人は何かを遺すために生きているのです

朝のテレビ小説スカーレット最終週。
世界は新型コロナウィルスでてんやわんやですが、
それでも桜は咲くし、朝ドラは終わるのです。

今回の主人公は信楽の女性陶芸家・神山清子さんがモデル。
神山さんの人生は陶芸家としての成功とは裏腹に
離婚や白血病でお子さんを亡くすなど
まさに主人公・川原喜美子そのまんまの波瀾万丈。
ドラマの方はさすがに若干ソフトケイトされていますが、
それでもなかなかハードなストーリー展開でした。

序盤は喜美子の父・常治役の北村一輝がイイ感じのダメ親父を演じてました。
こういう自己評価だけがやたら高くてダメな親父、昭和の頃はいっぱいいたな～。
この親父が良かったのでもうちょっと長く生きて欲しかったんですが、
ドラマの1/3くらいのところで亡くなってしまいホントに残念。

この親父さんが「男には女にはない意地っちゅうもんがあるんじゃ」という言葉に
子供時代の喜美子（演：川島夕空）が言い返した
「女にも意地と誇りはあるんじゃ～っ！！」
はサイコーによかったねｗ

そして中学を卒業した喜美子が大阪へ行って働き出した荒木荘のエピソードも面白かった。
特に喜美子をイビり倒す大久保役の三林京子さんが印象的。

イジメ役が巧いと主人公の魅力は活きる。
これも昭和の根性ホームドラマの典型だよね。

そして美大進学の夢破れ信楽に帰って来てから就職した丸熊陶業。
そこでは喜美子の絵付けの師匠になるフカ先生こと深野心仙役がイイ。

飄々とした佇まいと「エエよ～♪」の名ゼリフｗ
フカ先生を演じたイッセー尾形がどハマリでした。
戦争がらみのお話もサラリと、でもリアルに語る、本当にイイキャラでした。
このフカ先生もすぐに会社を退社しちゃって、
内心「きっとどこかで再登場するはず」と期待してました。
でもその期待も虚しく登場は絵葉書エピソードのみ。勿体ない…

その丸熊陶業で出会った喜美子の夫・八郎（演：松下洸平）は昭和の純朴な青年の典型。
ちょっとイイ人過ぎて、芸術家としては絶対に成功しないタイプｗ
逆壁ドンとか関西弁で喜美子から愛の告白をするシーンはグッときた！

そしてこの辺りでエエ感じのオバはんに成長したのが大島優子演じる幼馴染みの照子。

終盤のクリクリパーマが一周回ってカワイイｗｗｗ

終盤になるとお話が急にトーンダウンしてしまって、
息子の武志（演：伊藤健太郎）が白血病で現実通りに死んじゃうのか、
それとも死を克服するのかだけが注目ポイントになってしまった感がありますが、
10代から40代までの喜美子を演じた戸田恵梨香の演技力で持たせた感じ。
芸術家に限らず、
人は何かを遺す為に日々生きているのだ
という想いが残った最終回でした。

トータルとしてはやっぱり面白かったので
戸田恵梨香には心よりお疲れ様と言いたいです！


来週からは窪田正孝＆二階堂ふみという『マッサン』以来の男女W主役の『エール』。
主人公のモデルは知る人ぞ知る古関裕而（こせきゆうじ）さん。
この人、高校野球の応援歌「栄冠は君に輝く」や阪神タイガースの「六甲おろし」の作曲家。
そしてなんといっても特撮ファンの僕にとっての注目ポイントは
「モスラの歌」の作曲者だってところ！
そのあたりのエピソードがどう描かれるかを楽しみにしてます♪