケーブルテレビで見て楽しみにしています。まだ浅き水車の音の措辞も素敵です。
我が桜の蕾は如何にと回り道 アダー女
〇(瞳人)ことしはどうしても、咲いてほしいね
ビル風をくるくる回す春ショール アゼリア
○(仙翁)春のショールが回しているようで面白いですね。
春風につられ一巡する噂 餡子
○(泉)噂はどんどん広がります。早いですね。
〇(瞳人)春のうわさは、人事ばなしなんていうことも
〇(珠子)「春風につられ」が魅力的です。軽い噂であっても噂される方はじっと耐えるしかありません。
(選外)(道人)こちらの噂はコロナ禍と違い明るい噂。増幅して返って来てもダンマリを決め込むと良さそう。
(選外)(アダー女)「人の噂も七十五日」で季節を過ぎる頃にはほとんどの噂も消えていく。春風にのって街をか親戚仲間、友人仲間などを一巡すればもう「あ~あの話ね」とみなの知るところとなり、興味も失せ、話題にもならず、春風と一緒に消えていく。軽妙な句。
回り寿し老を分けあふ牡蠣二貫 瞳人
〇(藤三彩)老夫婦なのか友人同士なのか。生牡蠣を食べられるくらいなのだから健啖家にはちがいない。
〇(めたもん)中七の助詞が「を」であることにより (「の」ではなく) 、詩的になっただけでなく、老までの長い時間の流れが感じられます。
◯ (アゼリア) 血糖値、コレステロールなど気になることが増え、我家でも美味しいものは分け合っていだくようになりました。
子が生まれ飼犬逝ってから桜 楊子
○(メイ)多様な生命が流転している、この世に生きている実感。
スクールに思ひ出が有る春浅し ちせい
春めくやプロポーズする観覧車 泉
〇 (多実生) 観覧車の中は二人だけの世界です。お幸せに。
春一番回転木馬動き出す 幹夫
◎(泉)春が来た。その躍動感を感じます。
○(吾郎)実に、らしい光景。東京豊島園のエルドラドはなくなってしまったが。
○(仙翁)風が吹いて木馬を動かしたようで、面白いですね。
○(敏)回転木馬が動き出したのは、あたかも「春一番」に吹かれたためのようです。
〇(春生)いよいよ、季節が動き出したという実感。
回天桜花無に向かう音程か 吾郎
〇(藤三彩)かいてんおうかむにむかうおんていか/回天は言わずと知れた「人間魚雷」。そして華々しく散る「同期の桜」。哀しいな。
◎(あちゃこ)かつて人間爆弾を生み出した日本。無に向かう音程は、死者へのレクイエム。
ふらここや宿主転生降りられず メイ
○(泉)仏教でいう、輪廻転生でしょうか。
側転の腕・腰・脚・手・あたたかし 珠子
◎(吾郎)これはもう、よくぞ見つけた!という感慨。あたたかし──の嬉しさったら。
○(餡子)側転をゆっくりとスローモーションで、見ている感じです。
◎(ルカ)展開の面白さ。
○(メイ)回転する人体を見る目が新鮮であたたか。
◎(まきえっと)ほぉ~。もう側転はできないだろうな。「あたたかし」に合っていますね。
春浅し雲へ錐揉む理髪灯 敏
〇(楊子)赤と青の理髪店のシンボルをこういう見方をした人を知りません。
◎(珠子)あのサインポールは有平棒(あるへいぼう)と知ったのは昔々の吟行でした。「雲へ錐揉む」に惹かれました。確かにそうですし春に合います。
〇(まきえっと)「雲へ錐揉む」がいいですね。春の中に赤と青が春だぞと言っているようです。
逝く春や絶叫マシンはゆつくりと 卯平
よく舌の回る弁護士春疾風 まきえっと
◯(アネモネ)TVで見る誰彼を想像します。
〇(楊子)テレビのコメンテーターですね。仕事でしょうから。
○(幹夫)テーマ「回る」から「舌が回る」の連想が面白く、饒舌な弁護士、状景がよく思い浮かびました。季語「春疾風」も適っていると思います。
〇(珠子)事件が起こる度に、テレビにはこういう弁護士コメンテーターが現れます。春疾風が愉快。
◎(ちせい)舌の存在感に感服しました。
○(卯平)この句が面白いのは上五中七の発見。割裂がよく理路整然と弁を述べているのだろう
浅き春北関東のつむじ風 多実生
春地震海へフィルム逆回転 あちゃこ
○(幹夫)2011年3月11日からもうじき10年の年月が経とうとしていますが、あの東日本大震災による大津波による惨事を未だ忘れ去ることが出来ません。
日の午後の音をいびつに風車 アネモネ
◯(宙虫)手作り感が伝わる。きれいに回らない風ぐるまがもどかしくもあり、愛らしくも。
大空を掻き回しをり揚雲雀 春生
○(アダー女)春になると空高く、また急降下し朗らかに自在に空を飛び回る揚げ雲雀。元気で明るくていいなあ。
○(敏)揚雲雀の必死なさまを「掻き回しをり」と表現しているところ面白いです。
〇(ちせい)万葉集にも詠まれた雲雀が空の王者の様です。
電動仕掛け冬の水車の空回り 藤三彩
回廊を止めどなく這う冬の蠅 仙翁
○(メイ)なんとも言えないやり切れなさが魅力です。
猫の恋駅前交番巡回中 宙虫
◯(ルカ)取り合わせが面白いですね。
○(仙翁)お巡りさんと恋の猫、面白い取り合わせですね。
〇(春生)恋猫も巡回中のおまわりさんに尋問されるかも。
○(卯平)省略が効いている。駅前にある交番には「ただいま巡回中。連絡先は・・・・」の案内。しかし、そこには産まれたばかりの子猫。そのような景が目の前に拡がる。観察も鋭い。
部屋だけはまだ子供部屋風車 めたもん
○(アダー女)子供が巣立っていっても残された親、特に母親はいつまでもその子の子供時代の思い出を捨てきれない。幼児期に遊んだ風車も今はぽつりと部屋に。母親の寂しさが胸に来る。
◎(卯平)果たしてこの句の「子供」は詠み手と今どんな関係なのだろうかと最初思った。繰り返し読んでいく内、この「子供」は既に亡くなられたのだろうと鑑賞した。それは季語の「風車」からである。今はご夫婦二人で過ごしている。他の部屋はそれように模様替えしているのだが、子供部屋だけは亡くなった時のまま。詠み手の静かな心情が伝わってくる。「子供」ではなく「子ども」の方がより詩情が湧くのではと鑑賞した。
雑詠
言いかけてやめる返答涅槃西風 まきえっと
〇(藤三彩)言わなくてもいい事、知らなくてもいい事、ありますよね。特別定額給付金の使い方とか
〇(めたもん)伝えた言葉、伝えなかった言葉…。言った方がよかったのか、そうではなかったのか…。答えを知るのはお釈迦様だけ。涅槃西風、よい季語ですね。
○(卯平)この返答はどんな返答だろうか。おそらく「ヨシ」とする返答だったのだろう。しかし、「いや、まてよ」と詠み手は一呼吸。季語の位置が何気ない日常を詩に高めた。鑑賞者はもしかするとプロポーズに対する返答だったのではと思ったが。。
バレンタイン二十日じゃなくて十四日 藤三彩
〇(ちせい)ちょっとした思い違いもユーモラスで。
列島も人心も揺れ鳥雲に アゼリア
◯(宙虫)人心が揺れる。たしかに。それでも忘れかけている。
◯(ルカ)10年目の余震。まさに人心を揺さぶりました、
◎(道人)東日本大震災の余震には吃驚。コロナ禍一年の人間社会。今年の渡り鳥は異変を察知して例年より早く北へ帰って行くのだろうか?
よそ様の土地に手伸ばし蕗の薹 アダー女
◯(アネモネ)擬人法ですが「土地に手伸ばし」に得心です。
〇(瞳人)きっと、ゆるしてくれますよ
〇 (多実生) 蕗の薹の時期です。手を伸ばしてもお咎めなし。
駅に立つ余寒演歌よ蔦に消え 吾郎
◯(宙虫)駅から始まる明日だが、そこからどこへも行けそうにない絡み方だ。
◎(餡子)駅にも、蔦にも、余寒にも・・演歌はどっさりとありますね。今時の歌は、歌詞と曲がちぐはぐな気がして、歌えません。古い人間ですので、演歌ならついて行けそうです。
〇(まきえっと)寒さに耐えながら電車を待っていたのが懐かしい。
口角のゆるむ自画像春二番 あちゃこ
○(敏)自画像の唇のゆがみを「春二番」のせいだと見たのでしょうね。
○(卯平)色々な自画像の中で「少しニヤついた」自画像は多くないだろう。確か某画家の自画像がそうではなかったと思ったが、某画家は思い出せない。しかし、ここでは詠み手が鏡に向かい己の貌を見詰めて少し笑みを浮かべている景を浮かべた。だから春二番だろう。その行為が面白い。
ヒヤシンス名前も知らぬ同級生 ルカ
○(幹夫)1学年400名ともなると全員の名前も分かりませんね。白、黄、紅、ピンク、青、紫など様々色、無数の小花から芳香漂う春のヒヤシンスが適っていると思いました。
〇(春生)季語「ヒヤシンス」が効果的。
選外 (多実生) 同窓会が初対面? 有ります有ります。
錆ついてゐるよ猟男もその犬も アネモネ
〇(藤三彩)猟で冬の季語。熊や猪の猟期は決められています。猟は追い上げる勢子や猟犬などチームで動く。今のコロナで動けない。
耕牛の絵柄の皿や蚤の市 泉
菜の花や実朝塚へゆつくりと 春生
◎源実朝の忌は陰暦1月27日。鎌倉の寿福寺にお墓参りをしたのであろう。「菜の花」は房州が似合うのですが
◎ (アゼリア) 実朝塚が効いていると思います
若き日の宮沢りえや春の水 メイ
○(卯平)例のヌード写真集を思い出す。今ではあのような写真は巷に溢れていて、逆に不感症となっている。しかし、あの写真集は当時衝撃だった。そこにはまさに「若き宮沢りえ」が存在する。「春の水」がそのほのかな色気を思い出させる。
生涯に一回の恋夜の梅 道人
(選外)(メイ)生涯を賭けた恋、夜の梅は実らない恋の暗示でしょうか。
もぐら塚むっくり春の野のあくび 珠子
○(吾郎)コロナ禍の中、ホッとした一句。
◎(宙虫)コロナ禍にあって、こののんびり感は捨てがたい。マスクなしであくびができたらすごい幸福感に浸るのではと妄想。
早春やぬめぬめ光る河馬の鼻 楊子
〇(春生)河馬の鼻にも早春の暖かさ。「ぬめぬめ光る」がうまい。
◯ (アゼリア) 犬の鼻は濡れていると健康状態が良と聞いていますが、河馬もそうなのでしょうか?
みづいろの二月の雨は葬のあと 幹夫
淡雪や路上ライブの一人芸 卯平
○(泉)寒い中、一人で一生懸命です。拍手ですね。
沈黙のペルソナを剥ぐ冬の星 仙翁
ぷつぷつと白魚を噛み離職票 宙虫
〇(楊子)離職票というマイナーで現実的な名詞がいいです。口に残るぶつぶつ感が効きます。
◯(道人)哀しみと諧謔性が入り混じったペーソスのある句。
◎(めたもん)上五「ぷつぷつと」は白魚を?みつぶす食感であり離職票への思いを感覚的に的確に表現していると思います。
◯ (アゼリア) 取り合わせが、上手と思います。
派出所の裏をそろりと恋の猫 餡子
◎(アネモネ)きっと「うしろめたい恋」なんでしょうね!
◎(仙翁)そろり、恋の猫、景色と声が見えますね。
○(敏)恋猫が悪さを隠蔽しようとしているようです。
〇(まきえっと)派出所の裏がいいですね。
早春や空(から)プラボトルぴしと鳴る めたもん
◎(メイ)歌いたくなるような音の並びが、早春にぴったり。
二月来て韜晦趣味に逃げる我 ちせい
肺がんの癒えし八十坂春の雹 瞳人
○(仙翁)お元気になられたことと思います。雹が面白いですね。
〇(めたもん)「肺がん」「八十坂」「雹」と厳しい言葉が並び、現実を正面から見つめる気持ちが。「癒え」と「春」が救いでしょうか。
○(メイ)春の雪ではなく春の雹としたところに、作者の気概を感じます。
(選外)手術後5年間何ともなければ、再発の確率は低減するらしい。春の雹(ひょう)などと言わずに楽隠居を愉しんで・・
薄氷のとけて羽毛の動き出す 敏
◎(幹夫)春到来、啓蟄感漂い、リズムも佳く共感です。
◯(ルカ)感覚的に好きな句です。
○(あちゃこ)共にあわあわとした物を配して、淡き春を描いています。こういう句は、なかなか詠めないな。
○(アダー女)厚く張っていた氷が春の訪れとともにだんだん薄くなり、縮こまっていた鳥たちも羽根を動かし始める。飛び立つ躍動感を「羽毛が動く」という繊細な表現で春の明るさを表現していて上手だと思う。
〇(まきえっと)何とも春ですね。
〇(ちせい)羽毛がまるで生き物であるかのような表現にしびれました。
誉められず邪魔にもされず藪椿 多実生
〇(楊子)そういえばそうだなあという共感が勝ちました。暗い庭の奥に咲いていますね。
〇(瞳人)まるで、わたしみたいという、気持ちのちらりです
(選外)(道人)藪椿の存在感を言いえて妙。
次回をお楽しみに。
当番を間違えないようにお願い致します。
広島は三寒四温で、急に雪などが降ると、体調を崩します。しかし、コロナの感染者数が減少してきたのは、春が来た証拠でしょう。さすがにホッとしています。しかし、予防対策は続きますが・・・?