喉元まで出かかる…

ワタシは離婚して20年以上。
子もなく、今も独身だ。

「離婚に終わらない結婚」をしたかったのは、やまやまだ。自分の家庭を持ちたかった。でも、到底継続できない夫婦生活だったし。その結婚と離婚とその後に、めちゃエネルギーが必要なまま年をとった。「結婚や出産」そのものに執着するほどでもなかった。だから、このまま行くだろう。

そんな私が、友達の、家庭生活の愚痴を、よく聞く。
聞き流してあげるだけでいいのだと、わかってる。
こっちも、仕事や私生活の愚痴を聞いてもらっている。お互い、やたらと他所にもらさないと信用しているからこそ、気楽にしゃべってるわけで。お互い貴重な相手である。これぞ友情だ。

だから、聞き流しているが。

実は、ときどき、喉元まで出かかっている。
「別れちゃえば？」

離婚には、リスクも、マイナスもある。
だから、本気で単純に勧めるつもりもないので、実際は言わないんだけど。
ずーっと愚痴を聞いていると、ほんとは喉元まで出かかる。
だってー、別れちゃえば、愚痴に関しては全面解決だもん。

結婚にも、デメリットとメリットがある。
自分の仕事と年金があれば、格別、夫の性格や、夫の家族の負担を過剰に引き受ける必然性はない。それでも結婚を継続しているひとびとは、なんだかんだ言って「愛」があるとか、「愛らしきものがある」とか、「今の生活に意味がある」とか、「今の生活に意味があると、本人が信じたがっている」とか、そんなところだ。
こわすのは簡単だが、こわしたら、元通りにできない。

だし、「いい面」もあるから、別れないのだろう。
単純に、そっちであろー。

その、いい面のハナシは愚痴に出てこないので、ずーっと聞いていると、
（なんで、そんな生活、続けていけるのかなー。一度だけの人生、それでいいのかなー）
と、思えてしまうのだが。

言ったら、相手は愚痴も言えなくなるとわかっているので、ぐっと我慢。