読書感想日記

最近読んだ本の感想

「いかにして問題をとくか」G.ポリア著 柿内賢信訳 丸善株式会社

2012-01-26 00:11:35 | 専門書
 いかにして、初めて(未知)の、あるいは困難な「問題」の解法を見つけるか。
 これは、学問や研究の分野にとどまらず、人間が生きていく過程において、さらにはさまざまな組織が発展していく過程における永遠の課題であろう。
 ほとんどの場合「問題」とは、色々な要素が絡み合っているがために問題となっているのであって、正攻法もいいのだが、特定の方法にこだわっていては容易に解法に辿り着くことは出来ないのである。
 では、どうすればよいのだろうか。
 著者は、数学の分野における諸問題を示して、如何なる問題に対しても、何かしらのヒントを見つけ出し解法に導くための、思考方法を示している。
 問題を俯瞰的に、多角的に見ることで、ヒントを見つけ、より多くの対処方法を考え抜き、失敗を恐れずに試してみること。
 この方法を講じるには、そもそも多角的な視点や様々な条件を応用できるだけの実力が必要であるが、そう考えると、これこそが問題の解法を見つけ出す正攻法なのかもしれない。
 だからこそ、この著作は、今現在でも読み継がれているのだろう。
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「天才と発達障害」岡 南 著 講談社

2011-07-08 19:12:10 | 専門書
 人は、それぞれみな違う。
 それは、性別であり、年齢であり、人生経験であり、理論派か行動派か…
 実は、もっと根本的な思考回路自体が、人はみな違っていて、その程度によって、一般大衆に埋もれるのか、あるいは特異な人としてされてしまうか、分かれてしまうようである。
つまり、何かしら才能がある人は、ある意味で特異な人であり、周囲からの理解が得られた人のみが、その類い希な才能を伸ばし、その分野の発展に寄与する人へと育つことができるのです。
 中でも、天才と称されるべき才能について、欧米では、それぞれの才能を伸ばす教育が確立し、社会の理解も進んでいるのに対し、日本では、なかなか進んでない。
 それが、世界における現在の日本の低迷につながっているのであろう。

 話しは逸れるが、今の我が国の与党、内閣、そして総理の思考回路はどうか。
 あらゆる面で、日本の弱体化に全力を尽くす姿は、一種の特異な思考なのか…
 頼るべき国から離れる一方で、日本を馬鹿にして侵略を企む国に擦り寄る思考は正しいのか…
 例えば、尖閣諸島問題であり、漁船と名乗る船と巡視船との衝突事件であり、北方領土問題であり、あるいは拉致問題であり…拉致容疑に関係する団体へ献金する思考の持ち主たち…日本の政治家は、日本のため、日本国民のために働くのではないのか。
原発停止に絡めた節電による日本経済の徹底的な弱体化、そして太陽光発電での経済的侵略をも、国民は黙って見ているしかないのか…
 いや、もはや、国土も経済も文化もスポーツでも、すべてにおいて日本は侵略されつつあるのだ。
 それは、国家権力を監視し、国民に正しい情報を提供すべきマスコミ…特に、国会中継もロクに見ない人達へ影響の大きいテレビが、既に存在意義を放棄していること…報道内容を支配されてしまっていること…で明らかだろう。
 未だに現与党を庇う報道を続ける姿勢は、自民党が政権を担っていたときの誇張した報道とは、あまりにも異なっているではないか。
 このままでは、日本国民全体の思考回路が支配される日も、そう遠くはない。
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「国防」 石破 茂 著 新潮社

2011-02-14 00:16:12 | 専門書
 国家の存亡にとって重要な要件である「国防」について、その意義や、我が国の現状を、そして今後どうあるべきか、ということまで、私のような素人にも、とてもわかりやすく丁寧に教えてくれた。
 また、組織における幹部を目指す人にとっても、幹部足るべき者の志や姿を学ばせてくれる作品だと思う。
 本当なら、国民が一定期間徴兵され、身をもって、国を護るということを知ることができれば、最も望ましいのでしょうが、なかなかそうもいきません。
 現与党政権は、我が国のあらゆる面をガタガタに壊してしまい、外交・国防の面での失策続きによって周辺諸国から嘗められていることを考えれば、もはや現内閣に任せておけないことは明らかで、国民一人一人が、国防ということについて知り、考えなければいけない、重要かつ緊急な問題であることは間違いない。
 だから、我が国民は、必ず読むべき本である。
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「他人を動かす質問」 内藤 誼人 著 大和書房

2010-08-14 23:15:19 | 専門書
 ページを捲るたびに、なるほど、と思わず納得することがある。
 人の心とは、一般には容易にこちらの思い通りに動かすことが難しいものの、手段・方法によっては、計算通りに操ることが可能であることを知った。
 ここでは、あくまでも当事者個人間でのやりとりとして述べられているが、これは、用い方によって、多くの人々の心理を扇動することも可能な論理なのだ。
 それは、すぐに私にとって現実の体験となった。
 偶然テレビで見た、某役所の記者会見において、ある手法を用いた質問をする記者と、答弁する役所側のやりとり。
 まさに、記者の意図するとおりの役所側の応対…それが全国に放送された…この映像を見た人々は、役所側へどんな印象を抱いたか、おおよそ検討がつく。
 質問すること、あるいは質問されることが、いかに重要な行為であり、どれほどの影響を及ぼすものであるか、考え方をあらためることができた。
 
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「今までで一番やさしい経済の教科書」 木暮 太一 ダイヤモンド社

2010-06-22 22:19:27 | 専門書
 経済について、4年間学んだはずなのに、何も憶えていない…
 経済活動とは直接関係のない仕事に就いたこともあるだろうが、やはり元凶は、当時、自ら学ぼうという意識が弱かった、ということにつきるのでしょう。
 新聞等の経済関連の記事に出てくる色々な用語について、聞いたことがあるけど、どんな意味だったっけ…そんなレベルの私に、この本はちょうどいい。
 私のように、いい年をした大人が、経済について今さらながら入門編のような本を選ぶのは恥ずかしい、なんてことはありません。
 経済というものに興味を持ったのなら、まず手にとって読んでみるのにちょうどいい本でしょう。
 まずは、パラパラと頁を捲って、気になるところを読むだけでもいいと思います。
 そして、もっと勉強したいと思えば、更に専門書に進めばいいのです。
 私は、経済を知らない事の方が、はるかに恥ずかしいことだと思います。
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