短い期間ではありますが、東京にいる間、ちょこっと坂道を歩いてみようと思います。
というのも、夫の単身赴任用の住まいがある所はやたら坂があります。
坂を歩くのは嫌いですが、避けて通れないのであるのなら、あえて坂巡りをした方がブログの記事も書けて良いし、そう言えば当ブログには「坂道を上れば写真集」というカテゴリーがありました。
そんな訳で、今回は中野区を代表する「中野坂(なかのざか)」を歩いてみました。
中野坂(なかのざか)は神田川にかかる淀橋(よどばし)を西方向に渡った辺りが坂下となり、スタート地点となります。
(坂を上ることがこの記事のテーマなので。)
ちなみに淀橋のある神田川には桜の木があり、ちょうど満開。
とても良い時に来ました。
中野坂は青梅街道にあり、とても交通量が多く、にぎやかであります。
坂の標識はトヨタレンタカーの前にあり、「中野」の地名の由来と坂にまつわる小話が記されております。
これによりますと、「中野は武蔵野の中央にあること」が由来となっているそうです。
堀之内のお祖師様(杉並区にある日蓮宗妙法寺のことで正式には「おそしさま」と言うのだが、「おそっさま」とも呼ばれていたらしい。)へ参詣者の通り道となっていました。
ちなみに日蓮宗妙法寺は江戸時代より将軍たちから庶民まで「厄除け祖師」として信仰を集め、「江戸名所図会」や江戸時代からの言葉遊び「地口」、落語「堀の内」、浮世絵などに出てくる、大変大きなお寺であります。
落語「堀の内」などから推察にするに、下図が参道ではなかったかと思われます。
寺宝は…
東京都指定有形文化財の「仁王門(山門)」。
国指定重要文化財の「鉄門」。
こちらは日本の近代建築学会の恩師と言われるJ・コンドル設計によるもので、和洋折衷様式の貴重なものです。
こちらは日本の近代建築学会の恩師と言われるJ・コンドル設計によるもので、和洋折衷様式の貴重なものです。
東京都指定有形文化財の「御成の間」。
この鉄門をくぐった所にあります。
東京都指定有形文化財の「祖師堂」であります。
地域に開かれたお寺。
お参りに来られる方、散歩で立ち寄って休憩される方など、地元の方に慕われている様子がうかがえました。
学問と眼病の守護と崇められている日朝上人の御尊像が「日朝堂」にご奉安されているため、「目」の絵馬が納められていました。
また、小説家・有吉佐和子の碑もあります。
さて、「中野坂」に話は戻ります。
とても緩やかな坂。
その坂の途中にある「中本一稲荷神社」にお参りをしました。
小さな社ながら大切にされている様子がうかがえました。
ブロック塀の透かし模様が素敵であります。
ちなみに神額の文字は元衆議院議員の松本文明氏のものであります。
坂を上れば上るほど、都会的な雰囲気に。
大きなビルが建ち並びます。
その一画に大きな丸い石がありました。
地図には「石森製粉の石臼」とあります。
神田川の水力と青梅街道の物流が交差する中野坂付近はそば粉の製造が盛んに行われておりました。
幕末から大正のはじめにかけて6社が製粉業を営んでいたと言われ、石森製粉さんは、その1つでありました。
現在もそば粉の製造販売に携わってらっしゃいます。
石臼は直径2m、実際に使用されていたものでした。
ちなみに中野坂の近くにある宝仙寺には「石臼塚」があります。
機械化により使われなくなってしまった石臼を供養するために宝仙寺第50世住職・冨田斅純大僧正が建てたものであります。
こちらも併せて見ると中野の歴史の一端を知ることができ、面白いと思います。
約300mの坂。
上りきると、地下鉄「中野坂上」駅ありました。
カッコいい駅ですね。
駅に対して向かい側は「ハーモニースクエア」。
「ハーモニースクエア」は高層ビルを中心とする4棟の建物からなる複合施設の総称で、地元再開発で生まれたビルであります。
名前には、新宿副都心の高層ビルとも調和した街づくりを目指すなどの意味が込められています。
昔、水飴の「弁慶」とつけ焼き団子の「大団子」があって、妙法寺参詣の帰りに土産屋として大変人気があり、賑わったそうですが、現在は再開発により、都会的かつ利便性の良い街になっておりました。
散歩にも楽しい所。
東京滞在中はしょっちゅう来ると思います。
記事作成にはかなりの時間を要しましたが、そちらも楽しかったです。
<参考資料>
- 中野坂の標識
- 江戸から続く信仰 やくよけ祖師「堀之内のおそっさま」堀之内妙法寺 | 芸術教養学科WEB卒業研究展 | 京都芸術大学通信教育課程
- 堀之内妙法寺公式HP
- すぎなみ学倶楽部「東高円寺>小さいけれど味のある地元商店街」
- 石森製粉株式会社公式HP
- 観光情報「観るナビ」>東京都「石森製粉の石臼」
- 宝仙寺「石臼塚」の説明板
- ウィキペディア「ハーモニースクエア」
- Googleの口コミなど
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