limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

DB 外伝 マイちゃんの記憶 ⑨

2018年11月21日 14時09分57秒 | 日記
「マズイ!どう考えても無理!悪いけどバケツ直行!」次々とバケツに残飯が溜まって行く。病院食はどこでもそうだが、基本的に“マズイ”ものだ。得体の知れない魚の切り身や味のしない煮物、焼き物などが来る日も来る日出て来るのだ。掲示板の献立表を見る度に、みんなため息を付いて売店へ走るのが日常の光景だった。そんな中、私は「出されたモノは極力食べる」事をモットーとしていた。さすがに、納豆は無理だったが“もっと酷い目”を経験していたからだ。「良く食べれるわねー!こんなの食事じゃないのに!」Aさんが目を丸くして言う。「それ、食べないなら引き受けるよ。味はともかく、食べられるだけマシだからね!」今日も私は“しっかり食べていた”。「納豆がダメなのは知ってるけど、基本的に〇ッシーは残さないよね?」「家では、余程マズイ料理食べてるのかしら?」マイちゃんもOちゃんも首を捻る。「いや、母親の料理は数段どころか、かなり上を行ってるよ。まあ、“あの半年”が無かったら、僕も平気で残飯にしてるだろうけどね!」「“あの半年”ってなによ?」Aさんが突っ込んで来る。「会社で、半年間も“鹿児島に釘付け”にされた事だよ」片付けを始めつつ返すと「鹿児島なんて“美味いものだけ”じゃない!なんでそれが関係する訳?」と不思議そうに言う。「確かに、黒豚・豚骨・魚なんかは美味かったよ。それは否定しない。でもね、調味料と水がダメだったんだよ。素材は良くてもベースがマズイと美味さは感じなくない?」私がそう返すと「なにか、深い訳がありそう。〇ッシー、話してくれない?」Oちゃんからオーダーが入った。「あたしも興味が湧いて来た!今日のお題はそれにしない?」マイちゃんも聞きたそうだ。「“鹿児島配流事件”か?もう、かれこれ10年は経つな。そろそろ“時効”も成立してるだろうし、話してもいいよ」「なにか深刻なウラがありそうね。検温が終わったら集まるから聞かせてよ!」「ああ、分かった。久しぶりに思い出して見るか!」こうして本日のお題は“鹿児島配流事件”に決まった。あの頃出逢った“薩摩おごじょ”達は元気だろうか?そんな思いをふと巡らせて、検温を待った。

私の“鹿児島配流事件”の背景には“αショック”が深く関わっている。業界初の「AF1眼レフ、ミノルタα7000」は、メーカーも驚く大ヒット商品となり、MF一眼レフしか持っていなかった我社は大打撃を被った。当然、追随する商品の企画、設計は急ピッチで進められたが、どんなに急いでも半年はかかる事が明らかになり、工場として「余剰人員をどうするか?」が喫緊の課題となった。その時、鹿児島の国分工場は、深刻な人手不足に悩まされていた。そこで両工場の思惑が一致して、150名が南の果てへ派遣される事が決まったのだ。50名づつ3隊の“遠征軍”が編成され、私は2隊目として4月から鹿児島へ従軍する事になった。現地での仕事は「セラミックICパケージ」を生産する「サーディップ事業部」に決まった。愛知県の小牧から鹿児島まで飛行機で1時間。南国での生活と仕事は困難の連続だった。「まず、言われたのが“水を飲むな”と言う事だった。年間の平均気温が10℃以上高い訳だから、とにかく暑いし喉が渇く。でも、そこに最初の“悲劇”の種が待ち受けていたのさ!」「どうして水がダメなの?」Oちゃんが聞いた。「鹿児島の大地は“火山灰”が積もって出来た土地だ。雨水は当然大地に染み込んでから、川になり浄水されるよね?こっちは、山からの雪解け水が水源だけど、水質が全然違うんだよ。どうしても酸性よりになってしまう。それをガブ飲みしてしまうから、当然お腹を壊す。それで、みんな最初の2週間はそれで散々な目に遭うんだ!」「つまり“下り続ける”って事?」Aさんが聞く。「ああ、水に体が順応するまでは“急降下爆撃”の連続だったね」「〇ッシー痩せたんじゃない?」マイちゃんも聞く。「当り。ベルトの穴1つ分は直ぐに減ったね。使うエネルギーは増えて、摂れる食事は多くない訳だから当然そうなる」「なんかすごくかわいそう」Oちゃんが消え入りそうな声で言う。「だけど、悲劇はまだまだ続く。次は“味噌”だ。こっちは、大豆に米麹だけど、鹿児島は大豆に麦麹を使った白味噌が普通だ。これがまた独特でマズイ!とても、キュウリに付けて食べられるモノじゃない!」「ええ!麦を使うの?!有り得ない!」Aさんが絶叫する。「米が普通に採れない鹿児島では、麦を使うしかなかった。米は採れても年貢で納めなきゃならないからね」「味はどうだったの?」マイちゃんが聞く。「長野の味噌に慣れている人には、とても耐えられる味じゃないよ。一口含んだら直ぐに分かる。速攻でバケツ行きさ!」「じゃあ、普通にご飯食べようとしても・・・」「ああ、まともには食べられない。醤油も甘ったるいし、塩気が足りないから、かけても意味が無い。おのずと貧相な食卓になる訳」マイちゃんが顔をしかめて「醤油が甘いなんて、あたし耐えられない!お魚が新鮮でも美味しさ半減じゃない?」「その通り。けれど調味料は、みんなそんな感じだから塩をかけて凌ぐしかない。お米も水が違うから味はここより落ちる」「病院食以下って事!そんな世界でよく耐えたわね!」Aさんが呆れつつ言う。「逃げる場所が無いから、耐えるしかないさ!任期が来て帰れる日がどれだけ待ち遠しかったか・・・」「コンビニで済ませる事はしなかったの?」Oちゃんが心配そうに聞くが「“あれば”当然逃げ込んでるさ!だが、ここでも悲劇に見舞われたのは“コンビニが無い”って言う絶望的な事実だ!」「信じられない!マジ!」3人が合唱する。「無いものは無いの!今でも思い出すと恐ろしい話だけど、どの系列も店舗が無かったんだよ!こちらの感覚が、まったく通用しないんだから受け入れるしかないでしょ」「それは受け入れられない事だわ!“夜中にちょっとそこまで”が出来ないなんて、とても無理!」マイちゃんが断言する。「しかも、工場は辺境に建ってるから、市街地までは歩いて20分はかかった。車も無い、チャリも無い、無い無い尽くしを極めているんだから、休みに出歩く気力も失せる」「ここはまだ恵まれてるって事なのね。便利さを全て失って半年間かー、帰って来た時は、ホッとしたでしょ?」マイちゃんが、私の左手を握って太ももの上の置く。「正直、ホッとした。更に悪い事に“派遣延長”の嘆願が出てたからね」「じゃあ、それが通って居たら、〇ッシーはここには・・・」Oちゃんが大慌てで、私の右手を握って太ももの上に置く。逃げられると勘違いした様だ。「居なかったかも知れない。その可能性はあった。だが、社則に阻まれて助かった。こっちに戻ったら、早速新機種の量産試作に駆り出されて、“再派遣要請”も断れたし。けれど、いい事もあった。お金を使う当てが無かったから、自然と貯金ができた。それで新車を買えたんだ」「唯一の慰めだね。なんか泣けてくるよー・・・」Oちゃんが涙目になっていた。マイちゃんも目頭を押さえている。「そんな話を聞くと、色々な偶然が重なって今があるのねって思う。〇ッシーの居ない病棟は考えられない!もうどこにも行かないよね?」マイちゃんが聞く。「今の所、退院の許可は出てませんから、どこにも行けません。みんなと一緒だよ」私は静かに言い、両手をしっかりと握りしめた。「Aさん!なにかネタない?2人も泣かせちゃったから、話題を変えたいよ!」私は場の雰囲気を変えたかった。「そうねー・・・、〇ッシーの女性の好み!あたし、ある“法則”を発見したんだ!マイちゃんとOちゃんは、その“法則”をクリアしているよね?」「なにそれ?なにを根拠とするか?説明して」私は新たな話題に食らい付いた。「スラッとしてて、髪はロングかセミロング、茶髪はあまり興味なし!明るい性格か、若干陰のある子。どう?思い当たる節は無い?」「まあ・・・、そうだな。否定はしないよ。でも、根拠はなに?」私はAさんに尋ねる。「〇ッシーが好きな歌手が、みんなそうだからよ。CDのジャケットの写真、みんなそうじゃない?!」Aさんがいたずらっぽく言う。「偶然だ!偶然!確かに女性シンガーしか聴かないけど、たまたまそうなっただけだ!」「たまたまだとしても、人間は無意識に選んでることが多いの。〇ッシーも無意識に選んでるクチだと、あたしは感じてるの。〇ッシーの選考基準から“明らかに外れてる”人も知ってるよ。看護師ならKさんとか、SKさんとか」Aさんは次々と手を繰り出してくる。「SKさんは“論外”だ!みんな苦手じゃん!」「Kさん、結構な美人なのに〇ッシー苦手意識丸出しじゃない。それって意識的に除外しようとしてるとしか思えないなー!〇ッシー意外とそういう面は“はっきり出る”タイプだし分かりやすいよ!」「そこまで言うか?!」「肯定も否定もしないと言う事は、当たっているのね!」Aさんが決めつけに掛かる。マイちゃんとOちゃんは、黙って聞いている。反応が無いのが不気味だ。「まあ・・・、仮にそうだとしよう。どうやって見破ったの?」「両手を塞がれても、平然とあたしに反論するのが何よりの証拠じゃなくてなんなの?普通ならそんな事してられないはずよ!」Aさんがダメを押す。マイちゃんとOちゃんは目を合わせて笑っている。何も撃沈しなくたっていいじゃないか!彼女に頼ったのが間違いだった。「マイちゃんもOちゃんも、〇ッシーの選考基準に合致してるから安心して!そろそろ〇ッシーに一服させてあげてもいいんじゃない?なんだかあたし達が拷問にかけてる感じになっちゃってるよ」「そうだね。〇ッシー、どこにも行かないでね!」「置いて行かれるのは嫌よ!」2人は口々に言うとようやく手を放してくれた。「分かった。ともかく一服させて」私はタバコに火を点けた。深々と吸い込み煙を吐き出す。何はともあれ、今は“これでいい”と思った。病院内ではあるが、こんな話で気兼ねなく話せる、聞いてくれる子達が居てくれる。これはこれで“幸せな事”だ。「ねえ、〇ッシー。ちょっと聞いてくれる?」メンバーの女の子達が、顔を出した。「なに?」私と3人が顔を向けると「SKさんがね、早々とシャワー室の前にお道具一式を置いて、1番を取ろうとしてるはいつもの事なんだけど、掃除の人とひと悶着起こしてるのよ!手貸してくれない?」耳を澄ませると女性同士でやり合う声が聞こえる。状況はヤバイ雰囲気だ。「また、例のヤツか。SKさんをなだめればいいんだよね?」「そう、お願いできる?」「分かった。直ぐに行くよ」私は小競合いの仲裁に乗り出した。原因は、SKさんのお道具一式を掃除の人が蹴散らした事が原因だった。掃除の人に頭を下げて、むくれているSKさんをなだめにかかる。「悪気があってやった訳じゃないんだ。ちょっと早かったかな?誰も1番を横取りなんてしないじゃん。SKさんの事を邪魔した訳じゃないんだから、そこは分かって。明日からは、もう5~10分待ってから順番捕りすれば、充分に間に合うじゃない!あー、それはマズイ。喧嘩ふっかけるのだけはダメ。向こうも仕事でやってるんだから、無理強いは出来ない。僕の担当看護師さんに言って置くよ。“直すぐらいはやって”って言ってもらう。それならいいでしょ!ああ、必ず伝える。だから今日は、僕に免じて許してくれない?ありがとう。あんまりカリカリしてるのは可愛くないぞ」私は拳骨を彼女の頭にちょっと乗せてダメを押した。どうにかご機嫌取りには成功した様だ。壁際から様子を伺っている女の子達に拳を見せて“任務完了”を合図する。“指定席”へ舞い戻ると「〇ッシー、ありがとうごぜぇますだ!」と女の子達がホッとした顔で言う。「彼女の主治医の先生誰だっけ?」「確かU先生じゃない?」マイちゃんが教えてくれた。「うーん、ちょっと問題だな。主治医がU先生じゃ、彼女に注意するのは無理がある。やはり、Mさんを通じて看護師さんから、一言釘を刺して置くのが最善だな。甘やかされて育ってるから、並みの事じゃ言う事は聞かないだろう」「あたしもU先生が主治医だから、言って置いた方がいいかな?」女の子の一人が言い出したが「それはマズイ。矛先がそっちに向かうのは避けなきゃならない。無用のトラブルに巻き込まれるだけだよ」と私は制止した。「彼女は保育園児と変わらない。園児と喧嘩すれば親が出て来る。そうなったら混乱は必至だ。今は、まだ僕で収まりが付けられる。みんなは、なるべく関りを持つのを避けた方がいい」「でも、〇ッシーが矢面に立ち続けたら、彼女益々付きまとって来るわよ!それもマズイんじゃない?」Aさんが心配して指摘する。「確かにそうなるね。でも、誰かが盾にならなければ、彼女はターゲットを別の子にしかねない。そっちの方が余程危険だ!着かず離れずに適度な距離感を取って、彼女をかわすとしたら他に誰が出来る?難しいけれど僕が引き受けるしかないんじゃないか?」「うーん、他に手が無いなら〇ッシーの言う通りにするしかないね。でも、あたし達も、ただ黙って見てるだけじゃダメだわ。あたし達なりに出来る手は繰り出さないと!」Aさんが言うとみんなも頷いた。「SKさんに不穏な動きがあったら、直ぐに〇ッシーに相談して封じ込める。今みたいに。これしかないわ!みんな、いいわね?」「うん!」女の子達が合唱して答えた。「〇ッシーには悪いけど、盾になって防いでくれる?」Aさんが覗き込むように聞く。「他に誰がやれる?言われなくてもやるしかあるまい。みんなに頼まれたなら、それ以外に道は無いよ」私は決然と言うと「いいの?」「〇ッシーの負担が増えるのは忍びないけど?」「他に誰か頼れないかなー?」「先生から注意してもらうのはダメ?」と様々な声が上がった。「はい、はい、はい!ちょっと待って。みんなに手伝って欲しいの事がある。SKさんに出来るだけ“間違った情報”を流してくれない?例えば、売店に行ってるのを“デイ・ルームに行った”とか、“疲れて休んでる”とかでいい。SKさんの行動を抑える事が出来れば、リスクは下がる。彼女を出来る限り撹乱させれば、疲れて病室に引きこもる事にもなるだろう?ちょっとだけ嘘をついてくれれば僕も楽になる。どうかな?」「あからさまじゃなくて、ありそうな嘘を流せばいいの?」「そう、それだけでも彼女をかわすのに充分な余裕が生まれる。余裕があれば負担も減る。これなら、みんなで対処出来るはずだ。どう?やれそうかな?」「それなら、みんなで出来るよ。ちょっとだけ細工すればいいんでしょう?それなら協力できるよ!みんなやってくれるよね?」マイちゃんが同意を求めた。「分かった、やろう!」みんなが同意してくれた。「さりげなくでいいから、頼んだよ!」「了解!」女の子達が合唱して答えた。「〇ッシー、本当にそれでいいの?」Aさんは懐疑的だった。「真正面から来られたらひとたまりもないけど、タイミングを外せればさっきみたいに事は小さくて済む。極力かわす事が彼女を封じる最善策だよ」私は諭すように答えた。様は“ストライク”を投げなければいいのだ。勝負に応じなければ相手も迂闊に手は出せないし、凡打を打ってくれれば、なおの事いい。そうすれば致命傷を負う事も無い。SKさんと向き合うにはそれしかないのだ。「〇ッシーも苦労が絶えないね。でも、彼女とまともに話せるのは〇ッシーしか居ない。悪いけど頼むね!」マイちゃんが言う。Oちゃんも頷く。「あたしも出来る限り手は考えてみるし、監視は続けるわ」Aさんも言う。困ったお子ちゃまの“取扱い”は、こうして決着した。「さて、そろそろ買い物に行きませんか?根が生える前に」私は時計を見ながら言った。「そうだね。もう10時半か。行こうよ!」マイちゃんが明るく言う。「財布持って来なきゃ」Oちゃんも席を立った。「タバコの補充に行こう。後、デザートも」Aさんがそそくさと立ち上がる。3人の女性陣を引き連れて、私は売店へ向かった。

「〇ッシー、夜って“魔の時間”だよね?」Aさんが同意を求める様に聞く。「うーん、確かに夜になると“想定外のトラブル”に見舞われた事は多いね。トラブルが起きる時間帯も大体決まってな。午前0時とか2~3時くらい。電圧の変化が起きる時間とリンクしてな」「あたしも看護師やってたから、分かる。患者さんの容態が急変するのも、今〇ッシーが言った時間と大体被ってる。夜は意外に気が抜けないよね?」「意外どころか、要注意の連続だよ。人手は無いし、決断は自分達でしなくちゃならない。重要な場面でどうするか?そのために、どれだけ昼間の勤務で“勉強”するかが決め手だったよ。Aさんだって分かるでしょ?自分の腕でどこまで切り抜けられるか?それが勝負の分かれ目だって」「ええ、瞬時の判断が生を左右する。若い頃は何とでもなるけど、30代を過ぎると体力的にもキツくなるし、責任も重くなる!将来の事とか考えたら続ける気も保てなくなるの」「女性は特にそうでしょ!家庭と育児の両立とかもあるし、僕の場合は企画・開発に関与する様になってから、不規則な勤務の繰り返しだったからなー。基本は、看護師さん達と同じだけど、試作が始まると3~4ヶ月は夜勤専属になった。生理的に睡眠が狂いやすくなるから、休日はもっぱら寝て置かないと、身体が続かなかった」「故に、女性との付き合いも無くなる?」Aさんが突っ込む。「そう、時間が無いんだ。会社にも気になる女性が居なかった訳じゃないよ。けれど、時間が完全に逆転してるから、付き合う事すら無理があった」「でも、〇ッシーには、厳格な“選考基準”があるから、それに合致しなければ見向きもしない。相手に“その気”があったとしても、まず気付かなかったはずよ!」Aさんが勝ち誇るかのように言う。「〇ッシーは女の子達の間では、それなりに“気になる存在”だったはずよ。でも如何せん“堅物の〇ッシー”。陰で何人泣かせたのかしら?」Aさんは完全に“からかい”に入っている。マイちゃんとOちゃんはクスクス笑いながら、勝ち誇った顔で見ている。おもむろに両手がつかまれ、左右の太ももの上にロックされた。「逃がさないわよ!」マイちゃんが言うと「あたしも!」とOちゃんも応じる。「あたしからも逃がさないわ!こんな話の分かる男の子、そうは居ないから」Aさんも鋭く目を光らせる。「うーん」逃げられない状況に居る事を改めて悟った私は唸るしかなかった。

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