環境教育な日々

環境教育事務所 野の塾工房たまご代表の後藤清史のブログ

8月27日 獣害と外来生物

2011年08月27日 | 環境教育
東京で開催された獣害のシンポジウムに参加してきました。
獣害をもたらす害獣は、毎年駆除されています。
駆除された害獣の肉を有効に活用し、地域振興に生かしたい。有効活用することで積極的な駆除を進めたい。
そんな発想からこのシンポジウムでは、今流行のジビエを題材に肉の活用とブランド化をエコツアーで応援しようと開催されました。
自然と向き合うことや地産池消、過疎地の問題などが話題に上がりました。

獣害って何?
獣害とは、野生動物によってもたらされる農作物等への被害のことです。
被害をもたらす野生動物を害獣と呼びます。
獣害が増えた(広がった)原因は様々です。
単に野生動物の個体数が増えたからというだけではありません。

害獣と一言でくくられることが多いですが、野生動物=害獣ではありません。
害獣とは、被害をあたえた動物の種類をさすだけです。
本来ならば被害を出す個体や群れが問題なのですが、獣害対策の場合は対野生動物で語られることが多いのが現状です。
獣害対策でよく感じるのは、局所的対応が多く根本的な解決に向いていかないジレンマです。

外来の野生動物への対応にも同様のことが言えます。
野生動物という以外一般には知識がなく、イメージが先行していることです。
そのため、根本的な解決に取り組む機運が盛り上がらず局所的対応にとどまりやすい。

獣害や外来生物など生物によってもたらされる問題について考えるとき、その害だけを見つめるのでなく、害獣や外来生物と呼ばれる生き物について、日本の自然やその現状について知ることは決して無駄ではありません。


河川に合った外来生物の足跡





8月22日 公園運営管理のヒント

2011年08月22日 | 環境教育
5年間携わった公園運営管理。
そこそこのノウハウを培うことが出来た。
持ち腐ってもということで、ヒント的に一部を公開していきます。

現在、公園の運営管理は今までにないほどに総合化しています。
また、指定管理者制度のもとで行政からは提案型の管理が求められています。
そのような状況の中、公園を管理するためには様々な情報を各階層ごとに整理し、必要に合わせ情報や管理手法などを組み合わせていく必要があります。

①公園の良いところを探す「ココが好きまっぷ」の作成

②来園者の利用形態別の「ゾーニングの把握」

③公園での生き物の生息に関する「生き物まっぷ」の作成

なぜ行うと良いかということは、今回は割愛します。
あくまでヒントとして皆さんの現場に合わせて活用してください。

色々な制約はあるかと思いますが、スタンダードな管理を少し離れて運営管理を楽しみませんか?







8月18日 虫プログラム

2011年08月20日 | 環境教育
先週に続き宮城県を訪問し、キャンプ中のプログラムを手伝ってきた。
テーマは、『昆虫の身体や生態に興味を持つ』こと
でも、そんな難しいことは子どもたちには関係ない。いかに楽しみながら気づいてもらうかが勝負。

先ずは実際の生き物を見に行く前に、観るための準備。
生憎の雨模様の天気だったが子どもたちの期待は増す。
取り敢えず昆虫の絵を書いてもらう。是は実際の生き物と見比べてもらうための布石。
屋外にでて、意識して観るために「探して観る」プログラムを先ずは体験。
詳細は内緒です。要は、自分で探す、何気に見逃さない姿勢を見につける。
その後、場所を移して待望の虫探しを行いました。

写真は、虫探しエリアに入り、今か今かと待っている子供たちです。


この後、班に分かれて25分程度の虫探しを実施。
我を忘れて捕獲に夢中になる子もあれば、見つけることに特化する子、虫が嫌いなはずなのにカブトムシを捕まえたいと頑張る子など、普段は違う一面を出す子どもたちが多かったのではと思います。
我々大人は知らないうちに、「この子は何々が嫌いだ」とかレッテルを張っているのかもしれないと改めて気づかされました。

捕まえた虫たちは、学習ルームに持ち帰り、先ほどの絵と比べられます。違いに気づく子もいれば、カブトムシに夢中の子など色々です。
体のつくりだけでなく、感触や匂いなども夏休みの思い出とともに記憶に留めてくれることを期待して、プログラムは終了しました。
捕獲した虫はプログラム後にリリース。

かごの中で死んでしまっている虫もおり、そうしたこと(命ある生き物)にも目を向けさせれれば良かったなぁと少し考えさせられました。
たった2時間のプログラムですが、楽しいだけで終わらないプログラム。
正直なところ、まとめをもう少し大切にしたかったと…。
とはいえ、私自身は今回もプログラム運営というよりも、プログラム中の安全管理と行程管理がメインの役割になっていた。
スタッフ全員が同じように振舞っていても適材適所は自然発生するようです。

指導者が違えば流儀も違う。
個々の指導者が集まってするプログラム運営の難しさと面白さを久々に体験。
ひとつのプログラムの運営を仲間で行う場は、色々なことを学ぶ良い機会となりました。

虫プログラムは単なるプログラムでなく、虫好きに取っては熱く語れるものがあることを発見した1日でした。





8月14日 教育キャンプ場って

2011年08月14日 | 日記
先日、東北の公園に併設されたキャンプ場まで環境教育プログラムの運営の手伝いに行ってきた。
各エリアがものすごく広々しており、サイトも隣を気にする必要などないほどであった。
また、コテージも長期滞在に耐えれるだけの設備があり、施設間の距離も驚くほど広かった。
それ以上に驚いたのは、無料で利用できる温泉の入浴施設を持っていることだった。
屋外のトイレも驚くほど綺麗で、各所に設置されていた。
しかし、何かが気になる。

調理棟や炊事棟はあるのだが、食事棟がない。コテージや各テントに移動して食べろということか?
その為か、殆んど利用している人がいない。
これでは、食事作りをメインにしたプログラムの運営が難しい。
学習棟は、コテージエリアに一つのみ。ビジター棟にもレクチャー室が1つあるのだが…。
ビジター棟(管理棟)には、簡易コンビ二が開設され、現地スタッフは来園者対応の合間にレジ打ちをし、利用者へのサイト使用の説明や貸し出し物を渡していた。
スタッフの絶対数が足りていないことが直ぐに見えた。
この少ない人数で、サイト内の見周り、トラブル対応、退所後の清掃、日常管理、利用者教育までをこなしている。
俄かには信じられない体制。
公園自体は、別に管理センターを持ち全体管理を行っている。

是だけの規模と設備があるのに教育施設として機能している様子はない。
文科省が管轄する野外教育施設(自然の家)等とのすみわけを図っているのかとさえ思えてしまう。
本当にもったいない。スタッフが足りない上に学習施設が機能していない。
既存のスタッフも運営が先にたち、プログラムまで手が出ないのでは。
身なりや立ち居振る舞いまで気が回っていないのではないかとさえ思える。
決して悪い人たちではない。ステイタスのある職場にするだけでスタッフが変わることもあるのだが、現状ではただの管理人と化している。
運営者サイドが、場所の持つ価値(魅力)と現地スタッフの個人的資質に頼っていないか、リピーター率やリピーターが何を求めて再訪しているのか調査しているのか気になる。

教育施設として機能していない根本的な原因は、設計段階から考慮と融合が図られていないというのが正直なところ。
複合商業施設のような人を意識したトータルでのデザインが欠落している。勿論、スタッフへの配慮も。
ゾーニングは確りされているのだが…、区別のためのゾーニングとしか言いようがない。

キャンプ場に教育機能が求められるのは想定外?
ハードはなくてもソフトだけでも機能させれれば、公園価値はぐっと上がると思うのだが…



まずは、企業研修などから如何でしょうか。





8月13日 河川での生物調査

2011年08月13日 | 日記
1級河川の生物調査に参加

水生生物、特に魚類を中心に捕獲による調査を実施してきた
自分たちが小さいときから慣れ親しんできた川だが実際は余り知らない。
子どものころのイメージは決して良いものではなく、結構汚い川だった記憶がある

今回、首までどっぷり漬かって非日常的な視点から川を眺めてみると、決して綺麗とはいえない環境を拠りどころに、多くの動物たちが生息している姿が浮かび上がってきた。