食欲の秋まっさかりのクマ子です。ぼーっとする時間ができるとついつい食べることに意識がいってしまうので、できる限り用事をつくるようにしています。
それでもすることがない時は、ずばり読書でしょう。
もともと読書は好きなので読み進めて一旦物語に入り込むと、なかなか本の世界から現実世界に戻ってくることができません。
昨日読み終えたトニー・パーソンズ著の「三人姉妹」。ページ数も多いくて読み応えがありました。イギリス人の男性作家の本で、数年前にブッカー賞に選ばれた本です。それで興味があって図書館で借りてきたのですが、なかなか面白かった。
物語はロンドンに暮らす3人姉妹の人生について。
同じ女性なのに長女、次女、三女の人生は三人三様。子供の頃に母親が三姉妹を捨てて他の男と家をでていくところから物語はスタートします。
母親が不在になった家では長女は妹たちの母代わりとなり、自分の時間を犠牲にして育児に奮闘します。その結果、結婚して子供を産んで子育てなんて絶対いや、大人になったら自由きままに生きることが理想になり、その通り独身で自由に毎日を過ごしていたのですが・・・。
次女は自営業で成功した彼と結婚してお金も時間も何不自由ない生活を送っています。ただ1点、子供ができないことを除いてはー。自然に妊娠しないまま年月は流れ、ようやく不妊治療を始めるのですが、それでもなかなか子宝に恵まれません。そして夫婦が選択したのは・・・。
次女が子供ができないことを嘆いている中、三女は一晩限りの相手との子供を身ごもってしまいます。研修医でこれからやっと本物の医者になれる矢先に発覚した妊娠。子供を今産めば、今まで築いてきた努力とキャリアがパーになる・・・産むか中絶するか。三女が下した答えは・・・
この3人の人生が「姉妹」ということを軸に絡み合って、うまくえがかれています。
著者のトニーは男性なのに子宝に恵まれない次女の心理描写が的確すぎる!!そして男性だからこそ書ける夫側の心理。妻目線、夫目線の両方がわかって妙に納得してしまいました。
それにしても人生って皮肉。
子供を望んでいる夫婦に子供はできなくて、仕事熱心で子供どころか結婚もしていない独身女性が一夜だけで妊娠。
もし興味があれば読んでみてください☆