高崎健康福祉大学で学ぶ

2018-02-10 22:08:36 | 活動報告
本日は、高崎健康福祉大学で公開講座を受講させていただきました。



テーマは『子どもの貧困とその支援の最前線』です。



残念なことに、日本は先進国の中でも子どもの相対的貧困率が非常に高い状況が続いていますが、なかなかこの状況から脱却できずにいます。
2010年の統計では、先進国で構成されるOECD(経済協力開発機構)加盟34ヵ国の中で、ひとり親世帯の貧困率が下から2番目という有様です。

そんな中、今、群馬県邑楽郡大泉町が全国から注目を集めているのをご存知でしょうか?
なぜ注目を集めるようになったのか...
その理由は、行政と民間と専門家が連携して『学習支援事業』と『子ども食堂』に力を入れているからです。

生まれた環境にかかわらず、すべての子ども、すなわち支援が必要な最後の一人にまで手を差し伸べる... そんな志で取り組まれている事業です。


まず、『学習支援事業』 について、教授の岡本拡子先生からご講演いただきました。



岡本拡子先生は、NPO法人『わくわく広場の会 』の代表もなさっていて、大泉町で『学習支援サロンSTUDY SPOT』を運営されています。
STUDY SPOTは、主に中学生を対象とした無料の生活・学習支援サロンで、勉強のやり方がわからない、勉強を教えてほしい、誰かと一緒に過ごしたいという子どもたちが安心して過ごしたり勉強したりできる居場所になることをめざしていて、今では40名の子どもが登録し、経験豊富な学習支援員の先生を中心に、高崎健康福祉大学の学生さんもボランティアで 勉強を教えているそうです。
そんなスタッフの熱意はもちろんですが、場所の提供や子どもへの周知など行政の強力なバックアップも力になり、この取り組みが成り立っているといいます。


続いて、『子ども食堂』について、助手の町田先生からご講演いただきました。



子ども食堂の目的などについては、前回のブログでつらつらと書きましたので、ここでは説明を省きます。
内閣府では助成事業として子ども食堂のネットワーク化を紹介していますし、農林水産省では子ども食堂と連携した地域での食育を推進していますが、なかなか重い腰をあげないのが地方自治体です。
しかし『おおいずみっ子食堂』が開設された大泉町では、 子どもの貧困解消施策を将来への投資と位置づけ、周知や参加者の募集など、率先して子ども食堂をバックアップしています。
行政がバックアップすることにより、地元企業、JA、生産者の信用が得られ、食材の寄付も多く寄せられるそうです。
今では80~100食も用意するのだとか。
食料を支援するだけではなく、子どもの居場所づくりにも大きく貢献していると感じました。


子どもの貧困問題を考えるとき、その原因を根絶することが大事です。
例えば、政府が推し進める大企業・大金持ち優遇の経済政策や非正規雇用の拡大が貧困と格差を拡げているのは疑いようもなく、こういった歪みをただすべきだと考えます。

しかし、現実として貧困に直面している子どもが目の前にいる以上、すぐにでも手を差し伸べなければなりません。
お金がなくて子どもを塾へやれない... お金も時間もなくて子どもに手作りの温かいご飯を食べさせてあげられない... 自宅が子どもの居場所にならない... 議員の仕事をしていて、そんな家庭が確実に増えていることを実感しますが、本当に胸が痛みます。

何とかしなければ!

講座を受講して、その糸口が少しだけ見えてきたような気がします。
改めて、民間の支援事業に対する行政の間口を広げるために頑張ろうと心に誓いました。

とても有意義な時間が過ごせたのは、高崎健康福祉大学の関係者の皆様、講師の皆様、参加された自治体職員の皆様、ボランティアスタッフの皆様のおかげです。
この場をお借りして、御礼を申し上げます。