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『忠言(ちゅうげん)は耳(みみ)に逆(さか)らう』
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忠告や諌(いさ)める言葉は、兎角(とかく)聞く側の感情を害すものだから、素直に聞き入れられ難(にく)い。★「良薬苦於口、而利於病、忠言逆於耳、而利於行(良薬は口に苦けれど病に利あり、忠言は耳に逆らえども行に利あり)」は、孔子の言葉とされる。
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出典①:「史記-淮南王伝」「忠言逆於耳利於行」
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出典②:「孔子家語-六本」
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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物心にバランスある姿
今日のわが国では、科学の進歩、経済的な発展にくらべて、国民の道義道徳心なり良識というものに、非常に脆弱な面があるのではないか、という声がある。たしかに今日では、何が正しいか、いかにあるべきかという点があいまいになってきているように思われる。やはり、人間らしい生活を営むには、単に科学が進歩し、物質的に豊かになるばかりでなく、人としての良識というか、精神面の豊かさというものが並行して養われる必要があると思う。つまり、身も豊か、心も豊かというバランスのとれた豊かさのもとに、はじめて平和で、人間らしい幸せな生活をおくることができるのではないだろうか。