読書感想日記

最近読んだ本の感想

「正体」 染井 為人 著 光文社

2025-03-02 21:57:01 | 小説
人は、何て臆病で、自己中心で、寂しがりやで、見栄っぱりなのだろう…
そんな人間ばかりが集う社会で、理不尽な運命に抗う…それは、余りにも孤独な闘い…
やがて優しさ、思い遣り、助け合い…を胸に宿す者が現れ…
貴方はどちらの側か…私はどちらの側なのだろうか…
刑事施設の区別や、その所管について混同されている箇所が残念ではあるが…

そして最後に、鳥肌が立った…
読み返す度に熱いものが胸に込み上げる、読み応え十分の素晴らしい作品です。
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「さくらのまち」三秋 縋 著 実業之日本社

2025-02-24 22:06:44 | 小説
この世には、知らない方が良いこともある。
それは疑心暗鬼を生み、大切なものを自ら手放し、 失ってしまう…
人の知恵は凶器となり、人の心は如何に脆いものか…
言葉が重く、そして深く、胸に轟きます。
素晴らしい作品を読ませていただきました。
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「博物館のファントム」 伊与原 新 著 集英社

2025-02-16 21:43:41 | 小説
新たな知識を得たり、仮説を証明するためには、時間、労力、根気を求められます。
それでも、興味のあることなら夢中になれるものです。
貪欲なまでの探求心を持ち続け、好きなことに没頭できる人生…
きっと私の胸には、そんな一生を生きてみたかったという心残りがある、と気づかされました。
私にとって、とても羨ましく眩しい世界が広がる、素敵な作品です。
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「婚活マエストロ」  宮島 未奈 著 文藝春秋

2025-02-13 13:09:53 | 小説
一番知ってるようでいて、実はわかっていないのが自分自身のこと。
不遇を周りのせいにして閉じ籠り、嘆くのは一旦やめて、たまには外に出てみてはどうだろう。
そうすれば、一生が変わる出逢いがあるかもしれない。
あるいは、自分の隠れた才能に気づけるかもしれない。
さあ、まずは一歩踏み出してみませんか。
懐かしい場面もあり、ほっこりと胸が温かくなる素敵な作品です。
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「ハードボイルド・エッグ」 荻原 浩 著 双葉社

2025-02-09 21:06:36 | 小説
小心者だが、侠気は誰にも負けない男が憧れた世界…
ユニークな面々との活躍は、喜劇のようで、時に切ない。
今時流行らないだろうが、痩せ我慢してまでも理想の男の姿を追い求める彼に励まされ、そして胸が熱くなる素敵な作品です。
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「ただいま神様当番」 青山 美智子 著 宝島社

2025-02-09 18:52:22 | 小説
本当の願い事は、とうに諦めてしまい、そんなことすら忘れかけていたこと。
そんな願いを叶えることができたなら、なんて嬉しいことだろう…
もしも私が当番になることがあったら、どんなことになるのか不安半分、期待半分。
とても楽しい素敵な作品です。
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「月まで三キロ 」   伊与原 新 著 新潮社

2025-02-06 22:06:38 | 小説
人々の日々は、地球上に、そして広い宇宙の中で営まれていることを気づかせてくれる。
一方で、心の深い場所へ沈めた夢、想い、哀しみを再び思い出させてくれる。
いや、実は忘れたはずの過去に、現在もこだわり、囚われているのが人生なのだ。
人は何時までも夢に憧れ、あるいは乗り越えられない哀しみに後悔しながら、一日一日を生きていく。
果てしなく広く深い世界に圧倒されつつ、胸が熱くなる素敵な作品です。
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「光媒の花」 道尾 秀介 著 集英社

2025-02-06 21:38:10 | 小説
人は隠し事を心の中に凍らせ、涙を拭き、唇を噛みしめ、傷口を隠し、遂には傷だらけの手で持つ袋の中に閉じ込めてまでも、まるで何事もないかのように装って生きている。
相手を大切に思うほど、どうしても打ち明けられない…
想いが伝わり、秘めたものが溶けて無くなるときが来るまで、人は堪え忍んで生きていく…
私の拙い言葉では語り尽くせない、胸を打つ作品です。
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「怖ガラセ屋サン」 澤村 伊智 著 幻冬舎

2025-01-26 21:02:03 | 小説
あなたは、怖がりですか。
心霊現象など理解できないこと。
暴言や暴力。
弱点ヘの攻撃。
大切なものを失うこと。
あなたは、何れが怖いですか。
私は、とても怖ガラセていただきました。
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「ペッパーズ・ゴースト」   伊坂幸太郎 著 朝日新聞出版

2025-01-26 20:14:29 | 小説
一言、カッコいい。
創作から現実ヘ…いや現実から創作の世界へ…
そんなことは、どちらでもい。
これは、絶対的な輪廻ヘの挑戦でもある。
目には目を、歯には歯を…
安穏とのさばる者どもを探し出し…思い知らせてやれ。
とてもスカッと、時々ニヤリとさせてくれる素晴らしい作品です。
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