先週末は、TVで、欧州陸上競技選手権を観て過ごした。
ただし、室内競技である。ポーランドのTorunから。私、陸上競技は非常に好きであるが、このコロナ菌蔓延のため、久しく観ていなかったから、尚のこと。
お目当は、男子の棒高跳び。特にスエーデンの怪童、Armand 'Mondo’ Duplantis を観たかった。
彼、何と若冠21歳で、世界記録を持っている。6m18。
この怪童、スエーデン国籍であるが、生まれはアメリカのルイジアナ。
アメリカ人のお父さん(Greg)も、棒高跳び選手、5m80の記録を持っておられる。そして、スエーデン人の お母さん(Helena)は、元々7種競技の選手で、他に、Volley Ballもよくされたという。
このように、Mondoくん、運動選手としては、この上もない優秀な血を受け継いだ青年である。小さい時は、この子、スポーツなら何でも手がけたそうで、野球もその一つですって。
棒高跳び男子の、世界記録変遷を見ていくと面白い。
近年では、セルゲイブブカ(Sergey Bubka、ウクライナ)。彼は、世界記録を, 5m85で初めて樹立。その後、其れを最終的に6m14まで伸ばした。特に、6mの壁を破ると、その後、バーを1cmずつ上げて、世界記録を更新、巨額の賞金をその都度、手にしていたのは、有名な話である。
ブブカのその記録を破ったのは、フランス人のルノーラヴィルリェ(Renaud Lavillerie)。ウクライナのドネツクというところで行われた室内大会で、彼、記録を6m16まであげた。私、それをTVで観たが、実に綺麗な跳躍であったことを覚えている。しかも、それは、ブブカさんの出身地とあって、ブブカさん、それをじかに目撃されている。どんな気持ちであったであろうか。
唯、このフランス人、オリンピックには比較的弱く、ロンドンで一度だけ。今は、彼の弟が後を継いでいる。
フランスというのは、このラヴィルリェに限らず、ブブカの前にも、優秀な棒高跳び選手を多く輩出している。どういう因果関係があるのか知らない。
(余談ながら、Mondo君の父Gregさん一族の系統は、Cajunといい、それは、昔、フランスからアメリカに移り、南部ルイジアナ、テキサスあたりに定住した人たちの呼称である。ルイジアナは有名なニューオーリンズがあるところ)
然ししかし、この6m16を、昨年、20歳の青年が簡単に破ってしまった。上記のMondo Duplantisである。それも2度にわたって、短期間にヨーロッパの室内競技会で。
彼の跳ぶところを観ると、いとも簡単にバーを大きくクリアするので、実に気持ちがいい。ラヴィルリェとは、だいぶ違う。
(陸上競技、同じ種目でも、普通、室内と屋外では記録が異なる。一般的には、屋外で出された記録の方が、室内のそれよりいい。従って、室内と屋外を分けて考える。しかし、この棒高跳びだけは例外で、室内の方が記録がいいのだそうである。それで、この種目では、どこで出された記録でも、平等に扱われる。)
そして、先週末の室内欧州選手権。
Mondo君、優勝は簡単にできた。その後、6m18の自己最高記録を1cm伸ばすべく、6m19に挑戦したが、残念ながら記録更新はならなかった。
最後に。
先週末のこの室内選手権、陸上競技を観るのは久しぶりだったので、ことさら感慨深かった。
しかし、その時、選手のインタビューなどで、「Tokyo」という言葉をなんども耳にした。そして、その時、選手の目は、生き生きと輝いていた。
しかし、それと一緒に「もし(オリンピックがあれば)」とか「、、、の場合には」とかいう、仮定の言葉は一言も聞かれなかった。
選手の気持ちは、もうTokyoに飛んでいる。それにむけて、猛練習をしている。
日本の皆様、どうぞ、準備おさおさ、怠りなく。
一緒に、Mondo Duplentis 君の、華麗な跳躍を、TVで観ましょうよ。私はロンドンで観ます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます