エンスーMの「クルマとともに」

私が愛したクルマたちのことを忘れないために…

昭和57(1982)年式トヨタセリカクーペ1800GT-TS(5MT) H1.9〜10

2022-08-31 18:04:00 | 日記
例によって画像は借り物ですが、履かせていたホイールもそっくりで、検索していてビックリしました。

さて、父が転勤のため不在なのを良いことに、車庫には27トレノ、カーポートには腰痛シビックから乗り換えたゴルフシンクロというマニアックな布陣で独身を謳歌していた私でした。
数か月おきに父の所と自宅とを往来していた母からは、その都度クルマが替わったり増えたりしていると呆れられ、私も仕事が面白くなく半ばヤケになっていたこともあって、友人から持ち込まれた話は断らずにクルマを買い続けます。

ある時、以前から手放す時は声を掛けてとお願いしていた友人の自動車ジャーナリストから、GT-TSの話が来ました。
一度は同業者に譲ったものの、その彼が次のクルマ(ナローの911)を見つけ、GT-TSの引継ぎ先を探しているとのこと。
走行距離は既に10万キロを超えていたこともあり、買えない値段じゃなかったので後先を考えずに買ってしまいました。

フェリーの無人車航送で到着した白い車体は水垢にまみれ、ソニーのワンボディオーディオは故障。しかし、4T-GTEUエンジンは丁寧に組み上げられているのか過走行を感じさせません。しかも、ショックアブソーバーは全て交換済み、205/60-15にインチアップされたアドバンHF-Dも9部山で乗り味はシャキッとしていて文句なし!

一度磨きをかけただけで見事に艶を取り戻したボディーは傷や凹みもなく、程度極上で個性的なデザイン。特にちょっぴり吊り目のリヤライト周りが私は好きでした。

このクルマ、限定200台が瞬時に完売とのことで、かつてTSサニーでサーキットを走り、かつ、現役のジャーナリストだった友人も苦労して新車を購入したそう。
そのため、返してと言われたら私の買い値で売り戻す条件付きだったのです。

このセリカGT-TS、一般にはほとんど知られていなかったようで、フルノーマルだったから排気音も静か。あまりジロジロと見られたことはなく、目立たないクルマでした。
まあ、峠に走りに行くと、本物のGT-TSなんですか⁉︎と羨望の眼差しを受けましたけどね。(ノーマルと異なりごくわずかにブリスターの付いた)フロントフェンダーを触りたい、リヤの足回りを見せて、とも言われました。

走りに関しては、ごく普通のスポーティーカーで、別段面白くもなかったけれど、意外に使えるリヤシートをもつ実用車でした。
ただ、ハンドリングは27トレノと比べるとグニャっとした感触がほとんどなく、10年間の進歩を感じましたね。
長距離ドライブにはついぞ一度も連れ出すことのないまま、手放さなくてはなりませんでしたが、はっきり記憶しているのは、リッター10キロ以上は走らなかったこと。

このセリカ、後輩から乗りたいコールが掛かったので、ファーストオーナーから許しをもらって譲渡。わずかふた月の付き合いに終わりましたが、その1年後には程度極上のまま、無事にファーストオーナーの元へと帰って行きました。