環境教育な日々

環境教育事務所 野の塾工房たまご代表の後藤清史のブログ

2月28日 「日本は広い」から考えたこと

2013年03月01日 | 環境教育


突発的な仕事依頼があり、各地の調査に参加。
各地で実際に体験した気象のなかで写した写真です。
現地にはそれぞれの気候があり、風土があることを改めて感じてきました。

ネットが発達し、各地の様子などを簡単に見ることができます。
音、風景、そこでの暮らしなどをモニターを通じて見る。
自分が今、実感している環境とは違う世界を。
学校等の教育現場で調べ物学習が、学習者の主体的な学びに繋がるとして進められています。
そうした学習で、多用されるネットでの調べ物。
詳しい解説や現実感のある映像。
本当にそれは知ったことになるのだろうか?
「百聞は一見にしかず」
昔の人が作った、百回聴くことよりも一回の体験を進める言葉。
ネットは、現在の百聞なのかもしれない。


応用力。
実際に経験したことを他の事に活用できる力。
当たり前のことだが、応用力を得るためには基礎となる経験が必要になる。
経験があるからこそ、応用できるのだとしたら。

なのに、様々な経験を学習者にさせてこなかったとしたら。
そこに基礎となる経験(力)はあるのだろうか?
経験のない物事をネットで調べるだけの学習…本当にそれでいいの?

なぜ、そのような事が起きるのだろう。
もしかしたら、目的が明確でないのが原因もしれない。
なぜ、それを学ばせるのか?
なぜ、今その取り組みを進めているのか?
どの様にすれば、知ることに少しでも近づくことができるのか?

バーチャルでなく、シミュレーション。
疑似的な体験ではなく、模擬としての体験(基礎となる経験)が必要なのでは。
我々大人が簡素化し、効率化してきた社会とは違った発想が必要なのだろう。
乳児期から少年期に至る、経験がもっとも重要な意味を持つ世代に、しっかりとその機会を設定してきただろうか?
また、我々自身の経験を積む機会を失ってはいないか。

我々が効率化のために排除してきた「無用」と思えること。
そこにあった「無用の用」を取り戻すことから始めないといけないのだと思う。


最後に、この文章を書いていて思ったことは、「だから体験学習」、「だからコミュニケーション教育」、「だから森の幼稚園」の展開なんだということ。
トータルとして「だから、生きる力を育む教育が求められている」のだと。
環境教育に代表される持続可能性の教育。
その基礎として、実感力を持った人材の育成がまさに必要とされていると。



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