BSプレミアムで 映画 『おくりびと』 を観た。
映画祭と云えば、日本人はカンヌやベネチアを思い起こすが、
この映画は、モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞した。
これこそ、まさしく世界に誇るべき日本映画の傑作だ。
英語のタイトルを DEPARTURES (出発)と云う。
人が死ねば(到着)で 英訳はARRIVALS だけれど 旅立ち=DEPARTURES は見事!
納棺師という日の当たらない職業にスポットを当てたという発想・着眼もよい。
この仕事は、日本人独特の死生観についてほぼ同義語で
しかもそれを ”死" という世界的普遍的テーマを全世界に解り易く伝えた。
ハリウッドが何故世界的映画産業の拠点に成り得たのか?
それはアメリカと云う人種のルツボにおいて、常に全世界の民族と
言語に通用する普遍的映画テーマを発信する能力が優れているからだ。
その点においても、この極めて日本的な風習を題材にしながら、
グローバルスタンダードとも言うべきベーシックな演出で世界に発信したのだ。
”寅さん”は、日本のマーケットの域を出ては行けないけれど、
この映画戦略は、かなりハリウッドのそれに近づいたのではないか!?
その結果が 世界最大の映画賞であるアカデミー賞の第81回で外国語映画賞を受賞した。
再度、見事というしかない映画だった。