日々感ずることを、徒然に書いています。ご笑覧あれかし。

言葉というもの、非常に興味があります。

日本庭園

2021-10-08 21:24:03 | 日記

 

先週10月2日の土曜日、英国はケンブリッヂの近くまで電車で行った。
 
そこに、日本の酒造会社があり、その会社が、「酒フェスティバル」と銘打って、何か日本の催しものをするという。なんでもこれが初回で、今後年中行事になるそうな。
 
英国で、日本の催しものといえば、大抵相場が決まっている。曰く、お茶のお点前、合気道や剣道の実演、お花、、。
 
それらは、日本人ならば、ふつう誰でも知っているようなことばかり。
 
ただ、そんな珍しくもない会に、態々ケンブリッヂくんだりまで行く気になったのには、他ならぬ理由があった。
 
お茶のお点前をご披露くださる方が、昔、よく往き来していた知人で、もう4半世紀ばかりも音信不通であったから、無性に会いたくなったのである。
 
ただし、日本人ではない。英国生れのイタリア人、ピーターさん、69歳。
 
生憎、この日は天気が非常に悪かった。そして、寒い。
 
ピーターさんはすぐに見つかった。もちろん、もう30年近く会っていないのであるから、お顔もお姿もだいぶ違う。ただ、このように、お茶の先生をしておられるわけだから、話し方は悠然。立ち居振る舞いも、美しい。上質の着物は利休鼠、その上に黒の羽織。もちろん、白足袋に草履。すべて日本から取り寄せられたものだとか。
 
とにかく貫禄がある。悪天候をついて、態々こんな遠くにまで来た甲斐があったというもの。
 
これから、旧交を取り戻そうと願っている。彼の目に、私がどう映ったかは、私の知るところではないが、そんなに悪くはなかったのではないであろうか。
 
ピーターさんがご披露されたお点前は、そこにお茶室があるわけではないから、椅子に座っての立礼(りゅうれい)。
 
実に綺麗、美しかった。裏千家。
 
そのお点前は、小屋のようなところでご披露された。彼のケンブリッヂのお宅に伺えば、お茶室があり、炉が切ってあるのであろうか。
 
その小屋の前に、庭があった。
 
「日本庭園」と謳っている。というわけで、兼ねて、見るのを、心待ちにしていた。
 
しかし、見てびっくり。日本庭園とは名ばかりで、似て非なるもの。がっかりした。
 
なるほど、池があり、それに橋がかかり、岩があり、木が植わっている。でも、それだけ。何にも感じなかった。
 
表面的には日本庭園みたいに見えるが、肝心の「魂」がない、英語で言うところの、Soul。
 
日本のいいお庭を見ると、お庭というだけでなく、何か、そこに、深く感じさせるものがあると思う。いつまで、それを眺めていても飽きるところがない。
 
それが、このお庭には、致命的に、欠如していたのである。
 
こんなのなら、我が家のお庭の方が、よっぽど「日本庭園」的だわ、。
 
小さくて、池も岩もないけれど、いつまでそこにいても、飽きないもの。
 
私の家の前に空地がある。そこに洒落た灌木を何本か植えてみようと思っている。


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