まるぞう備忘録

無題のドキュメント

脱ロボットのメモ。3。小さな警告。

2019-03-25 11:35:34 | 陰と陽の理論

防災カレンダー
25日。中潮。 己亥・丁卯・辛[酉]。



苦い失敗談。見逃した警告。

 私がある電機メーカーの技術者であったころ。開発者として製品の設計に携わっておりました。私が設計の一部を担当した製品は世界中に輸出され多くの人たちが使っておりました。

 そのことは非常に誇らしいことでありました。が大きな失敗も何度もありました
 その一つは私が担当した部品が加熱して焦げてしまうということです。市場クレームの製品を解析したところ、最悪の場合は発火する可能性がありました。

 その製品はただちに世界中に回収対象となり、市場を騒がせる事件には至りませんでした。それは幸いなことです。大難が小難になったわけです。当時にうちの会社の危機管理体制も優れたものでした。

 さてなぜその部品が加熱することを開発段階で発見できなかったのか。
 開発記録を調べてみると、実はその部品の温度が設計を上回る上昇をしていた実験があったのでした。
 そのテストを担当したのは私よりも若い新人社員でした。
 「まるぞうさん。どうしましょう。この温度上昇だとテストが不合格になります。」

 う〜ん。締切りが迫ってる中、このテストが不合格になると、もう一度全部やり直しだ。間に合わなくなるなあ。厄介なことになったなあ。

 私はもう一度彼にそのテストを行うように依頼しました。
 わかりました。と彼は再度テストをしたところ、果たして温度上昇は起こりません。彼も気になってその後もテストをやり直したようですが、あの異常な温度上昇は再現することはありませんでした。

 そうか。やっぱりあれは間違いだったのか。
 こうしてその製品は市場に出回り、しかし何千個の生産の中では異常高温になったものが現れたのでした。


警告は必ずある。私がそれに気づけるかどうか。

 解析の結果、それは生産上のある条件が組み合わさると起きる稀な現象であることがわかりました。当時うちの会社のノウハウでは発見することの出来ない新しい事象でありました。
 従って開発を担当した私もテストの彼も会社からお咎めを受けることはありませんでした。

 しかし私はその時に教訓を得ました。たった一度だけでしたが、開発の中でその温度上昇が起きたのでした。もし私があの時、おかしいぞ。と上司に報告していたら。開発は遅れたかもしれませんが、その問題は市場で起きずに済んだかもしれませんでした。

 その後も私は長い間、開発の仕事に携わりましたが、この教訓は正しいことが何度も証明されました。
 つまり「大難を小難にする」というメッセージは事前に私達の生活に示されるということです。

 しかしそれはいつも「めんどくさいメッセージ」でありました。それを間に受けると、この忙しい時期に間に合わなくなる。ああ、そのメッセージは聞かなかったこと、見なかったことにしたい。
 そのメッセージを発するのは、後輩であったり、取引先メーカーさんのレポートの些細な一文であったり。とにかく「気にする必要はないよ。大丈夫大丈夫」ともみ消せるような些細なものでありました。

 しかしその後、市場で大きな問題になる時は、必ず事前に、そのような、些細な「警告メッセージ」が発せられているのでした。


重大なメッセージとは常に「出来れば聴きたくない忠告」。

 話は変わりますが、防災の備えも然りであります。
 私達には日々の生活で、地震や津波などの自然災害に備えましょう。というメッセージが定期的に知らされます。
 場合によってはそれはテレビ番組であったり、たまたま自分が読んでいるネット情報であったり、あるいは実家の母親であったり。
 この忙しい時期に面倒くさいなあ。という時期に発せられるそのメッセージ。

 私はその時思い出します。ああ、これはあの人生の警告だ。あれと一緒だ。私が心の中でもみ消そうとすればもみ消せる。あの感覚と同じだ。ってことはこれはもみ消しちゃあかんやっちゃ。

 脱ロボット。3つ目の教訓は、自分の人生に示される小さな「人生の警告メッセージ」を聴くこと。それはいつも「無視したい内容」であり、無視しようと思えば簡単に無視できる小さい声で囁かれるので、その警告を拾うのは勇気が必要です。
 ロボットの人間とはこの小さな警告は無かったことにする人のことです。正常化バイアスと言って、とにかく「小さな警告」を無視する人。せっかくの大難を小難にする警告を無視してしまう人。


つづく



おまけ(読者の方が教えてくださったこと)
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「ジョブズが部下を「クソ」と罵った深すぎるワケ」
⇒アンディがジョブズを「クソ」と罵った深すぎるワケ
の間違いですよね???


→ 原文のURLは開示してあるので、出典元の記事をお読み下さい。

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だから議論を吹っ掛けられたときは、「ハイハイそうでございますか〜」と適当に切り上げて、後でじっくりその人の言ったことを考える。それで納得できる点があれば受け入れるし、やっぱり的外れだなと思えば流す。そうやって私はようやくここまでたどり着いた。

→ 脱ロボットの生き方であります。賢人の生き方ですね。

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どう見られるかというより、どう感じるかを突き詰めればむしろバイアスがなくなるかもしれませんね。

→ 自分が間違っていることを認めることができる柔らかさ。これができる人が脱ロボットです。

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