麦「句会報」への掲載

インターネット小麦句会（二月分）
月に二度のネット句会。気楽にお立ち寄りください。
http://blog.goo.ne.jp/nakadayo2018
寝そべつて犬のふくらむ冬日向　　　幹夫
猫の座に柴犬のいて日脚伸ぶ　　　　道人
追伸に読みとる本音鳥雲に　　　　　あき子
雪しろよ湯河原わが湯よろしき湯　　吾郎
引き籠る子の弾くバッハ春隣　　　　アゼリア
文字いらぬ吹出し二つ日向ぼこ　　　めたもん
蝋梅や遠回りして吐く本音　　　　　あちゃこ
節分の地球をつつく群れ鴉　　　　　珠子
春昼や欠伸の移りゆく講義　　　　　餡子
日時計の針の影濃く多喜二の忌　　　アネモネ
冬の日溜まり老犬は夢を見る　　　　仙翁
蝋梅や産科病棟閉ぢてをり　　　　　卯平
背伸びする老犬十年日記買う　　　　楊子
冬田に育つ羽音は父の捨てた影　　　宙虫
番犬の眺める先に焼芋屋　　　　　　泉
寒空やヒッチコックの鴉群れ　　　　藤三彩
啓蟄のいきなり鳥に襲はるる　　　　春生
破れかけた世界残して鳥帰る　　　　カンナ
蝋梅や雲の灰色呼吸する　　　　　　ちせい
餌漁る外に訳なし冬田鳥　　　　　　多実生
梅安や何処へ思案の針をさめ　　　　瞳人
限られたリードの長さ梅香る　　　　まきえっと