嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『Dive into the future』 (14)

2009年08月02日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
未来では7月だったけど2009年は12月、涼しい気分になれるかな?

無理か・・・

季節はずれでごめんなさい。

ではどうぞ!



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       妄想ドラマ 『Dive into the future』 (14)




経験したことがない不思議な気持ちだった。

車を停めたまま、潤は記憶の引き出しをひとつずつ開け始めた。

「楓って誰・・・」

その名前をつぶやくとなぜか切なくなるのに、一体誰なのか見当もつかない。

しかも楓という女性は潤が山へ行くことを知っていて、行かないでくれと頼んでいる。

誰にも言わずに来たのに。

潤は苛立って、車のエンジンをかけると走り出した。

厳しい大自然に向き合って、胸の中のもやもやした気持ちを整理したかったのに

今は誰ともわからない楓という名前で頭の中はいっぱいだった。



苛立ちが一瞬のミスを生んだ。

信号が変わったのに気がつくのが遅れたのだ。

強めに踏んだブレーキが災いして車は凍結していた路面を滑り出す。

思わずハンドルを切ったがそんなことは意味がなく、車体を斜めにして助手席側から青信号で進入してきた車に突っ込んだ。

大きな音を立てて2台の車は、信号機の支柱で止まった。

衝突の際の衝撃もガラスが割れる音も、映画のワンシーンのように思えて実感がない。

運転席から降りてきた男が、割れた助手席の窓から

「大丈夫ですか?怪我は?」

と声をかけきて、潤は我に返った。

「すみません。あなたは大丈夫でしたか?怪我はありませんか?」

あわてて車から降りてそう言った。



男は潤の顔をまともに見ると驚いて叫んだ。

「潤!」

突然名前を呼ばれても潤にはなぜだかわからなかった。

名前を呼んだ後、男は数秒間額に手を当てて何かを必死で考えこんだ。

そして顔を上げると再び潤に言った。

「潤だろ?そうだよな?こんな所で会えるなんて」

「会ったことはあるかもしれないけど誰?」

男は興奮した様子で、潤の両腕を掴むと言った。

「翔だよ、櫻井翔。覚えてない?俺は思い出したよ、なにもかも」



翔と名乗った男は後ろにいた同乗者の二人の前に潤を押し出すと

「ほら潤だよ。覚えてない?」

と聞いた。

二人は潤の顔をマジマジと見つめてから首をかしげた。

「確かに顔は知ってるけど・・・なぜ知っているんだろう」

「二人とも思い出せ!俺たち未来で潤に出会ってるんだよ」

片方の男が苦笑した。

「未来で?翔、朝からふざけるのやめてよ?事故っておかしくなったわけじゃないだろ」

「ふざけてなんかいない。タイムスリップして、ロボットと戦って山を越えたし・・・

 ほら、神無月さんとか楓さんとかにも会ったじゃないか」



翔の口から楓という名前を聞いた途端、潤の全身を熱いものが貫いた。

すべての記憶が次々に蘇った。

こんこんと湧き出る泉のように淀みなく。



「翔、カズ、雅紀・・・俺たちはいいチームだった」

静かで力強い声だった。

翔が確認するように潤の目を見つめた。

「俺たち戻ってきたんだ」

それから二人はどちらからともなく抱き合って、お互いの存在をしっかりと確かめた。



カズと雅紀の記憶が戻るのにも、そう時間はかからなかった。

潤と翔が140年後での経験を話して聞かせるうちに、きっかけとなる一言で突然記憶が蘇った。

未来での記憶が戻った途端に和也が叫んだ。

「俺たち山で雪崩に遭うんだ!」

「カズが言っていた嫌な予感はそれだったのか」

雅紀が言った。

「やっぱりカズの予感は当たるんだな」



「リーダーは?リーダーはどこにいるんだ!早く止めなきゃ」

潤の言葉に翔たちも、まだひとり、危機を脱していないことに気がついて愕然とした。

こうしている間に智は雪山へ足を踏み入れてしまうかもしれない。

4人の気持ちは140年の時を越えてまたひとつになった。

「絶対にリーダーを死なせない」




         ---------つづく--------




次回はいよいよ最終回です。

4名様、智を助けて!!!

ではまた

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