ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

「二十四の瞳」ドラマ上映会 (2)

2022-12-24 |   壺井栄
 「二十四の瞳」2022年度版ドラマを見た後、残れた生徒といっしょに感想会を行いました。
 ドラマの感想を話すと同時に壺井栄ロシア語訳作品集翻訳者、25名のうち5名が上映会に来ることができたので、翻訳したときの苦労話や日本語の勉強として得ることができたことなど、後輩の生徒に語ってもらいました。
 この後輩生徒たちは次回の文学翻訳プロジェクトに参加する予定なので、先輩生徒から翻訳作業のコツなど経験を聞いてもらうほうが良いと考え、このような場を設けました。
 (ドラマを見て涙を流した後ですから、こういうお楽しみ会がないと悲しい気持ちを引きずりそう・・・。)

 みんなでお菓子などを持ち寄りましたが、私からは手作りカレーパンを皆さんに振る舞いました。
 「二十四の瞳」を見た直後なのに、どうしてうどんではなくてカレーパン? と思われる日本人の皆さんがいると思うのですが、すみません。(^^;) 諸般の事情により、カレーパンなのです。
 日本で売っているカレーパンと比べると、ベラルーシに住んでいる私では上手に再現できなかったと思うのですが、みなさん、おいしいと言ってくれました。
 でも生徒のみなさんには、いつか日本語をマスターして日本へ行って、本物のカレーパンを食べてほしいです。(讃岐うどんも。)
 今回の日本語でのドラマ視聴が、語学学習に役立ち、日本社会への理解にも役立ったと思います。
 「二十四の瞳」はベラルーシ人にとっては遠い外国の昔の話かもしれませんが、現在のベラルーシにも共通する社会問題を提示している物語です。今を生きるベラルーシ人なりにそれぞれ感じ取ってもらえたと感じています。


 NHKは今年制作の「二十四の瞳」を来年1月3日にBSプレミアムで再放送します。NHKのサイトはこちらです。
 8月の放送を見逃した方はこの機会にぜひご覧ください。
 

「二十四の瞳」ドラマ上映会 (1)

2022-12-24 |   壺井栄
 今年最後の日本語授業の日である12月24日に「二十四の瞳」ドラマ上映会を行いました。
 上映したのは今年8月にNHKが制作・放映した「二十四の瞳」です。

 (著作権等に関して念の為ここで記しておきますが、この上映会はミンスク市立中央児童図書館内で、日本語の授業の学習教材として上映されたものであり、当然入場は無料。そもそも日本文化情報センターの日本語教室は授業料が無料です。上映に関して私もミンスク市立中央児童図書館も何の利益も得ておりません。)

 上映会に来たのは日本語教室の生徒、壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」翻訳者メンバーなど関係者、22名でした。
 この映画には当然、ロシア語訳がついていないので、日本語でのリスニングの練習として捉えています。
 代わりに前もって翻訳者メンバー以外の人はロシア語訳作品集を事前に読んでもらっていました。おかげであらすじが分かるので、日本語で映画を見ても意味がよく理解できたと思います。
 生徒のレベルは日本語能力試験N1からN4レベルでしたが、やはり方言は難しかったようです。
 でも、やはりカラーの映像はいいですね。ドローンで撮影した瀬戸内海の海の映像など、白黒の映画にはない良さがあります。ただ90分のドラマなので、削られている内容も多く、せめて2時間ドラマにしてほしかったという声もありました。

 上映後、女性の皆さんは全員涙を流していました。
「クリスマス・イブにこんな悲しい映画を見せるとは・・・。」
という私への批判(?)(^^;)もありましたが、会場の都合で上映日時が決まったので・・・。
 でも、涙の数が多ければ多いほど「二十四の瞳」への評価が高かった証拠と私は思っているので、泣いているベラルーシ人の顔を見てよかったと思いました。

 画像は私が映画の説明を簡単にしているところです。このドラマは冒頭から「昭和二十年八月十五日」の玉音放送のシーンから始まるので、昭和二十年が1945年であることをベラルーシ人に説明しないといけなかったのですが、この画像だけ見ると、本の説明をしているみたいですね。でもちゃんとドラマを上映しましたよ。

2022年12月24日。ウクライナ侵攻から305日

2022-12-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2022年12月24日。カトリックのクリスマスイブですね。

 日本ではロシアのウクライナ侵攻に関してベラルーシが参戦するだろうとかしないだろうとかそのようなニュースが流れていますが、ベラルーシでのトップニュースは、ベラルーシ人女性宇宙飛行士第1号が誕生するだろうという宇宙関連ニュースです。
 今日ベラルーシ大統領はロシアのガガーリン宇宙センターを訪問しました。現在6人のベラルーシ人宇宙飛行士候補がロシアで訓練を受けており、選抜されたら来年国際宇宙ステーションに滞在できることになるとロシア大統領も約束しています。
 今年の夏、ベラルーシから宇宙飛行士候補者が検討されました。当初は100人以上の希望者がいましたが、29人に絞り込まれ、そのうち3人の1人が女性でした。
 現在6人の女性が訓練を受けており、来年この中の一人が選ばれる可能性が非常に高いです。
 このうち、2人はベラビア航空の客室乗務員、1人は産婦人科医、1人は小児外科医、1人は法医学専門家、1人はベラルーシ国立科学アカデミーの物理有機化学研究所の研究者です。
 クリスマスに久しぶりに夢のある話が書けました。

 以下はあまり夢のない話です。
 国際宇宙ステーションはロスコスモスにより運営されているのですが、その前社長であるドミトリー・ロゴジン氏が一昨日ドネツクのレストランで59歳の誕生日を祝っている最中に砲撃にあい、負傷しました。
 ベラルーシ大統領はお見舞いとして、ベラルーシのパンとサーロを渡したそうですが、サーロとは豚の脂身の塩漬けのことです。
 (日本人が聞くとおいしくなさそうな食べ物に聞こえますが・・・。)
 塩だけではなく、ハーブで味付けされているものもあります。見舞い品を渡したときに、
「これはロシア国防相のお気に入りのサーロです。」
とロシア大統領は話したそうです。
 国防相のショイグ氏が以前、味見して美味しかったと言った味付けのサーロをわざわざ選んだのは気遣いなのだろうと思いますが、それをショイグ氏にあげるのではなく、ロスコスモスのロゴジン氏(現在、砲撃という理由で負傷し、入院中でショイグ氏の親戚でもない人)に豚の脂身の塩漬けをあげるというのは、何か深い意味が隠されているのでしょうか。
 ロゴジン氏は、砲撃の際、破片が太ももなどに刺さって、しかも尾てい骨も怪我をしたらしく、歩くのも座るのも今はできないのではないかと思われます。私のイメージではうつ伏せになって横になっている状態。こんな状態でサーロを食べるのも一苦労なのではないかと思いました。ただし、サーロは長期保存が可能なので、退院してからでも食べることができます。


 ガガーリン宇宙センター訪問にベラルーシ大統領は三男を同行させました。
 センター内にあるドッキングの訓練用シュミレーションを操作した大統領の三男。ロシアの宇宙船「ソユーズ」と国際宇宙ステーションを上手にドッキングさせることができました。
 その国際宇宙ステーションですが、日本でも報道されたとおり、今月15日にドッキングされているソユーズの冷却水漏れ事故が起こりました。内部の気温が30度にまで上昇したという続報もありましたが、18日には温度を下げることに成功したそうです。よかったですね。
 来年、日本飛行士の若田光一さんとベラルーシ人宇宙飛行士が協力しあって宇宙空間で作業をすることがあるかもしれないと夢を描きましたが、滞在時期予定によっては、入れ替わりになりそうですね。

 宇宙では宇宙飛行士同士が国籍・人種を越えて協力し合っていて、別世界のようです。それに引き換え地上では・・・とつい考えてしまいましたが、今夜はやめて、星空でも見上げようかと思いましたが、ミンスクは天気が悪く、星も何も見えませんでした。