大津市を舞台にした連作短編集「成瀬は天下を取りにいく」で今年の本屋大賞を受賞した大津市在住の作家宮島未奈さんが4月18日、三日月大造知事、佐藤健司大津市長と面会した。
作中で主人公の成瀬あかりがM―1グランプリを目指して結成するお笑いコンビ「ゼゼカラ」のユニホームを着て登場。「トロフィーを持って滋賀に帰って参りました」などと、笑顔で受賞報告した。
↑写真 中日新聞より
滋賀県公館で三日月知事と対面した宮島さんは「本屋大賞が取れたのは、成瀬あかりの存在に加えて、滋賀県の皆さんが応援してくださったから」と感謝。三日月知事が「映像化も楽しみ」と水を向けると、宮島さんは「まだはっきりとしたことはいえないが、ゆくゆくはそういうこともあるのかなと思う」と含みを持たせた。
三日月知事は「西武大津店閉店など、地方都市の課題が盛り込まれた点も共感を得ているのでは。地方から大いに盛り上げていきたい」と話した。宮島さんには、琵琶湖産真珠のピンバッジや、大好きだという「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」キャラクターのチャッフィー、そのコンビのキャッフィーのぬいぐるみを贈った。終了後の取材で、宮島さんは「本屋大賞を取った作家はずっと本屋大賞作家と呼ばれる。その看板を大事にしたい」と語った。
↑写真 中日新聞より
大津市役所では、佐藤市長や、成瀬が続編で務める「びわ湖大津観光大使」の現役2人と面会。作中には琵琶湖の観光船「ミシガン」や競技かるたの聖地である近江神宮が登場することから「成瀬で大津の良さを再確認してもらえた。日々当たり前にあるものが特別に見える小説になったと思う」と話した。続編に登場する市観光キャラクター「おおつ光ルくん」が描かれたトートバッグを持ち歩いていることも紹介した。
宮島さんが書店手作りの「大使」のたすきを愛用していることを受け、佐藤市長が本物のたすきを贈呈。「大津のさまざまな場所を取り上げてもらい、市外の人が知るきっかけになっている。これからもお力添えをもらいたい」と述べた。
「成瀬は天下を取りにいく」の発行部数は現在48万5千部、続編の「成瀬は信じた道をいく」は15万部。3作目は、大学生の成瀬を中心とした物語になるという。
<中日新聞より>