ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年12月27日。ウクライナ侵攻から308日目

2022-12-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年12月27日。

 ロシアとベラルーシの両国大統領は、非公式CIS首脳会議の2日目である今日、サンクト・ペテルブルクのロシア博物館で会談を行いましたった。
 どうして博物館で会談?と思いますが、両国は2023年をロシア語の年として祝うことで合意したので、ロシア博物館を会場にしたのだそうです。
 ロシア語ファーストということですね。
 会談そのものは短時間で終了し、朝食をいっしょに食べながらだったそうです。昼食ではなく朝食だったのは、ロシア大統領が他のCIS首脳に会う前にベラルーシ大統領と話をしておく必要があったからだそうです。
 全ての問題を解決したとしています。


 ベラルーシ国外(主に西ヨーロッパ)に住んでいるベラルーシ人がお正月とクリスマスを祖国で過ごせるよう直行便を復活させるよう署名運動を始めましたが、時期的に遅すぎるし、おそらく無理でしょう。戦争も終わっていませんし、署名を集めるより祖国で新年を迎えられないウクライナ避難民の気持ちも考えるほうがいいですよ・・・。


 35人のベラルーシ人の子どもが選ばれ、代表団となってクリミアで新年を迎えるイベントに参加することになりました。
 冬休みのキャンプのようなものだと言えば分かりやすいでしょうか。どういう立場の子どもが選ばれているのでしょうか。
 私だったら戦時下の今、無事戻ってこられるのか心配で自分の子供をクリミア半島に行かせたりしないですけどね。


 ベラルーシで新たに特殊部隊リンクス(山猫)が創設されました。違法な武装グループや妨害工作員の偵察員との戦いが専門だということです。


 衛星画像によるとロシア軍が駐留するベラルーシのウクライナ国境近くに野戦病院が何ヶ所も作られていることが確認できます。合同軍事演習なら本物の戦争ではなく怪我をしないことが前提なので、野戦病院など作らなくてもいいはずです。
 本格的な軍事基地をベラルーシ国内にロシア軍が作ったという証拠だと思われます。
 これから負傷者が大勢出ると予想される戦闘が始まるということかと考えると気が重いです。


 ヘルソン州立博物館でロシア軍が略奪行為を働き、多くの所蔵品が略奪されたというAFP通信の今日付の報道記事を読んで、また気が重くなりました。10月に約70人の集団が博物館に到着し、ロシア兵が見張る中、3台のトラックで所蔵品を運び去ったということです。博物館の前任者がロシア派で手引きしていたようで、この前任者は行方をくらましてロシアへ逃げたそうですが、ウクライナの博物学に関わる仕事をしていたのに、良心は傷まないの?と思いました。
 同博物館では、スキタイの黄金など少なくとも450点の品々が紛失していることが確認されました。
 スキタイの黄金など、歴史的価値など分からず、ロシア国内で溶かしてしまいそうですね。

 ヘルソン州立博物館と聞いて、気が重くなったのは、ロシア帝国初代日本領事、イオシフ・ゴシケヴィチの親戚であるビクトル・ゴシケヴィチがヘルソンで考古学者をしており、発掘調査や研究を続けて、その研究成果や発掘物をこの博物館で保管しているからなのです。
 ビクトル・ゴシケヴィチの墓がこの博物館の敷地内にすらあるのです。ロシア軍はさすがに墓荒らしはしていないと思いますが、ビクトル・ゴシケヴィチが発掘した物が今回盗まれていたら・・・と考えると胸が痛みます。

 ヘルソン州立博物館のウィキペディアのウクライナ語版を読んだら、今回の略奪行為のことがすでに記されていて、盗まれた所蔵品がクリミアにある博物館に移されたとあります。
 ロシア国内に運び込まれたというのも結局クリミアのことだったんですね。さらにこのロシア軍を手引きしたと思われる前任者の氏名もウィキペディアに載っています。もうこの人、故郷のヘルソンに帰れないですよ。逮捕されます。