「ひなた弁当」 山本 甲士 著 中央公論新社

　人生には、色々な生き方がある。
　努力はもちろん才能や運に恵まれ、着実に夢を実現する…そんな人は僅かである。
　または、家族をないがしろにしてまで会社に尽くして、出世するか…
　しかし、多くの人は挫折し、妥協して平凡な生き方を選ぶしかないのである。
　だが、人生とは、本当にそのどちらかしかないのだろうか。
　ちょっと立ち止まって、今までの人生に対する価値観をなくしてみると…家族や自分の時間を大切にして、身の丈にあった日々をおくる…いわゆる自然体で生きる道もあるようである…
　日々、時間に追われ、あくせくとして生きてしまっている中で出会えたこの本は、私に、あまり力まずに生きていけよ、と肩を叩いてくれ、私の心に爽やかな風が駆け抜けたようであった。