秘密保護法と共謀罪を考える四日市の会

秘密保護法・共謀罪に反対し、その廃止を求めましょう!

デモのご報告など

2014年06月29日 | メッセージ
 6月は23日(月)、25日(水)の両日、三重県津市においてデモが行われました。筆者の事情でこのブログでの宣伝ができず失礼いたしました。どちらも緊急の呼びかけでしたが23日は100人、25日は70人の参加者があったということで、よかったです。



6月23日(月)18時~まん中広場で集会後、「松菱」前までデモ行進。テーマ:『戦争する国づくり』に反対する県都行動」
主催:三重県の「秘密法阻止!各界連絡会」と安保破棄諸要求貫徹県実行委員会。100名の参加。

6月25日(水)18時~津市の県庁前公園で集会後、津駅までデモ行進。テーマ:STOP!安倍 緊急行動。
主催:STOP!安倍 緊急行動実行委員会。70名の参加。


 集団的自衛権についていよいよ閣議決定かと言われていますが、一人ひとりが自分が今すべきことを考えて、できることを実行しましょう。



四日市市議会総務委員会報告2

2014年06月27日 | メッセージ
 6月20日は、同じく総務常任委員会において午前10時から、「集団的自衛権行使容認に反対する意見書」採択を求める請願(九条の会・よっかいち)の意見陳述と審議が行われました。
 筆者も傍聴しましたが、大変素晴らしい内容の意見陳述でした。にも関わらず、現在ちょうど審議中の事柄であるとの理由で継続を望む意見が複数出て、賛成議員2名にもかかわらずこの議案は継続扱いとなりました。採決結果は賛成2,反対0、継続5でした。傍聴者は9名でした。この問題は秘密保護法と切り離しては考えられない事柄で、全国でもう100以上の自治体から続々と意見書可決がされているのに、残念であると思いました。以下に陳述者の方の許可を得て、意見陳述原稿を掲載させていただきます。

九条の会・よっかいちの事務局の一員、大野章です。請願者・当会代表呼びかけ人、増原一眞に代わって請願の趣旨説明をさせて頂きます。
提出した「請願趣旨」に若干の補足をいたします。

 まず、「立憲主義」の立場から、「集団的自衛権行使容認」を閣議決定で行うことは許されないと言うことについて述べます。
 劇作家の井上ひさしさんは、「「明治憲法は『国家』が『国民』に命令する憲法だったが、今の憲法は『国民』が『国家』に命令する憲法だ。即ち、立憲主義とは憲法で国民が政府を縛るものということだ」と言いました。
 安倍政権は、「憲法改正」をやりやすくするため、改定条項(憲法96条)を改定して、現行の「衆参両院のそれぞれ3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民投票で過半数の賛成を必要とする」を「衆参両院のそれぞれ2分の1の賛成で、国会が、発議し・・・」に変えようとしました。
 これに対しては、「憲法を改正すべし」と言っている人達からも批判が続出しました。
 すると、安倍政権は、憲法改正の手続きを全くとらずに、政府の解釈変更によって、歴代政府が営々として守ってきた「憲法解釈」、即ち、「現行憲法下では集団的自衛権の行使は許されない」という立場を180度転換して、「行使容認」に解釈変更しようとし始めました。「国会での議決」も「国民投票」も省略して、行政権だけで行使容認を決めようとすることは「立憲主義」を根底から否定するものです。
 委員のみなさんの中には「憲法を変えた方が良い」とお考えの方もあるでしょう。「守るべきだ」という方もみえるでしょう。「集団的自衛権の行使は必要」という方も「行使すべきでない」という方もいらっしゃるでしょう。でも、その立場の違いを越えて、「立憲主義は侵してはならない」「議会制民主主義は守ろう」、「『閣議決定』は許さない」の一点で、この請願に賛同くださるようお願いします。
 
 さて、 『集団的自衛権』とは、自国が攻撃されていなくても、他国が攻撃され、それが「我が国の安全を侵す恐れがある」と政府が判断した時、武力行使ができるというものです。
 これについて、安倍政権は、いくつかの事例を挙げていますが、二つに絞って、その根拠がいかに詭弁であるかについて述べます。
 その一つは、安倍首相がパネルを示して協調した、「海外で紛争が起こった時、在留邦人を救出して帰国させるためにアメリカ艦船で輸送してもらう際、その船が攻撃されても、自衛隊が出動して守らなくも良いのか」と言った問題です。
 これについて、6月16日付けの朝日新聞は、政府関係者の話として「米軍が海外の自国民らを救出する作戦では、国籍による4段階の優先順位があり、米国籍、米国の永住許可証の所有者、イギリス国民の順番で優先順位があり、日本人は最後の『その他』に位置づけられている」ということで、「日本人は救出しない」とアメリカが言っているのに、「邦人が乗っている米艦が攻撃される」というのは、あり得ない虚構だということです。これについては複数の外務省関係者も同様の証言をしており、安倍首相の根拠は、根底から崩れる詭弁にほかなりません。湾岸戦争の時の首相だった海部俊樹さんは、「そんな話は一度も聞いたことがない」と言ってみえます。また、集団的自衛権そのものについても、鳩山内閣の外務大臣だった岡田克也さんは「在任中、アメリカから求められたことは一度もない」と言っておられます。
 安倍政権の詭弁は明確です。
 もう一つ、「機雷除去」をするには「集団的自衛権」が必要だと述べているのも、詭弁です。安倍首相は「集団的自衛権を行使しても、自衛隊は戦闘地域には行きません」と言っていますが、国際法上「戦闘中の機雷除去は相手国への戦闘行為であり攻撃の対象になる」というのが常識で、この点でも大きな矛盾があり、集団的自衛権行使の根拠が崩れるものです。

さて、「戦争放棄」を定めた憲法の下で、自衛隊が海外に派遣されたのは、小泉内閣の時のイラク戦争でした。このときは「人道支援」という名目で、派遣された自衛隊は後方支援に徹し、一人の戦死者もなく、一人の外国人を殺すこともありませんでした。しかし、あのイラク戦争でアメリカの要請に応じ、「集団的自衛権」発動でイラク戦線に赴いた国々は、多くの戦死者を出しています。「大量破壊兵器をフセイン政権が隠している」とのウソの情報を根拠として始まったあの大義なき戦争は、まさに「集団的自衛権」が招いた悲劇でもあったのです。
いま、戦争と平和を巡る世界情勢は大きく変化しています。武力解決ではなく、話し合い外交、これが主流です。確かに、東アジア情勢は緊迫しています。尖閣、竹島・・・村山富市元首相は「根本原因は安倍さんが作ったんでしょう」と言っていますが、安倍政権の言動にこそ主たる要因があるのではないでしょうか。アメリカ自身も変化しています。今、イラク情勢は緊迫していますが、ブッシュ時代のように、軍事介入には踏み切れていません。ベトナム、アフガン、イラクでの無用な戦争で、幾多の米兵が亡くなり、多くの帰還兵が重症の精神疾患を患い、広く厭戦気分が広がっているからです。これこそ、戦争がもたらした厳しい現実です。

今、述べさせて頂いた、「集団的自衛権行使容認」は、立憲主義を無視して政府の解釈改憲で行ってはならない、と言う点と、安倍政権の示す根拠が虚構のものが多く、かえって「国民の生命と安全」にとって危険だということがら、新聞各紙の社説も、「拙速は避けよ」と警告しています。そして、地方自治体からも、かつてなく大きな声が上がり、多くの首長から、「慎重な対応」を求める意見が寄せられています。隣の鈴鹿市の末松市長もその一人です。多くの地方議会で「集団的自衛権の行使を解釈改憲で容認することに反対する」意見書が採択されてきています。岐阜県議会では、自民党が呼びかけて、意見書が採択されています。四日市市議会においても、是非、「意見書」を決議して頂くよう、心からお願いするところです。

「戦争を知らない世代が政権の中枢にいること自体が危険だ」と与党の自民党・公明党の戦争体験者からも危惧の声があがっています。加藤紘一さん、野中広務さん、古賀誠さん、山崎択さん、河野洋平さん、そおして公明党の草川昭三さんらから、次々と声が上がっています。
私自身も、少年時代の戦争体験者です。軍国少年育成のため、昭和16年に小学校が「国民学校」と変わり、その年に一年生になりました。「サイタ サイタ サクラガ サイタ」が「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」に変わった最初の一年生です。学校では「お国もために立派に戦って死ねる人間になろう」と教わりました。「はい、立派に戦います」と優等生ぶって答えていても、家へ帰ると、押し入れの中にもぐり込み、こわくて、こわくて、しくしく泣いていたものです。富田国民学校では、それはなかったですが、学校によっては、校長先生が、卒業式で「行け、戦え、死ね!」といって送り出したところもあったそうです。個人の幸福を国の犠牲にする誤った教育の下で、多くの若者の命が奪われました。国家が国民に命令する憲法の下でのあの忌まわしい時代が、今日ほど、「今」と重なることはありません。しかも、あの過ちが、今度は「国民」が「国家」を縛る民主主義の時代に繰り返されて良いのでしょうか。最後に、戦争中、教え子を戦場に送った、高知県の竹本源治という教師の「戦死せる教え子よ」という詩を朗読して締めくくります。

戦死せる教え子よ(竹本源治)

逝いて還らぬ教え子よ
私の手は血まみれだ
君を縊ったその綱の
端を私は持っていた
しかも人の子の師の名において
嗚呼!
「お互いにだまされていた」の言い訳が
なんでできよう
慚愧、悔恨、懺悔を重ねても
それが何の償いになろう
逝った君はもう還らない
今ぞ私は
汚濁の手をすすぎ
涙をはらって君の墓標に誓う
「繰り返さぬぞ絶対に!」

ありがとうございました。

四日市市議会総務委員会報告1

2014年06月27日 | メッセージ
 当会は四日市市議会に「秘密保護法を廃止する意見書」を採択する請願を提出し、去る6月20日に総務常任委員会での請願者意見陳述と審議が行われました。傍聴者は11名で、13時から約45分間の審議後行われました。意見陳述内容を以下に記します。
 総務委員会は議長、副議長を除いて7名、うち賛成は2名ということで、賛成少数につき否決という採決結果でした。原発関連の情報が特定秘密扱いになるかどうか、とか附帯決議や監視機関が有効に働くかどうかについての意見などが出ました。
 この結果を踏まえて7月3日の本会議においての採決が行われますが、請願者としては最後までできることをしようと思います。傍聴に来てくださった方、お骨折りと応援をしてくださった方、ありがとうございました。どうぞ、7月3日もぜひお出でいただきますようおねがいいたします。

意見陳述内容は以下のとおりです。【原稿より】

2014年6月20日

「秘密保護法廃止を求める意見書」採択の請願についての意見陳述

             請願者 秘密保護法を考える四日市の会

【陳述者1】
 秘密保護法は日本国憲法の精神に反する法律です。平和主義、三権分立、国民主権、どの面をとってもそれを損なう、まれに見る悪い法律と言えます。憲法98条によると憲法の条規に反する法律は上程されてはならないとされています。そもそも基本的人権を踏みにじるこの法律は法案となるべきではなかったと思います。第2次安倍政権を誕生させた総選挙において、自民党は公約でこの法律を成立させるということに触れていなかったと思います。そして密かに上程の準備をしていたのではないでしょうか。愛知県の市民グループほか、早期にこの法案について気がついて反対運動や学習会を開いていた人々はいましたが、広く一般市民がこの法案の上程を知ったのは2013年の夏をすでにすぎ、秋になった頃やっとではなかったかと思います。私自身もそうでした。それからようやくマスコミも報道を開始し、急速に市民の反対が広がり、たくさんの文化人や国連からも非難を受けながらも、とにかく成立あるのみといったやり方で強行に成立させたのであります。
 大音声のデモもテロだという発言が自民党の石破幹事長から発せられました。選挙と選挙の間に主権者がすべきこととして、権力が暴走しないように見張り、意見を言っても耳を傾けない場合は直接の行動として、民主主義の発露として行う当然の行動がデモなのに、彼の発言は民主主義を理解しない、あるいは民主主義を嫌っているかのどちらかであると思わせるものでした。いみじくもこの発言は、この法律の性格を指し示すものであったように思います。以下、この法律の問題性を数点述べます。
 1.適性評価について
 というのはいわゆる身辺調査ですが、その実務は警察関連の方々がおそらく実務を担うことになるでしょう。様々なプライベートな情報を公安警察がデータを得、国が国民を監視できる状態になると思われます。秘密保護法の目的の一つは監視国家づくりだと思います。1925年にできた治安維持法は、最初は共産主義者のみを監視対象とするので他の人は関係ないと言っていましたが、次第に監視の対象が広がったと言われています。秘密保護法は治安維持法と非常に似た性格の法律だと言われています。政府は一般市民には何の関係もないと言っているようですがそれは欺瞞であって、だれでも監視対象になる可能性はあるのです。
2.特定秘密の指定と解除について
 特定秘密の指定は秘密会にて行われ、行政機関の長である当該大臣がそれを指定すると言われていますが、実際には省庁の官僚が行うことになるだろうと言われています。条文の「その他」に含まれるという理由で拡大解釈され、官僚の恣意的な判断で秘密が増える可能性のほか、特定秘密に関連する周辺の情報も秘密にする傾向が強まり、結果として秘密が膨大に増えていくと思われます。第2次世界大戦中には何年にもわたって軍事機密に抵触するという理由で天気予報がされなかったと聞きます。また、秘密とされた情報の開示は最長で60年経ってからということが言われますが、60年経っていれば人の一生の殆どを占める時間ではないでしょうか。それでも公開される必要はないとされる項目も7項目設けられています。それは永久に秘密にできるということです。
3.情報は誰のものか
 さて国が秘密を持つことがあってもそれが基本的人権を侵害してはならないとして、国際基準「ツワネ原則」が2013年6月に定められました。これは国が一定の秘密情報を保持することを担保した上で人権保護とのバランスを取り決めたガイドラインです。情報はもともと主権者のものであり、主権者は税金を払っているので、いのちと財産を守るために権力を監視し、必要な情報を自分たちに知られるよう要求することができます。それに、秘密が少なければ少ないほどその国は健全だといえると思います。
 けれどもこの法律は反対に行政が国民・市民を監視し、情報を隠すわけです。情報を隠すと教育が変わります。そして、政治家の言う情報に反抗も抵抗もせず従順に言うことを聞き、疑いを持たない人々を育て、その上で政府が戦争をするといえば様々な形でそれに協力する国民を育成したいのではないかと心配です。
4.厳しい罰則
 行政が主権者から情報を隠すために何をするかというと、最高で懲役10年という大変厳しい罰を与えるということになっています。そもそも自分たちのものであるー生き死にに関わる情報を、どうして知ろうとしてはいけないのでしょうか。秘密保護法はデモをする人、市民運動をする人はおろか、どんな人でも言動や行動が取り締まりと監視の対象にしかねない性格を持った法律だと思います。意図して、あるいは意図せずに特定秘密を知ろうとしたというだけで罰するという脅しによって、見ざる聞かざると言った風潮を作り出すでしょう。
5.結論
 強い政府、従う国民を作り出すのがこの法律です。現代の先進国の旨とするところは情報公開でありますのに、この法律はそれとかけ離れた前時代的なものです。大変野蛮な性格のものだと思います。政府はこの法律で国会議員の国政調査権も奪い、地方自治体にも大事な情報が提供されず、それなのに地方自治体は住民の避難誘導安全確保の責任を担わなければならないという矛盾が生じ得ます。四日市には港もあり、隣県には原発もあります。そこで何かあったとき、テロ対策などと言って適切に情報が開示されなかったならば大いに困る事があるのではないでしょうか。
 この法律によって幸せになる人はいるのでしょうか。私はいないと思います。お互いの幸せのために少しも寄与しない秘密保護法の廃止を求めます。

【陳述者2】「人権宣言をしている四日市市の政策と秘密保護法は相容れない」ほか。

デモのご案内・名古屋

2014年06月19日 | スケジュール
6月20日(金)は夕刻、以下のように名古屋でデモがあります。行ける方、ぜひご参加願います。


「戦争させないために~集団的自衛権と秘密保護法に反対する大集会」


日時:6月20日(金)18時30分~集会、19:00~デモ

会場:若宮広場

名古屋市営地下鉄名城線「矢場町」駅4番出口から南西、

高速道路高架下のからくり時計の隣

チラシ http://nagoya.ombudsman.jp/himitsu/140620.pdf

主催:秘密保全法に反対する愛知の会

   http://nohimityu.exblog.jp/22149019/