新潟久紀ブログ版retrospective

土木部監理課3「企画調整へ関与する独自協議ルート構築」編

●企画調整へ関与する独自協議ルート構築

 これまでは、政策的な課題に関する協議や伺いのために各課の課長らが部長室に入る時は、主管課からは実務的な意見出しや情報把握のために企画主幹とその課の予算を担当する者程度が同席するのが通例であったという。
 何としても部内各課の政策課題や対応案などの知見を深め、場合によっては提案や意見などして、部としてより良い対応となるための貢献もしたかった私は、さすがに都度都度の部長室への入り込みへの同席までは、自身の役職からして、おこがましくてできなかったが、なんとか関与できないものかと考えていた。
 部長協議の際には大抵、当該課の課長に加え、協議事項の実務を所管する係長と担当の主任などが随行してくる。課長と係長は説明役にまわり、担当主任などが資料配布やメモ取りなどを行うのが通例だ。部長室から協議を終えて出てくる他課の面々は、執務室の配置の関係で必ず私の席の前を通って廊下へと出て行く。私はそこに目を付けた。帰り際の一群の中の若手主任か係長さんに声を掛けて、部長協議の概要や結果などを教えてもらい、課題が残されたのであれば自身の所見を参考に伝えてみたいと考えた。
 自分自身の知見涵養や貢献の意欲からこうしたいという勝手な独りよがりの発想である。他課の人にとっては手間を増やすだけのものであり、理解をいただくためには、やはり部長から了承を得なければならない。たいした話ではないのだが、些細なことでもこれまでと作法を変えることにおいて役所というのは根回しが重要なのだ。
 あれは部長や技監も招いての監理課の歓迎会であっただろうか。私は宴席の気軽さから、部長へストレートに私の希望を申し入れて見た。企画主幹ではなく参事というポストであれば、ある意味で定型的な内部管理的業務に専念することが領分であり、「政策課題の部長協議案件に関わりたいなどとは物好きだねえ」と苦笑されてしまったが、結果としては「前向きな取組であるならやってみて良いよ」と快く了承していただけた。
 部長の快諾は酔いが回っての戯れではなかった。部長は土木技術職であり本庁と土木関係の出先機関を含め土木部一筋の仕事人生を過ごされてきたのだが、平成16年度に私が財政課において土木部予算の査定担当をしていたことを知っておられて、そのころの私の奮闘ぶりも記憶に残っていたようだ。土木部新参ものの私ではあったが、過去の努力により一目置いてもらえていたというわけだ。
 土木部は部長や技監はもとより、各課の課長とも土木職が殆どである。そんな技術屋の牙城ゆえの視野の狭さになってはならないという思いが部長にはあるようだ。「ポストの如何に関わらず、課長級管理職という部の幹部の一員として、事務職としての、特に財政課のような広く政策分野を見て得られた見識を是非とも活かしてください」と言ってくれた。杓子定規でないおおらかさと懐の深さが伝わる。
 良い部長に恵まれて自分で思うような取組がしていけそうだとモチベーションが上がる私なのだった。

(「土木部監理課3「企画調整へ関与する独自協議ルート構築」編」終わり。「土木部監理課4「公共事業悪玉論などに財政担当を踏まえた見識を」編」に続きます。)
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