9月末にはたくさんの行事がありました。27日(日)のデモには約250人の参加者を得て、脱原発・安保法制反対の声を挙げて市民が訴えました。パギヤンのコンサートを筆者は初めて聴きましたが、チューバの方と二人で並んで、それにパーカッションと次々にパンチの効いた、そしてアクの強い楽曲を歌われ、さすが!と唸らせられる演奏でした。CDは完売だったとか。最後の挨拶で、「自分は今まで憲法9条に一度も守られたことがない。でも憲法9条を愛している。いつの日か、自分たちも(日本国憲法に守られる)対象に加えられるよう、前文が変わることを願っている」という言葉が、ずっしりと響きました。
その他、フリーのリレートークでは7,8名の方のスピーチが続きましたが、筆者も毎年このデモに参加してきましたが今年は今まで以上に各話者の言葉に深みと悲しみ、そしてうめきを伴った強さ感じました。嘘のない言葉の輝きを感じました。話し手の中には疲れを訴える人もいました。しかしそれを直視するところから再び人は前に進むのだと思います。今からはより長いスパンで運動を見通していくことが必要ではないかと思います。
30日(水)には、当会主催で、第5回となる憲法カフェを開催しました。落ち着いた手頃な広さの会場で、BGMがないので、マイク無しでもよくお話の聞き取れる(そして椅子がとても立派)、それでいてお茶も飲めるという恵まれた中で、講師の芦葉甫弁護士を囲んで13人がお話を聞き、話し合うという格好になりました。みんなで輪になって、それもまたすてきでした。
最初に、初めての方、運動経験のない方のために安保法制(特に自衛隊法関連2点)、秘密保護法(明治以降最大の秘密指定範囲であること他)についてわかりやすい説明をいただきました。この10月から始まったマイナンバー制、派遣法改悪など労働規制の問題と合わせ、一セットとみなす必要があること、その狙いは戦争をしたり、あるいは戦争のための武器の販売など経済に関することではないかとのこと。
国会前での見守り弁護団の経験から、8月から9月に掛けて強まっていった警察の警備の様子、市民とのせめぎあい、実際に弁護士がどう関わったかなどを報告してくださいました。これから地方での運動でも似たことが起こらないとは言えないでしょう。そして、これからの街頭行動への励ましとアドバイス、問題の整理もしていただき、聞く者の頭も随分整理されたように感じました。有益でありがたいアドバイスでした。
課題としては、今10代の人たち、特に高校生を中心に民主主義の大切さ、命を大事にすること、安保法制と一連の動きの何が問題かということを伝えていくことが非常に大事だということを教えていただきました。
経済的徴兵制は、今子どもの貧困率が6分の1であるという現状から若者に身近な問題ですし、派遣法改正によって、正社員雇用の社会的基盤が根本的に崩れたこともあって、若者が巧妙な仕方で実質的な徴兵の対象となることが起こりうるという例も示してくださいました。
当会も、子どもさんに大切なことを知っていただきたく夏に憲法の学習の試みをしましたので、そう方向は間違っていないだろう、今後も何らかの形で努力していけたらと思いました。
いろいろと質問も出ましたが、ほんとにあっという間の濃密な時間でしたので、あと30分あれば、と悔やまれる2時間でした。
ある出席者からは5,6月と目される自衛隊の海外派遣をなんとしても止めたい、という思いを聞きました。具体的な目標として捉えておきたいです。その他貴重なご意見がたくさんありましたがご紹介はこれぐらいに留めたいと思います。
その後場所を変え、希望者で講師と昼食をともにしましたが、その時もたくさんのことを学びました。
とても元気づけられる時になりました。講師の芦葉弁護士と、出席者のみなさんに心から感謝します。
最後に日本に民主主義がやっと根付き始めたと評してくださった講師からの、幾つかの言葉をご紹介したいと思います。
みなさんの励ましとなりますように。
・これらの法律は廃案(廃止)に持っていかなければならない。
・関心を持っていない一般の市民の方々や、10代の若者に、これらの法律の問題性を伝え続けていく必要性は大きい。
・一度法律に対する違憲判決が出ると、それは廃案と同じぐらいの効力を持つものだ。
・安保法制関連法については賛成派、反対派の議論の整理をしなければならないが、まずは違憲であるか否かという議論が先だ。
・これらの法律は廃止しなければならないのは明白で、あきらめず、今からも次の世代の受益のために楽しく運動を続けていこう。