まるぞう備忘録

無題のドキュメント

兆候の嗅覚。

2016-03-22 10:00:09 | まるぞう経営学

最悪想定の備忘録です。私がメーカー設計者の時の話です。私が設計した部品が市場に出てから問題が発生するという経験が何回かあります。その時上司から確認されるのは、テストでは問題なかったか?です。確かに問題なしで合格しているのですが、実は兆候はあったのでした。例えばテスト担当者が、こう言っていたのでした。
まるぞうさん、テスト結果ちょっと気になるんですけど。NGみたいな結果が。
ええ~。そうなの、もう一回やって見てよ。
はい。やり直したら今度はOKでした。
でしょでしょ~。ほらね~。問題ないよ。そのまま出しちゃおう。
そういうやりとりがあったのでした。

あるいは先輩からこう言われたこともあります。
まるぞうさん、この部分の結果ちょっと気になるなあ。類似部品のデータと照合して見直した方がいいかもね。
そうですか~。(面倒くさいなあ。シカトしちゃおう。)

問題があった時というのは、このように必ず「変だぞ」という兆候があったのでした。でもそれらをいちいち取り上げて検討していたら、とてもじゃないですがいくら手があっても足りません。と当時の私は思っていました。そのため、多分大丈夫だよ~。問題ないよ~。と自分に言い聞かせ、その兆候を無視してきたのでした。それらの兆候のいくつかは、確かに無視しても結局問題のない取越し苦労の内容でした。しかしいくつかは市場で問題となる事象でした。

当時会社で決められていた設計マニュアルは守っていましたが、設計の現場にはマニュアルにはない怪しい兆候が現れていたのでした。ベテランの先輩設計者はそれらに対する嗅覚が優れていたのでした。マニュアルの隙間にある、不穏な兆候の臭いを嗅ぎ分けることができたのでした。ここがプロとアマチュアの差であるように思います。



これは設計だけでなく、私たちの日常生活でも同じでありましょう。何か大きな事件が私たちの人生に起こる時には必ず兆候があります。それは親しい人の口を借りて伝えてきます。あるいは偶然見たテレビや本やネットの情報を通して伝えられます。

私は神社などでおみくじを買うことはありませんが、しかし日常の些事から伝えられる兆候のお知らせは、おみくじ以上に意味があると思います。私の表面意識は、そんなの錯覚だよ。偶然だよ。今までだってずっと問題なかったじゃん。だから今回も問題ないよ。大丈夫だよ。そのように伝えます。が、深い意識では、ピピピッとアラートを出しているのでした。

プロとアマチュアの差とは、まさにこれであると思います。十中八九問題が起きないとしても、自分の嗅覚アンテナに引っ掛かった怪しい兆候を真面目に受け取るか無視するか、、取り越し苦労かもしれない苦労を厭わないか、そこで手を抜くか、の違いであると思います。



おひさま、ありがとうございます。



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