「甲賀市信楽町」は日本六古窯にも数えられる焼き物の産地。鎌倉中期から今日までの長きにわたり、「信楽焼」の産地として陶器づくりが続けられてきた。
山間部に位置するその信楽と麓の町を、小さな列車が結ぶ。JR草津線、そして近江鉄道との接続駅である貴生川駅(甲賀市市水口町虫生野)から信楽を結ぶ、延長14・7kmの第3セクター鉄道「信楽高原鉄道」だ。
地元に住む人々や、学生、そして信楽を訪れる観光のお客さまを乗せ、山深い急勾配を走る。その車窓では四季折々の草木が見られ、素朴で美しい自然が人々の心を和ませてくれる。冬の車窓は葉を落とした木々が墨絵のように重なり合う。
年の瀬を前に、信楽の町にも本格的な冬がやってきた。信楽町は降雪は少ないものの、滋賀県内でも特に寒さの厳しい地域だ。列車はそんな寒さをものともせずに、冬の澄んだ空気に汽笛を響かせ、毎日休むことなく運行する。勿論、年末年始も、いつもと変わらない時間を走っている。寒いホームで列車を待つ乗客を、暖かな車内に向かえ入れ、心にほっと安らぎを与える。ついウトウトと目をつぶると駅に到着して運転士さんに優しく起こしてもらうなんてことも。ゆったりとした時間を楽しみながら、24分間の鉄道の旅を楽しんでみませんか。
小さな鉄道ならではの企画切符やグッズも販売されている。この季節は毎年干支の陶人形と、大人と子どもの往復切符がセットになった「干支切符」を販売している。陶人形は地元の福祉施設で作られたもの。2025年の「巳(み)」と鉄道の車両をあしらった手のひらサイズの置物だ。鉄道の旅の記念にお一つ如何だろうか。可愛い縁起物と共に、新しい年のお迎えを願う。
ローカル線ならではの魅力がたっぷりの「信楽高原鉄道」に乗って冬の信楽へ、どうぞお越しくださいと信楽町観光協会は述べている。
<記事・写真: 中日新聞より>
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