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『顰(ひそみ・ひん)に効(なら)う』[=倣う]
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事の善し悪しを考えず、徒(いたずら)に人真似(まね)をする。また、人に倣って行動することを謙遜して使う。
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類:●西施の顰に効う●東施効顰
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故事:「荘子-天運」 中国、春秋時代の越の美女西施(せいし)が病んで咳き込みながら顔を顰(しか)めた様子を見て、眉を顰めれば美しく見られると思い、女たちがその顔を真似た。
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人物:西施(せいし) 中国春秋時代、紀元前5世紀ごろの越の国の美女。生没年不詳。呉に敗れた越王勾践(こうせん)は西施を呉王夫差(ふさ)に献上、夫差がその容色に溺れた隙を突いて呉を滅ぼしたと伝えられる。→参照:傾国
事の善し悪しを考えず、徒(いたずら)に人真似(まね)をする。また、人に倣って行動することを謙遜して使う。
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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苦情から縁がむすばれる
需要家の方からいただくおほめの手紙はもちろんありがたいけれども、苦情の手紙をいただくのもありがたいことだと思います。かりに苦情を言わない方はそのまま「あそこの製品はもう買わない」ということで終わってしまうかもしれません。しかし不満を言ってくださる方は、そのときは「もう買わない」というつもりでも、こちらがその不満を丁寧に扱って、不満の原因をつかむとともに、誠心誠意対処すれば、その誠意が通じ、かえって縁がむすばれる場合が多いと思います。ですから、苦情を受けたときは「縁がむすばれる好機」と考え、一つの機会として生かしていくことが大事だと思うのです。