上方落語復興の成り立ちは「桂米朝集成」4巻に収録されている。頭でなく胃袋から落語をとらえる上方落語。抱腹絶倒の「地獄八景亡者戯」などなんど聴いても読んでも面白い。上方文化の生き字引の人だった。俳人でもあった。「桂米朝集成第三巻」に、こんなくだりがある。「よくいわれることですが、大阪は安いものをうまく食べる工夫をするんですね。コロもそうですが新世界のどて焼き。牛肉のかみきれない堅いスジ肉のところを三つほど串に刺しまして、白味噌で五時間ほどかけて煮込むんです。これがトロトロにやわらかくなったときのうまさといったら、こたえられません」。「大阪では、安くてうまい食べ物屋は絶対にあります」。どこかのおんな先生とはことばの重みが違う。
きょうは千里俳句クラブの3月例会。毎回のように新入会員で賑わっている。きょうも女性お二人入会。これも、新進気鋭の講師・花谷清先生に与るところ大。わが輩は心太のごとく抜け出るのがよさそうだ。それはともかく、花谷先生のきょうの入選句を記そう。
金太郎ぞろぞろ顔を出す日永 H
古今読まな寄席にも行かな春の宵 N
一生を一本の川上り鮎 T
鳥雲になじみの本屋解体中 M
刃こぼれの出刃包丁や光悦忌 F
制服の採寸の列つばくらめ H
Hさんの2句は愚老も選句に頂いた。「うまいっ」思わず唸った。2句目は米朝師を連想したがやや理屈の句ではないか。3句目もやはりリアリティに欠ける理屈の句と思う。
わが輩の、東風吹くやぺペロンチーノのできあがり/梅の香やすやすや眠るバギーの子/はらはらと散りゆく梅の大樹かなの3句とも無得点。
わずかに「日は昇る雨後の葉牡丹塔立てて」に1点を頂戴した。自分ではどうでもいいと思っていた句に点が入ると可愛くなるね。写真上=服部緑地公園の梅林、下=桃山公園のデージーとパンジー。
桂米朝師逝く
はらはらと散りゆく梅の大樹かな 昇龍子
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ノーやん
fm
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