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『髀肉之嘆(ひにくのたん)』
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功名を立てたり、技量・手腕を発揮したりする機会がなくて、徒(いたずら)に時を過ごす虚(むな)しさを嘆くこと。
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故事:「三国志-蜀志・先主伝」の注「九州春秋」 中国三国時代、蜀の劉備は、馬に乗って戦場を駆け巡ることが長い間ないため、股の肉が肥え太ったのを嘆いた。
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出典:三国志(さんごくし) 192 呉下の阿蒙 参照。
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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長年のツケを払うとき
戦後三十年間、政治の仕組み、教育のあり方、またお互いのものの考え方、生活態度の中に、知らず識らず、いろいろなムダや非能率が生まれ、増大してきた。それがつもりつもって物価をジリジリと押しあげ、とうとう今日の事態を招来したのである。お互いに考えるべきことを考えず、改善するべきことを改善してこなかった、長年のたまりたまったツケがまわってきたのである。だれが悪い、かれが悪いと責めあっているときではない。そのツケはそれぞれの分に応じて払わなくてはならない。その覚悟を真剣に持つことができるかどうか。そこがきわめて大切な点だと思うのである。