秋は短く、寒くなりました。
私の身体は、普通の人より寒さに弱いために、大変堪えます。
母様は、よく温かい服、毛布、布団を買ってくださいました。
誰に言われようと温かい服装をするのだとよく言っていました。
顔色が悪いのをよく知っていたのでしょう。
赤ん坊の時に、背負われていたあの幸せを記憶しています。
人からあれ以上の幸せを味わった記憶は他にはありません。
セーターを出して着ました。少しだけ身体が楽になります。
預金封鎖か、災害か、戦争か、何が来るかは私にはわかりません。
どれが来ても、死者を羨むことになるかもしれません。
寒いと、ピアノを弾く、関節リウマチの指が痛くて堪えます。
アラベスク、聴いていると、みんな違う。私の演奏は、どうみんなに聞こえるのだろう。
他人から醜いと言われると、 分かっていても、精神的にかなり堪えます。過去の苦しみが一気に襲ってきます。
醜いくせにピアノを弾くなんて。なぜ、ピアノを持っているんだ。俺は持っていない。
違う。私はみんなが当たり前に持っている多くのものがない。
仮にみんなが持っていないものを私が持っていても、私はそれ以上多くのものを、非常に多くのものを失っている。
ピアノは希望を一緒に捜すために、私の言葉となって、私を語ってくれる代弁者となってくれるために、
私の友として、慰めとして来てくれたのです。