七福神が乗った宝船の絵を枕の下に入れておくと、良い初夢を見ることができる。
と子供の頃に聞いた記憶があります。
室町時代からの風習のようで、絵には下の和歌を書きます。
なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな
長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな
これは上から読んでも下から読んでも同じ音となる回文で、意味(解釈)は3通りあります。
1.進みゆく船は心地良く波音を立てるので、過ぎ去る刻の数えを忘れてしまい、
ふっと「朝はいつ訪れるのだろう」と想うほど夜の長さを感じた。
2.調子良く進む船が海を蹴立てゆく波の音は、夜が永遠に続いてしまうのではと
思うほど心地よいので、思わず眠りも覚めてしまう。
3.長い世の中の遠い戦いの記憶から皆よ目を覚ましなさい。波に乗っている船に
ぶつかる音の状況はよいのだろうか。
もし悪い夢を見てしまったら、翌朝、宝船の絵を川に流して縁起直しをするのです。