新馬戦がスタートして2週が経ちましたが、ディープインパクト産駒は3頭がデビューして3,1,1着ですか
この3頭の血統表をみると、それぞれ配合の方向性が違うしタイプも違うのですが、父の柔らかくしなやかな体質やバネのある走りは、どの馬にもちゃんと伝わっていることに驚かされますね~
たいていの種牡馬は美点より欠点を伝えてしまうもので、でないとG1馬の仔はみんなG1馬になってしまいます
まあ小柄なので仕上げやすいという側面も多分にあるでしょうし、もちろんこの3頭だけであれこれ騒ぐのは時期尚早だとは思いますが、仮にこのぐらいのごくフツーの配合でこんな産駒がポンポン出てくるとなると、これはちょっと空恐ろしいなあと…
以下、NETKEIBA「POGレース分析」より抜粋します
●サイレントソニック(牝)
父ディープインパクト、母ムーンライトガーデンズ(その父Unbridled's Song)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100343/
6/26福島・新馬(芝1200m良)1分09秒2(2馬身)
母はMr.Prospector=Search for Gold4×3・4で、自身はHalo≒Sir Ivor3・5×5ですから、ディープにアメリカンなスピードを入れまくりました…というだけの配合ですが、母の軽いスピードだけでなく、そこに父の柔らかさしなやかさがちゃんと加味されているんですよね。ミスプロとHaloとCaroで柔軽く斬れる1400mベストのマイラーで、チアフルスマイルのようなイメージかな。
B:芝ダ1200~1600
●ヒラボクインパクト(牡)
父ディープインパクト、母ドリームカムカム(その父メジロライアン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100579/
6/27福島・新馬(芝1800m良)1分52秒5(1/2馬身)
母は芝1200mのオープン特別3勝のスプリンターでしたが、仏オークス馬デュネットの孫で血統は重厚な欧中距離型。サイレントソニックとは配合の方向性が真逆で、しかもこちらは牡ですからディープ×ライアンのイメージ通りの芝中距離馬に出ました。3角から外を捲り上げるときの柔らかな身のこなしが父ソックリで、くどいようですがこの体質が確実に伝わっているのがとにかく驚きです。
B:芝ダ1800~2200
サイレントソニックはミスプロ×Halo×Caroの牝馬=チアフルスマイルやレッドチリペッパーなんかのイメージで、ヒラボクインパクトはディープ×ライアンのイメージ通りの中距離馬で、大外から捲るときの身のこなしが父ソックリで、どちらもレース映像と血統表を見ながらスラスラと解説が書けてしまうのですが、このように血統のイメージ通りの馬を出してくるということは、血統の美点をちゃんと引き出しているということですから、これはやっぱりすごいことなのです
たぶん配合をみる人なら、サイレントソニックは「スピード多すぎやん」、ヒラボクインパクトは「スタミナ多すぎやん」という感想を抱くと思うんですが(私も血統表だけみればそう思います)、真の一流種牡馬は、スピード過多な牝馬との配合でマイラーを出し、スタミナ過多な牝馬との配合で中距離馬を出しと、ようするに血統的な美点を引き出しながら2000m近辺にちゃんと寄せてくるんですよね~
ディープインパクトの父がそうだったように…