眼鏡フレームには様々な生産国が存在します。
日本・欧州・アジア圏が眼鏡フレーム製造の主要国。
国土によって眼鏡フレームにも特徴が現れます。
眼鏡店でのフレーム価格差に驚いた方も多いはず。
価格差には管理体制と品質(デザイン)、エンドユーザーに対する考え方が影響します。
なぜこれ程の価格差が眼鏡フレームには存在するか。
生産国別にわかりやすく解説したいと思います。
まずは日本(国内製)から参りましょう。
国内の眼鏡製造では福井県鯖江市がメガネの町として有名です。
皆さんが日本製という言葉の響きに感じる物。
それは高品質、高機能、高耐久といったイメージだと思います。
フレームにもそれは大体当てはまります。
高品質を維持するには当然コストも膨らんでしまいますが、そこから信頼も産まれます。
メリット 高品質 殆どのフレームで修理が可能
デメリット 高価格帯(目安価格帯15,000~)
次はアジア圏の眼鏡フレームです。
製造国として代表されるのが中国と韓国。
特に韓国は樹脂系のフレーム(TR・ウルテム)に強みを持っています。
これらアジア圏のメガネフレームの特徴は第一に安価というメリットがあります。
大量生産する事で単価を大幅に下げる事ができる。
でも品質はイマイチなんでしょう?
こんな声もよく頂きます。
確かに10年程前のアジア圏産フレームはクオリティに問題がある物が存在していました。
しかし昨今、クオリティの向上に驚かさせらる事が多くなっています。
技術面で日本製に近付きつつある、そんな一面も持ち合わせています。
これは日本の技術者がアジア圏のフレーム工場に雇われていることが最大の要因です。
日本国内の眼鏡製造産業は衰退していますが、アジア圏は今まさに昇り竜。
人材の流出がアジア圏産フレームのクオリティ向上へと繋がっているのです。
メリット 安価(目安価格帯5,000~) 昨今の品質向上
デメリット 修理不可(物による) 管理体制がない(パーツストックが無い)
最後は欧州です。
欧州産のフレームの特徴はなんといっても高いデザイン性。
ドイツ製であれば質実剛健、フランス製は華やかでカラフルな色調。
北欧製はミニマルアートの世界と可愛らしくも洗練されたデザイン。
品質も重要視していますが、それよりもデザイン性が優先される傾向にあります。
輸入製品なので値段が割高な面もありますが、それ以上に惹きつける魅力があります。
メリット 欧州独特の高いデザイン力 中~高品質 殆どのフレームで修理が可能
デメリット 高価格帯(目安価格帯20,000~) 耐久性に疑問符が付く事例も
皆さんが眼鏡フレームを購入される際、何を優先して選択するのか。
価格、デザイン、クオリティ・・・メガネフレームの選択肢は多岐にわたります。
メリットとデメリットを理解した上で眼鏡フレーム選びを楽しんで下さい。
※小児の治療用眼鏡は品質を第一に考えましょう、国からの補助を受ける事が出来ます。
白内障はいずれ誰もが通る道です。
世間一般的に白内障の手術は簡単、というのが昨今定説となりました。
そもそも白内障とはどんな病気なのか。
病気というよりも加齢による症状の一つに過ぎません。
目の中にあるレンズが濁ってしまい光を通しにくい状態。
これにより視力低下を引き起こしたり、物が白っぽくぼやけた見え方になります。
白内障末期には水晶体が膨らむことにより、緑内障を併発する症例も存在します。
今日はそんな白内障について、お客様から多い疑問・質問にお答えしたいと思います。
①白内障予防の点眼薬
かつて白内障の進行を遅らせると言った謳い文句の点眼薬がありました。
しかし全く効果がないとして近年処方する医師は激減しています。
この点眼薬について日本医科大 千葉北総病院眼科教授 茨木信博(当時)の言葉。
「科学的根拠が明らかでないことを患者に十分説明する必要がある」
(未だにこの目薬を処方する眼科も存在するようですが)
この目薬、世界では10年程前から効果がないとして殆ど使用されていません。
いろんな理由があると思いますが、日本の対応の遅さには驚くばかりです。
②紫外線が白内障を進行させる
よく「紫外線を浴びたら白内障が進行する」なんて話を聞きますが、これは不確実な話。
日本国内で紫外線が最も強い都道府県は長野県。
標高の高さ、日照時間の長いことが原因だと推測されています。
では長野県の方は白内障になる年齢が早いのでしょうか。
そんな話聞いたことがありませんし、学会でも発表されていません。
そもそも紫外線の殆どは角膜で反射され、眼内に到達する量はしれています。
実際98%~99%の紫外線は角膜で反射されてしまいます。
もちろん水晶体にとんでもない量の紫外線を当て続ければ白内障にはなるでしょう。
非現実的な実験方法を元に「紫外線は白内障を進行させる」と謳うのはおかしな話です。
③白内障進行の原因
白内障進行の理由は加齢によるものが殆どです。
皮膚は古くなれば垢として排出されます。
しかし水晶体は古くなった細胞を排出する機能、場所がありません。
レンズ表面で新陳代謝を繰り返すため、奥に詰め込んでいくしかないのです。
白内障による近視化は水晶体の肥大化が原因ともされています。
(表面上で出来た老廃物は房水に排出しています)
新陳代謝 皮膚 内→外 眼 外→内
(水晶体という組織は皮膚と同じ細胞から出来ています)
木の年輪と同じで奥に詰め込まれたものは固く、栄養も届きません。
(水晶体には血管が無い為、栄養は房水から得ています)
栄養が届かなると柔らかさが失われ、細胞を構成する物質に変化が起こります。
細胞の構成に変化が起これば、色は白色(黄色)に変色していきます。
これが徐々に蓄積され、水晶体を曇らす原因となるのです。
これが白内障進行の事実です。
言い返せば目を酷使する事こそ、白内障を進行させる原因と捉えれるのではないでしょうか。
目を酷使すれば水晶体も新陳代謝を活発に行う。
それと同時に白内障進行が進みやすくなる環境へと変化していく。
※これはあくまで自論であり推測です。
④手術は簡単
白内障の手術には現在、吸引法が主流となっています。
これは超音波により水晶体を砕き、吸引器で吸い取ってしまう方法です。
水晶体を綺麗に吸い取った後に人工の眼内レンズを挿入します。
確かに簡単な手術となりましたが、未だに失敗例(眼内炎等)が存在するのも事実です。
患者様との意思疎通不足で起こる失敗もあります。
これは白内障手術により希望度数に矯正されなかった場合です。
目の中のレンズを入れ替えるという事は同時に、目全体の屈折度数にも影響を及ぼします。
実際にあった症例をご紹介しましょう。
手術前は弱度の遠視眼で遠くはある程度(BV=0.7)見えていたお客様。
しかし術後、近くは見えるが遠くが見えない。
手術をすれば遠くがよく見えると思っていたのに・・・手術したことを激しく後悔。
この方は眼内レンズを挿入した為に「近視」の状態になってしまったのです。
白内障手術をしてどの距離を明視したいのか。
医師と話し合う重要性がここにあります。
(多焦点眼内レンズ使用時は除きます)
⑤ブルーベリーは白内障抑制に良い
ブルーベリーに存在するアントシアニンという物質は網膜に存在します。
網膜にはかなり薄い膜の層があり、その表面に「ロドプシン」という色素があります。
ロトプシンは網膜で光受容器細胞の形成と光の初期認識に活動する桿体細胞に存在します。
光に非常に敏感で、夜間視力もこのロドプシンの働きによるものです。
網膜ではそのロドプシンが常に壊れは再生し、再合成がくり返されています。
その働き(再生・再合成)を助けるのがアントシアニンです。
水晶体にロドプシンとアントシアニンは存在しない物質です。
ビタミンCやルテインといった水晶体に多く含まれる、抗酸化物質の摂取ならまだ理解できます。
しかしブルーベリーを飲んだら白内障が治った、なんて話は・・・。
これは失礼ですが思い込みだと思われます。
⑥ブルーカットレンズは白内障予防に良い
紫外線の不確実な話と殆ど同じだど考えています。
(青い光を発しているので完全に一緒とは言い切れません)
確かに短波長(紫外線含む)は眼にとって刺激性が強いのでしょう。
しかしブルーカットレンズが功を奏して、白内障が予防出来るというのはどうなんでしょう?
◎お客様のお話◎
ある眼科医が「ブルーカットレンズは白内障予防にも効果が期待出来る」と話しをしていた。
だからブルーカットレンズにしてくれ。
青い光(短波長)は波長で表すと450mm前後となります。
だとすれば目に見えない紫外線の方がより短波長になるはずです。
(UV-A 315mm~380mm)
つまり光の強さでは 紫外線>青い光 となります。
白内障予防の効果はあるかもしれないが、結論として予防効果は微々たるもの。
こんな感じが落とし所ではないでしょうか。