「おもかげ復元師」笹原 留似子 著 ポプラ社

　遺族が、亡くなった方に触れ、共にした時間を思い出し、そして送り出す儀式。
亡くなった方が、生前とは異なる姿であるほど、遺族の衝撃は計り知れない。
著者が、これまでに出会った人々を綴った短編が幾つも記されています。
もう、第一話から目頭が熱くなり、胸が強く締め付けられました。
　更には、東日本大震災で甚大な被害にあった東北地方での、著者と地域の人々との出会い…無念…自責の念…様々な思いが絡み合い、そして感謝へ…
　やはり日本人は、本当に素晴らしい民族だ、と涙ながらに再認識しました。

「人魚呪」神護かずみ著 角川書店

　話しの展開が面白く、どことなく遠野物語の雰囲気を感じる作品である。
　科学技術が未だ発達しておらず、人間が神や大自然に対する畏敬、恐れを抱いている時代に、人間と他の生命体とが関わり合いをもつ現象の意味すること…
　そこに、人間の傲慢な資質が絡みあい、必然にも近い運命が待ち受けている。
　家族とは、何なのか…
生とは、死とは、そして不死とは、一体何なのか…

「置かれた場所で咲きなさい」渡辺 和子 著 幻冬舎

　この作品にも、とても励ましていただきました。
　特に信仰心を持たない私にとって、ここに綴られている言葉は「なるほどと納得する」というよりも、全く『自然に心にしみて』きました。
　本当に、ありがとうございました。