新潟久紀ブログ版retrospective

ほのぼの暮らし・空き家の掃除2020.11.14

 子どもの頃から近所で行き来のあった独り暮らしの大叔母が、あれよあれよと介護が必要となって以降は、有料老人ホームへの暫定的入所や特別養護老人ホームへの本格入所、更に認知症が進行しての意識も朦朧とした状態での入院、そして看取りと葬送…。あれこれと関係者と打合せしたり動き回れるような親族が私以外に居なかったので、都度随時の手続きや自家用車での移送、荷物運び、介護計画やら病状の説明聞きなど、随分と対応してきたものです。
 その没後に、残された土地建物についての扱いを任されたのですが、売却の試算を頼むと叩き売り的な見積もり額しか提示されない状況の中で、その土地家屋に対する昔からの色々な思い出深さなどもあり、暫く取り扱いの判断を留保してきているのですが…。
 小春日和のさわやかな晴天の下、雪降る冬の前の希少な好日とばかりに、久しぶりにその空き家を窓全開にして大掃除をしました。地元の大工さんが頑固だった故人の要望を細かく丁寧に聞きながら築造した建物は、広くて部屋数も多く、掃除も一苦労なのですが、掃除機を持って回ると、なかなか面白い構造になっているなあといつも思わせてくれます。
 仕上げの床拭きシート式ワイパーなどかけながら、カーテンを開けた窓から低い角度で差し込む晩秋の日差しを受けて、ふと、「この空き家を地元の地域振興に役立ててみるのはどうだろう」と思い描いてみるのです。
 仮に、この建物付きで土地を売れば、購買するのは恐らくは若夫婦。古家は嫌がられるから建物は取り壊され、更地とされて新築の家でも建てば、私なりに聞き及んできた興味深い由来や逸話など、この土地の歴史はリセットされるでしょう。
 しかし、子供もおらず血筋は絶えてしまったものの、大叔母が確かに精いっぱい生きた記憶が語られる機会を残すためには、この家のままで活用されることが、もう暫くの間はあって欲しいなあと思うのです。例えば、この地に移住して地域を盛り立てようとしてくれる人に貸したりすることで…。
 確かに四半世紀ほど経過して、もはや"古民家"に近い物件ではありますが、造りの面白さも含めて、もう少しこのままで活かすことができないか…。掃除を一通り終えて戸締りをしながら、その思いを強くしました。


(「ほのぼの暮らし・空き家の掃除2020.11.14」終わり。「ほのぼの暮らし・テイクアウト2020.12.19」に続きます。私が扱いを託された空き家についての成り行きについて、今後も折に触れてupしていきたいと思います。)
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