環境教育な日々

環境教育事務所 野の塾工房たまご代表の後藤清史のブログ

3月21日 ウィルダネス ファーストエイド資格講習開催のお知らせ。

2014年03月21日 | 活動


内容  災害時等の野外救護において有効な、ウィルダネスファーストエイド(WFA)
の資格取得講座。この講座は、JR西日本あんしん社会財団から助成を受け、災害時の救護の質を高めることを目的に開催します。WFAは、野外活動などをされる一般やボーイスカウトのリーダーも受講可能なベーシックレベルのコースです。


開催日 4月26日(土)~4月27日(日) 1泊2日
      9時15分受付、9時30分開始予定 
参加費 28,800円(1泊3食含む)
会場  兵庫県立嬉野台生涯学習センター 
    http://www.hyogo-ikigai.jp/ureshino-bo/
対象  18歳以上(一般及び野外活動等の実践者等で、2日間の講座に全て出られる者)
定員  20名(先着順)

主催者 NPO法人体験学習ネットワーク
    http://taiken-net.jimdo.com/
申込  主催者ホームページの「問い合わせフォーム」をお使いください。
    http://taiken-net.jimdo.com/
    ・前泊が必要な方は、主催者にご相談ください。

   ※個人情報は本講座の運営及び、主催NPO法人からのご案内や連絡に利用します。
    
講師
WAF資格 一般社団法人 ウィルダネスメディックアソシエイツ
その他 野の塾工房たまご


■当日の交通手段について
①車は、中国道の東条及び社インターから10分程度です。

②公共交通機関利用の方
講習開催日が土曜日のため、JR社町駅発のセンター行きのバスは運休しています。

JR大阪駅からの高速バス、JR三田駅前からの路線バスの利用で会場に来れます。

 バスはいずれも「神姫交通」で検索できます。
 ※お申込みの皆さまには、会場までの交通を別途ご案内します。

■前泊について
若干名対応可能です。施設内の部屋(男女別相部屋、素泊まり)を押さえています。ご希望の方は、お申し込みの際にお知らせください。費用は参加費とは別に、2500円必要です。
なお、先着順での受け付けのため、申込の時期によっては対応できない場合があります。ご了承ください。
※希望され方は、早めのお申込みをお勧めします。

12月17日 プログラム

2013年12月17日 | 環境教育
インプロについて紹介した本の中にこの様な一文があった。

『「ゲーム」と呼ばれるものの中には、「演じて、ただおかしいもの」と「役者、インプロヴァイザー、表現者としての資質を高めるエキササイズ」が混在している。キース・ジョンストンの深い洞察によって裏打ちされた「インプロ」の哲学や理念をないがしろにしたものや、それらと相反するものが多数ある。自分の資質や生徒の資質を伸ばす努力をする代わりに、ゲーム自体の面白さに頼るインプロのプレーヤーやコーチにとっては、手持ちのゲームを増やすことは救いであり、大きな武器となる。「こんなゲームもあるよ」「こんな面白いのもあるよ」……。「楽しいね。面白いね」で、お茶を濁してしまう。面白おかしいゲームばかり持てはやされて、インプロの奥深くて大事なことは伝わらずに広まっていく。』

そう述べたうえでキース・ジョンストンの『私のワークショップ中、様々なエキササイズ(ゲーム)を熱心に書きとめている人を見かけますが、講師として実際にどう教えているかに気をとめる人はいません。』との言葉を紹介している。
(引用 今井純 2012 「自由になるのは大変なのだ」論創社 東京 P113)

環境教育や学校教育の現場で同じことは起きていないのだろうか?

現場では目先の事につい目が奪われ、本来の目的が見えづらくなるだろう。
そうならないためにもスキルに特化せず目的を明確にした指導者の養成と、指導者のブラッシュアップの機会を提供することも指導者養成を行ってきた者の責務だと思う。





11月1日 体験活動についての研修プログラム

2013年10月31日 | 環境教育


2009年から2012年まで担当した宿泊型自然体験研修(プログラム)の講座内容を当時の受講生に周知したいと思い解説を含め公表する。
この研修では企画及び運営のほか、講師として当日の講義を担当した。但し、2009年と2010年は施設担当者と企画及び当日の運営を共同で行った。2011年と2012年は、運営面での協力を施設に担っていただいた。

一泊二日で実施された研修は、教員志望の学生を対象に約1年間行われるセミナーの1つの講座として計画されたもので、セミナー受講者のみが参加していた。
参加者数は、初年度は100人程度であったが、セミナーの募集人数が毎年増え2012年度は250人規模になっていた。そのこともあり、初年度(2009年)実施プログラムをベースに毎年改良を加え実施していった。

参加者予見:参加者は大学生を主体とした教員志望者、男女混合、クラス編成、クラス単位で行動、既に4回程度受講済み、中学校教員と小学校教員の希望者を区別しクラスを編成。希望別のクラス間の交流は特にない。
      

《2009年》100人参加想定 
ねらい:体験活動における目的の重要性を理解し、適切な活動を選択出来るようになる。
※活動時間を優先し、食事は全部食堂利用とした。 
 1日目 
  午前;宿泊施設入所
     ①アイスブレイク
      活動班決定
   昼食(弁当)
  午後;②自然をテーマにしたポイントハイク
      ハイクでの体験の振り返り…各自の体験を活動班毎に共有する
     ③「自然の言葉」を使った作詩活動及び発表
   夕食(食堂)
     ④1日目の振り返り…活動班単位での振り返り
     ⑤ファイヤー体験…全体の象徴として一体感を演出
     ⑥フリータイム
 
 2日目
  午前;⑦自由参加型早朝プログラム
   朝食(食堂)
     ⑧講義「なぜ、体験活動なのか」
     ⑨宿泊型体験活動の立案
   昼食(食堂)
     ⑩宿泊型体験活動の立案(発表)
     ⑪全日程の振り返り
     ⑫まとめ
     宿泊施設退所


  ①アイスブレイク(緊張ほぐし活動):主体的な参加を促すと共にクラス所属意識を解体し、個としての交流を促す。また、全体としての場の共有意識を持つ。志望教員にこだわらない班員の構成を作る。
   クラス⇒個⇒個が集合した全体⇒個が所属するグループ(活動班)

  ②自然をテーマにしたポイントハイク:自然体験型プログラムの体験を通じ、グループ行動や五感による認知を体験する。また、「問い」により自然への興味を引き出すと共に、自然体験プログラムの教科と関連した展開を提案。また、ハイクで行動を共にした班単位で個の体験を振り返ることにより、個々の経験(視点)の違いについて体験的に学ぶ。

  ③「自然の言葉」による作詩体験:振り返り活動のバリエーションとして、また、グループワークとしての教科の活用提案。他班との体験の共有。
   班活動⇒全体の活動へ

  ④1日目の振り返り:他者の視点(体験や考えなど)を通じて自己の体験を見つめるとともに、個としての交流を促す。

  ⑤ファイヤー体験:全体の象徴としての炎を体験する。セレモニーとしてのファイヤーの活用を提案。
   全体⇒分散⇒集合(全体)

  ⑥フリータイム:交流、生活時間として設定した。しかし、セミナーでのクラスのホームルームとして使用された。

  
  ⑦自由参加型プログラム:任意に提案されたプログラムに参加者が集まり展開される予定であった。しかし、クラス活動として予定されていたものが実施された。

  ⑧講義「なぜ、体験活動か」:体験活動の意義や体験学習法について解説。

  ⑨⑩宿泊型体験活動の立案:宿泊プログラムの立案を通じ、グループワークとして個々の資質を高めると共に、活動における目的や各アクティビティーの繋がりの重要性に気づく。

  ⑪全日程の振り返り:内省と共有により、他者の視点から学ぶ体験。

  ⑫まとめ:活動班の解体及び、質疑応答。



《2010年》150人想定
ねらい:体験活動における目的の重要性を理解し、適切な活動を選択出来るようになる。
※主催者及び施設希望による野外炊飯体験と施設希望によるキャンプファイヤー体験が導入されたことにより、プログラムの改訂を実施。
 1日目
  午前;宿泊施設入所
     ①アイスブレイク
      活動班決定
   昼食(弁当)
  午後;②自然をテーマにしたポイントハイク
      「自然の言葉」を使った作詩活動を簡略化
     ③活動班での野外炊飯
   夕食(自炊)
     ④キャンプファイヤー体験
     ⑤フリータイム
 
 2日目
  午前;
   朝食(食堂)
     ⑥講義「なぜ、体験活動か」
     ⑦宿泊型体験活動の立案
   昼食(食堂)
     ⑧宿泊型体験活動の立案(発表)
     ⑨全日程の振り返り
     ⑩まとめ
     宿泊施設退所


  ②自然をテーマにしたポイントハイク:「自然の言葉」を使った作詩活動を簡略化すると共に発表方法を全体的な方法に変更して実施。

  ③活動班での野外炊事:調理及び食事によるメンバー間の交流。薪による野外炊飯体験。

  ④キャンプファイヤー体験:キャンプファイヤーの点火法による演出や炎を活用した非日常の演出方法を提案。また、場の象徴としての炎を体験。

  ⑤フリータイム:個の振り返り、生活時間として再度設定した。しかし、この年もクラスのホームルームとして使用された。

  ⑧宿泊型体験活動の立案(発表):発表方法を全体的な方法に変更して実施する予定であったが、共同運営者からの提案により2グループに分けて同時進行で発表。



《2011年》200人想定
ねらい:体験活動の意義を理化し、目的をもって体験活動に取り組む姿勢を養う。
※大人数化への対応するため、プログラムを改訂。
 1日目
  午前;宿泊施設入所
     ①全体でのアイスブレイク
      ※活動班決定
   昼食(弁当)
  午後;②自然をテーマにしたポイントハイク
      ハイクでの体験の共有
     ③活動班での野外炊飯
   夕食(自炊)
     ④1日目の振り返り
     ⑤クラス活動
 
 2日目
  午前;
   朝食(食堂)
     ⑥講義「なぜ、体験活動か」
     ⑦GW「体験活動で大切にしたいこと」
   昼食(食堂)
     ⑧全日程の振り返り
     ⑨まとめ
     宿泊施設退所


  ①アイスブレイク:過去の実施内容に比べ、主体的な参加を促す内容に変更。

  ②自然をテーマにしたポイントハイク:体験学習のプロセスを体験するように変更。

  ③活動班での野外炊飯:プログラム対応のリーダーが、プログラムに専念できるように施設に依頼。

  ④1日目の振り返り:キャンドルの炎を使用し、班ごとに実施。

  ⑤クラス活動:フリータイムを要望の強いクラス活動の時間として設定変更を行った。
  
  ⑥講義「なぜ、体験活動か」:コミュニケーション教育の手段として体験活動に触れると共に、環境教育の基礎養成についての解説を加えた。

  ⑦GW「体験活動で大切にしたいこと」:それぞれの体験活動への思いを意見交流を通じて整理すると共に、意見集約の方法としてワールドカフェの活用法を紹介しt。



《2012年》250人想定
ねらい:体験活動の意義を理化し、目的をもって体験活動に取り組む姿勢を養う。
※大人数対応に、プログラムを改訂。体験活動を使用したコミュニケーション教育の提案。
 1日目
  午前;宿泊施設入所
     ①全体でのアイスブレイク
      活動班決定
   昼食(弁当)
  午後;②自然をテーマにしたポイントハイク
     ③GW「チームで大切にしたい事は」
     ④活動班での野外炊飯
   夕食(自炊)
     ⑤1日目の振り返り
     ⑥クラス活動
 
 2日目
  午前;
   朝食(食堂)
     ⑦講義「なぜ、体験活動か」
     ⑧GW「体験活動で大切にしたいこと」
   昼食(食堂)
     ⑨全日程の振り返り
     ⑩まとめ
     宿泊施設退所


  ①アイスブレイク:緊張解しと主体的な参加を促す事を主眼として実施。

  ②自然をテーマにしたポイントハイク:コミュニケーションツールとしての活動を提案。関わりについての「問い」を付加。

  ③GW「チームで大切にしたい事は」:コミュニケーション教育の体験。それぞれの思いを持ち寄り、2日間活動を共にする班のポリシーを決定。ルール決による居場所づくりの体験として。

  ⑤一日目の振り返り:初年度と同様にファイヤーの炎を分化し、小さな炎と移動しての班毎の振り返りを実施。その後、合図とともにファイヤーのもとにもどるセレモニーとしての動きを紹介。
   全体の体験⇒分化⇒全体の経験へ(集合)

以上が、昨年まで関わった教員志望者対象のセミナーで提供した体験活動についての講座プログラムです。
ここでは、何故そのアクティビティなのかを大まかに述べただけです。
プログラム運営中には、参加者の様々な動きがありました。
活動班を決める際に意図的にクラスで集まる者、その結果他クラスの所属者が1、2名班員となった事がありました。セミナーの担当職員からはアイスブレイクを使用した班分けの限界ではと指摘が…、果たしてそうだろうか?
この班に起きたことは、日常の学校でも起こりえると思う。また、そのようなメンバー構成でのチームビルドについて学ぶ良い機会を彼らは得たのでは無いだろうか。

また、2012年度の一日目の振り返りの際、集合の合図を遠吠えで行いました。私の遠吠えの後に各班から帰ってくる遠吠え。どうだったでしょうか?
学校では合図によく笛(警笛)が使われますが、人を指図する音色があの場に合うかどうか。セミナー担当の職員の方々は戸惑ってられた様ですが、私からの真面目な提案でした。
その後のファイヤーでの「待ち」も同じです。
まだまだ学校教育の現場では理解されがたい運営方法かもですが、何時の日か参考にして頂ければ幸いです。
皆さんの体験活動が、より良いプログラムになることを願っています。



5月22日 国際生物多様性の日

2013年05月26日 | 日記
国際生物多様性の日

見た目の多様性と、見えない多様性
見た目の多様性を維持するだけでは、見えない多様性を守ることはできない
見えない多様性の質を守ること、それが持続性可能性を維持することにつながる



我々は、木が生きる森があってこそ木を使うことができる
木々が生きる森はだれも育てていない
雨、風、光、土、その他の生き物たち
自然の恵みを得て森は生きる

我々が木々を植えたとしても、それは同じこと
我々の力だけでは生かし成長させることはできない

自然に対して謙虚に生きる
自然を意識して生活する

目に見えない持続可能性を維持するために
「ライフスタイル」と違う、「なにか」の変更を求められている
この「なにか」とは、既存の「ライフスタイル」を形成する哲学や倫理観などを含む「ライフリテラシー」とでも呼ばれるものかもしれない

2月28日 「日本は広い」から考えたこと

2013年03月01日 | 環境教育


突発的な仕事依頼があり、各地の調査に参加。
各地で実際に体験した気象のなかで写した写真です。
現地にはそれぞれの気候があり、風土があることを改めて感じてきました。

ネットが発達し、各地の様子などを簡単に見ることができます。
音、風景、そこでの暮らしなどをモニターを通じて見る。
自分が今、実感している環境とは違う世界を。
学校等の教育現場で調べ物学習が、学習者の主体的な学びに繋がるとして進められています。
そうした学習で、多用されるネットでの調べ物。
詳しい解説や現実感のある映像。
本当にそれは知ったことになるのだろうか?
「百聞は一見にしかず」
昔の人が作った、百回聴くことよりも一回の体験を進める言葉。
ネットは、現在の百聞なのかもしれない。


応用力。
実際に経験したことを他の事に活用できる力。
当たり前のことだが、応用力を得るためには基礎となる経験が必要になる。
経験があるからこそ、応用できるのだとしたら。

なのに、様々な経験を学習者にさせてこなかったとしたら。
そこに基礎となる経験(力)はあるのだろうか?
経験のない物事をネットで調べるだけの学習…本当にそれでいいの?

なぜ、そのような事が起きるのだろう。
もしかしたら、目的が明確でないのが原因もしれない。
なぜ、それを学ばせるのか?
なぜ、今その取り組みを進めているのか?
どの様にすれば、知ることに少しでも近づくことができるのか?

バーチャルでなく、シミュレーション。
疑似的な体験ではなく、模擬としての体験(基礎となる経験)が必要なのでは。
我々大人が簡素化し、効率化してきた社会とは違った発想が必要なのだろう。
乳児期から少年期に至る、経験がもっとも重要な意味を持つ世代に、しっかりとその機会を設定してきただろうか?
また、我々自身の経験を積む機会を失ってはいないか。

我々が効率化のために排除してきた「無用」と思えること。
そこにあった「無用の用」を取り戻すことから始めないといけないのだと思う。


最後に、この文章を書いていて思ったことは、「だから体験学習」、「だからコミュニケーション教育」、「だから森の幼稚園」の展開なんだということ。
トータルとして「だから、生きる力を育む教育が求められている」のだと。
環境教育に代表される持続可能性の教育。
その基礎として、実感力を持った人材の育成がまさに必要とされていると。