少年野球とともに 

ここには少年野球の監督時代のあれこれを備忘として
書いていたけど、
今後は中国と日本語教育が中心になる見込み。

中国映画の講演会:「21世紀の中国映画は世界に向けて何を訴えているか」

2011-12-10 15:16:08 | 中国
先週水曜夜、中国語クラスの先生に声をかけていただき
李先生の講演を聞いてきた。

講師:李樹榕(内蒙古大学教授。内蒙古文芸評論家協会副主席。中国中央テレビ特別キャスター)

熱のこもった見事な講義に時間を忘れ魅了された。
冒頭ご挨拶は、通訳も無く、こりゃ大変と思ったが、講演部分に入り、日本語通訳がされ、助かった.

いくつかの中国映画を題材に、主題や鑑賞のポイントを教えていただいた。
たまたま私が見ていた二本の映画について、とても興味深い講義がされた。

「Hero」
以前見たときの私の感想は
中国独特のCGを駆使した派手なカンフー映画の印象でしかなかったが、
講師は
・よい剣ほど剣を必要としない。
・大きなものこそ、音を立てない。 
といった反語的な見方の解説をした。
中島敦の「名人伝」での、弓矢の究極の域に達した名人は、
究極は「弓そのものを忘れ去り、不射之射の境地に至る」
という話を思い出した。
確か名人伝の最後は、
その後しばらく、町では絵師という絵師がことごとく筆を棄てた(笑)だった。

[老理髪師の映画・・タイトル不明」
きちんと年をとるということはどういうことであるかを教えてくれる映画。
しかし、文化人ほど死を恐れない・・は果たしてどうであろうか?
むしろ、死に対して深く考えるあまり、恐怖が増す・・という見方もある?


「単騎千里を行く」
高倉健主演の中国映画である。彼は中国でとても人気があり、
教授も大好きだと話されていた。
私は多弁で自己主張が強いのが中国人だと感じているが、
高倉健はその対極。典型的な古いタイプの日本人
(無表情で寡黙、気持ちを表すのがヘタ)がなぜ好まれるのか、
質問をしてみたたかった。

「唐山大地震」
主題がガレキの下の救出、兄妹のどちらを助けるかの選択とその後の親子関係。
とても重く、子どもを持つ親なら誰しも、胸が張り裂ける思いで聞いたと思う。
正直、とてもつらくて、今は自分から見ようという気がおきないほど。


この素晴らしい講演に刺激され、土曜夜にDVD借りて2本の中国映画を見た。
どちらもとても面白かった。
私が見る中国の映画はなぜかいずれもど真ん中の直球で、
ストレートに胸に響く映画が多い。
レンタルビデオ店の棚にあるものから、
解説を読み、直感で選んでいるのだが。

「ココシリ」 

チベットの過酷な自然とそれを守る男たちの気概、生き様が壮烈。
 男たちの強い意思に溢れた顔もいい、スケールの大きな自然の映像も見事。

「きれいなお母さん」

 聴覚障害児を持つ母親の愛情溢れる子育ての物語。
 強い母を演ずるすっぴんのコン・リーがとてもいい。
 この女優の作品も全部みたいと思う。
 hoaとfaの発音や有気音等を教える部分が随所にあり、
 私の発音も教室で同じように修正されている。
  中国語的発音非常難。道のりは遠い(笑)

 この二本はおすすめできる名画です。

以上=

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