「人は、なぜ他人を許せないのか？」 中野 信子 著 アスクル

　私は、短気で自己中心な爺にはなりたくないと考えていました。
　しかし、自分自身どうかと言えば、拙いにもかかわらずこれまでの知識や経験から、協調を乱したり決まりを守らない行為について「許せない」と考えてしまいがちでした。
　著者は他人との関係性について、日本の環境、人間の進化を含めた要因等、多角的に説明しながら他人に対する考え方の仕組みを説いています。
　今後、つい感情的になりそうなときは、できるだけ自分や状況を客観的に見つめ直し、落ち着いて行動しようと思えるようになりました。

「お父さんはユーチューバー」 浜口倫太郎 著 双葉社

　誰しも、人生の転機という選択をしなければならないときがあります。
　今までの自分を捨てるほどの選択肢を選ばなければならないときには、単純に苦しいとか悔しいとかいう言葉で表せるものではありません。
　しかし、自分の人生を決めるのは自分。
　つまり、気持ちを切り替えて努力を続け目標を達成できるか、あるいはいつまでも選択を誤ったと後悔し続けるかも、自分次第。
　この作品で、どんなときにも強く逞しく突き進む「お父さん」に、私は年柄もなく反抗していましたが、幾つもの線がつながったとき、私は、自分の精神年齢の低さを思い知ると同時に、胸が熱くなりました。
　そして、「まずやってみる」ことの大切さをあらためて知ることができました。
　素敵な作品でした。