Chris Potter (sax,cl)、Adam Rogers (g)、Fima Ephron (b)、Nate Smith (ds)
スティーリー・ダンの「Two Against Nature」を聴いて、ロックでこんな切り口が有るのか!と驚き、ジャズの様々な参加アルバムを聴いて、これはマイケル・ブレッカー亡き後のテナー界のリーダーになり得る逸材と気づき、このリーダーバンドのUndergroundに辿りついた。アルバムも複数枚持ってて好きではあるけど、変拍子が多く、メロディーも難解、おまけにライブアルバムはコンプがかかり過ぎてて、聴いてると結構疲れる。
初の生ライブは楽しみであるけれど、ステーキ2枚はペロッといけるくらいの体力が無いと最後まで聞く事は出来ないだろうな・・と思っていた。 しかし、ライブ当日、二日酔い(正式には3日酔い)で最悪の体調。うう・・最後まで聞けるだろうか。心配。
とはいえ、生音が聴きたいので、5時に店の前に並び、2列目の席をゲット。サックスのベルからおよそ2~3mの距離。試し吹きでプッと吹いたサブトーン気味の音も生音で聞こえる。バッチリじゃん。
演奏が始まった。クリスはとても温かい音で縦横無尽に吹く。バンド全体も低音が少し強調されてるとは言え、非常に聴きやすい音。アルバムの印象と全く違う。アダムはカート・ローゼンウィンケルと同類のギターリストという印象だったけど、フレーズの出だしはアタックが強く、途中ノーピッキングで流したりという独特のアーティキュレーションで、全然違うという事に気が付いた。ネイト・スミスはタイトでヘビーなサウンドをジャズ・セットから叩き出す。ライド・シンバルの上に更に割れたようなシンバルを重ね、独特な音の効果を出していた。演奏中に、ライドから外してクラッシュにそのシンバルを移動させるという早技も見せていた。とにかくグルーブが非常に気持ち良い。変拍子とかそういうのを感じさせない。ベーシストは知らない人で、フィーチャーされる事もなく地味な感じだったけど、バッキングは凄い事やってたし、こういうグルーブ重視のバンドで十分縁の下の力持ち役を担っていた。
クリスはやはり良かった。実は、凄い!とかそういうのを感じさせなかったのが、逆に僕には嬉しかった。ずっとリラックスした感じで、タイトなリズムを出しつつ、それでいて決してストレスフルではなく、変拍子であっても非常に滑らか。変拍子を変拍子に感じさせないのが、やはり一流ですな。盛り上がってからの、超高速フィンガリングは近くで見てても、マトリックスの様に目にも留まらぬ速さ。マイケル以上のテクニシャンじゃないのかと実感した。でも、そういう凄い所を見せつけられても、なんだかこの人、ほんわかしてて嫌味がなくて楽しくなる。人柄なんだろうな。
当初心配していたのがウソの様に、あっという間に5曲の演奏が終わりアンコールにも応えてくれて、楽しく時間が過ぎ去った。予想と違って非常に聴きやすかったのが嬉しかった。それは、それぞれのプレーヤーの生音の良さに起因する。そして、同じミュージシャンとして、「難しい事をやっている」というストレスをお客さんに与えてる様では駄目だなぁと反省。やはり、そこは自分自身がリラックスする・・というのが鍵になりそうだ。
パリでこのバンドを観た僕の生徒さんによると、3000円ほどで2セット見れたらしいが、日本の1セット7000円はちと高いと思うけど、決して損をしたとは思わなかった。2ndも観たかったけどもう7000円払うのは流石に厳しいので泣く泣く帰宅。結局、同行の友、ドラマーの公手徹太郎と江古田で反省会。明け方まで呑んで、丁度2ndセット分を呑み代に使い、只今、軽く二日酔いです。また・・かよ。(笑)
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美しい音楽と美味しいお酒そして愛すべき‥‥ご友人との語らい(^・^)Chu♪
うらやましいです。
よく覚えてないのですが、多分、泥酔して色々爆弾発言をした様な気がします。・・といっても、いつも楽しい酒なんですけどね。(笑)