少年野球とともに 

ここには少年野球の監督時代のあれこれを備忘として
書いていたけど、
今後は中国と日本語教育が中心になる見込み。

少年野球の「理念」と「行政区分」の考え方

2010-06-06 06:26:12 | ひとりごと
先日、おかしなうわさを聞きました。
自分が入りたいチームに入れない。
その理由は、住んでる住所(市)がちがうので、行きたいクラブに入れないという。

例えば、小学校ならこんな不都合なことがあります。
家の真向かいに道路を隔てて小学校があるのに、
そこには、入学できず、
歩いて20分の自分の住所の市の小学校に
いかなきゃならない。
これは、ルールであり、残念ながら事実です。
(何々法かに基づいているはずです)

少年野球の場合、
歩いていける場所に、野球チームがあるけど、
市の境界線をまたぐので、入会できず、
自転車で、車の通りの激しい国道を通って、時間もかけて、
自分の市にあるチームを選ばなければならない・・・???

これはないですね。おかしいです。
こんなことはあってはならないことだと考えます。

我々のクラブが所属するのは八千代少年連盟ですが、
クラブの代表は佐倉市在住。事務局の私も同様です。チーム監督も2人は千葉市在住です。
クラブの子供たちの所属は6割が八千代周辺の佐倉市や千葉市の小学校です。
9つの小学校から、仲間が集います。
クラブに入ってくれた親の理由の一番目は
「近い、交通の便がいい」です。

実は、八千代少年野球連盟では、他地域所属の考え方を巡って、
昨年12回もの真剣な話し合いをして、自分たちの連盟の規約を改正し、
行政区分に関係なく、子供たちを正式に迎え入れることを明記し、決定しました。
([他地域]はイヤなことばで、行政地域が違うだけで、便宜上使用しているだけで、
 我らは同じ勝田台生活圏であり、同地域なのです)

なぜなら、親が入れたいチームに子供を入れる自由をまず保障すること。
やらせたいのに、やりたい野球をあきらめるようなことが
あってはならないから。これが第一の理由です。

無敵の強豪チームが現れたとします。自然に強くはなりません。
当然、チームの仲間、指導者、父母ともに、全員で一生懸命努力した結果、
県大会の常連、強豪と呼ばれるチームになるわけです。
心無い大人たちは「他地域から強引に人集めをした結果、強くなっただけ」などと
負けた言い訳も含めて、陰口をたたかれることも度々あるように聞いてます。

勝ち負けにこだわりが強すぎると、不公平がないようにとか、
行政区分できちんと・・とかなんとなく、
フェアで正当性がありそうな論法が出てきます。

八千代連盟が改正した「規約前文」では、
「野球を通じて、少年野球にフェアプレーの精神を学ばせ、健全な育成・・・(中略)
相互の親睦をはかり、地域社会との共生、発展に寄与することを目的とする。」
と規約の前文に明確に「目的」を明記しました。
地域社会との共生を図るとは、行政区分の概念とは関係なく、
もっと広く大きな、守るべき大切な理念でもあります。

我々のクラブでは一歩進めて、近隣のチームとも、
仲良く関係を保つために、強引な勧誘や引き抜きは一切しないし、
入部照会にあたり、他のチームも見てもらった上で、納得の上、
選択してもらうことを徹底することを、クラブ内で申し合わせてます

僕らは 少子化の中で、野球人口も減っていく現実を直視して、
指導者として、野球の素晴しさ、奥行きの深さを広める役目ももってます。
皆で野球をエンジョイしながら、仲間の環を広げ、人生を豊かに生きていく。
この考え方が理解できるなら、行政区分とかで、わーわーいうのが、
いかにみみっちいか、ということに、大人たちが気づかねばなりません。

この件に関しては、いろいろな考え方もあるでしょうから、
異なるご意見も歓迎します。どうぞ。



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2 コメント

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タチイキ=多地域≠他地域 (Wendy)
2010-06-06 22:27:42
このクラブに入ってつくづく良かったなと思うのは、多くの地域から受け入れているということもそうですが、我が家のように他のクラブから移ってきたケースも温かく迎え入れてくれる、そんな懐の深いクラブであるということです。
これからも「学区」や「前例」などに捉われることなく、多地域から野球をやりたい子が自然と集まってくる、そんなクラブであって欲しいと思います。
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Unknown (nao)
2010-06-11 22:46:26
子供たちにとって地域とかは関係ないですよね。でも子供たちの今の「大切な友だちの輪」は、大人が考える以上に大きな意味を持ちます。
それは絶対に崩してはならない大事なものですよね。地域とか、学校とか、国境とか・・・クラブも関係ないもんね。
僕らは「場」を提供してあげることが、最低限の大人の義務だと思います。野球を楽しめる場を提供するのに、理由は要らない、です。
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