まるぞう備忘録

無題のドキュメント

3つのコツ。前編。

2015-09-02 09:52:03 | まるぞう経営学

ポイント1 既存社員の負荷が減るのか。

 私のような中高年がリストラされると、再就職は厳しいです。まず今までの給料の半分になります。しかしそれでも就職口があるだけまだましです。
 やっと雇ってくれる会社があっても試用期間で断られてしまいます。そりゃ私は器用な方ではありませんが、遅刻もせず決められた時間は真面目に仕事しています。
 指示されないことまでやることはできませんが、そんな罵倒も黙って耐えました。自分のミスもきちんと謝りました。年下の先輩に。しかしそれでも不採用になるのは、やはりこの社会が理不尽であるからです。

 もし私がリストラを受けたらきっと社会に対してこのように思うことでしょう。ここで思考実験で、逆の立場を考えてみてみます。雇う側の経営者の考えを覗いてみます。

 なぜ求人をしたかというと、人手が足りないからです。そこで応募してきたまるぞうというおっちゃんを試しに雇うことにしました。本当は仕事の飲み込みがいい若い人がいいのですが、年の功のメリットもあるのでは、と考えたからです。

 さて実際に仕事をさせると、全然こちらが楽になっていないと担当社員から苦情が来ます。まず仕事の段取りを伝えるのに時間がかかります。まるぞうは何だかお客さま状態です。まるぞうおっちゃんに仕事の段取り教える時間で、慣れた社員はもう半分は仕事できちゃいます。
 またまるぞうは仕事のあとのミスも目立ちます。慣れないことなので器用にさばけとはいいませんが、最低でも言われたことは間違えないで欲しい。と社員はいいます。まるぞうおっちゃんの仕事のあとは、ミスがないか、全部自分が一からチェックしないといけません。これなら全部自分がやった方が早いです。と社員は言います。
 そう言われてまるぞうおっちゃんの仕事を見ていると、絶対ミスしない、という気迫がありません。人間なんだからミスしても仕方ないでしょ。慣れてないんだから仕方ないでしょ。というオーラが出ています。

 まるぞうおっちゃんは、自分が社員の負担になっていることは全く気がついていないようです。担当社員は、結局まるぞうおっちゃんがいてもいなくても、ほとんど工数は減っていません。しかしおっちゃんは、自分は朝9時から夕方5時まで拘束されているのは事実だから、その分給料はもらえて当然と思っています。

 しかし会社はまるぞうおっちゃんの時間を拘束して利益を得ているのではありません。会社全体で効率があがることを期待して、おっちゃんを雇っているのです。担当社員が御膳立てして、しかも丁寧なチェックをしなくてはいけないのであれば、会社全体としては全然効率があがっていません。しかしまるぞうおっちゃんは、自分が拘束されていた分は給料は当然と考えていますので、会社としてはボランティアで彼に給料をあげているようなものです。

 せめて不注意ミスがないだけでも雇う価値はあるのですが、当事者意識が薄いのでミスはなくなりません。年の功なので今までの経験があると主張したいのはわかりますが、変な癖がついているので教え難いです。若者なら少なくともこちらの指示したチェックはやってくれますが、まるぞうおっちゃんは独断で「大丈夫大丈夫」って判断してしまうようです。せめて謙虚に素直であれば。

 もしまるぞうおっちゃんが、仕事全体を俯瞰できるだけで、仕事の姿勢は実は変わるはずです。会社が見ているのは、既存社員の負荷が減らせられるか。だけが着目点です。せめて不注意ミスさえなく、こまめにメモさえとっていつも見直してくれれば、それ以上は最初は期待しません。



ポイント2 この先社員と問題をおこさないか

 まるぞうおっちゃんの気持ちもわかります。元の会社からリストラ受けただけでも心に大きな傷を負います。ましてやまともな就職口もなく何回も面接を断られ、年下の人間にボロカスに言われる毎日では、本当に毎日心が傷だらけです。しくしく。
 まるぞうは、毎晩お酒を呑むと思い出すのが、前の会社の上司たちです。結局奴らは自分たちだけうまいことやって、シワ寄せは全部俺におしつけやがった。あいつも最後には俺を裏切りやがって。これもみんな◯◯のせいだ。◻︎◻︎のせいだ。ヒック。

 そのようにしてまるぞうは徐々に黒い空気を身にまとい始めます。人を憎むと身体はあっという間に酸化して老け込むようです。すっかり年齢上の外見になったかもしれません。


 さて視点を変えて経営者の視点で観てみます。経営者が考えることは、この人を雇って効率が上がるかだけでなく、この人間が既存の社員と問題を起こさないでうまくやっていけるか。ということです。

 ただ勘違いしてほしくないのは、採用社員には、社交性があって人付き合いがうまいか。ということは全く期待していないのです。付き合い下手でいいのです。無口でいいのです。朝と帰りの挨拶だけはっきり言えればいいのです。宮沢賢治のようなでくのぼうで良いのです。
 経営者が敬遠するのは、愚痴顔であり陰口顔です。日頃から愚痴と陰口を言い続けるとその黒い空気が本人の雰囲気となり人相を作ります。経営者は人の裏側を観るのが仕事でありますが、どうやって見抜くかというとその人の空気の色が黒いか明るいかで判断するのではないかと思いますよ。それはみなさんが、人を観るときと何ら変わりはないことでしょう。
 愚痴顔や陰口顔は職場を暗くします。せっかく給料を払うのに、職場を暗くする人はちょっと遠慮したいと思います。もしあなたの家に同居する人を募集するとします。どういう人を選びますか。黒い空気の他人が自分の家に入り込むのは、きっと嫌だなあと思われることでしょう。会社の募集人員も全く同じであります。
 
 さて、人によっては、愚痴を止めるのは嫌だ。陰口を止めるのは嫌だ。という方もいらっしゃるかもしれません。愚痴こそが陰口こそが自分のストレスを解消する健康法であるとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。それはそれで各自の健康法でありますから、良いと思います。

 ただもし生活の中で自分は絶対に愚痴は言わない。陰口は言わない。と決めていらっしゃる方があれば、その行為は本人に蓄積され、本人をまとう空気となり、本人の人相となります。その空気は絶対に誤魔化せないものでありますから、御本人の貴重な財産である。と私は信じております。



ポイント3(後編)につづく。



おひさま、ありがとうございます。




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