網膜剥離、L(左)角膜移植もされているお客様。
完全矯正値
R(右)S-1.00 C-2.75 AX110
L(左)S+5.00
眼鏡処方箋値
R(右)S+3.00 → バランスレンズ
L(左)S+5.00
本来、角膜移植をしている左目には角膜移植後の乱視が入るはずです。
しかし、レフケラト(オートレフ、角膜曲率半径)共に計測不可の為、矯正が難しいのが現状です。
矯正視力も両眼(0.01)と出にくいため、ルーペや拡大読書器が必須になります。
難しい症例です、弱視鏡を使用の予定でしたが、本人の強い希望(外見上の問題)により眼鏡とルーペの組み合わせになりました。
網膜剥離とは?
①裂孔原性網膜剥離
網膜剥離の中で最も多くみられるもので、網膜に孔(網膜裂孔・網膜円孔)が開いてしまい、目の中にある水(液化硝子体)がその孔を通って網膜の下に入り込むことで発生します。
一般に、はじめのうちは剥離した網膜の範囲は小さく、時間とともにだんだんこの範囲が拡大するというような経過をたどりますが、孔が大きいと一気に進みます。
剥離が進行すればすべての網膜が剥がれてしまいます。網膜に孔が開く原因として、老化・網膜の萎縮・外傷などがあります。
剥がれた網膜は光の刺激を脳に伝えることができません。
また、剥がれた網膜には栄養が十分行き渡らなくなるため、網膜剥離の状態が長く続くと徐々に網膜の働きが低下してしまいます。
そうなると、たとえ手術によって網膜が元の位置に戻せたとしても、見え方の回復が悪いといった後遺症を残すことがあります。
遠視・正視よりも近視、特に強度近視でより多くみられ、どの年齢でも網膜剥離になる可能性がありますが20代と50代の人に多いといわれています。
②非裂孔原性網膜剥離
牽引性網膜剥離と滲出性網膜剥離があります。
裂孔原性網膜剥離と同様に網膜剥離が起きた状態ですが、原因、経過はさまざまであり裂孔原性網膜剥離とは大きく異なります。
牽引性網膜剥離は眼内に形成された増殖膜あるいは硝子体などが網膜を牽引することにより網膜が剥離して起きます。重症の糖尿病網膜症などでみられます。
滲出性網膜剥離は、網膜内あるいは網膜色素上皮側から何らかの原因で滲出液が溢れてきたために網膜が剥離してしまった状態です。
ぶどう膜炎などでみられます。
症状 飛蚊症、光視症、視力低下、視野欠損
治療方法 光凝固術、網膜復位術、硝子体手術
次回は角膜移植についてお話しします。