あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

トロッコ問題は本当に難しい

2008年11月23日 11時45分10秒 | 教育問題
ビートたけしさんの番組で,「トロッコ問題」を扱っていました。もっとも,この番組を全部見ていませんので,番組内ではどのように扱ったのかは全く分かりませんので,それを前提に一言だけ。

そのまえに,そもそも「トロッコ問題」をご存じでない方のために,解説します。
線路上でトロッコが暴走してきました。そのまままっすぐ進むと,その先で作業中の5人の作業員が全員はねられて死亡してしまいます。ところが,その線路は二股に分かれており,ポイントを切り替えるとトロッコは左に行きますが,今度はそこでは1人の作業員が作業をしているため,ポイントを切り替えたら5人の作業員は助かるが,その1人の作業員がはねられて亡くなります。さて,あなたならポイントを切り替えますか,それともそのままにしますか。なお,大声で呼びかけるなどしてもこの作業員には全く伝わらず,またトロッコを物理的に止める手法はもはやないこととします。

もちろん,架空の理論です。刑法を勉強すると,緊急避難を学ぶ際に似たような事例の説明を受けますが,これは「自分が助かるためには人を犠牲にしてもよい」という緊急避難の事例を学ぶため,「どっちも他人の命」というこの問題よりはちょっと易しいといえます。

さて,この問題,何が正解でしょうか?

結論から言うと,正解はありません。
ただ,あえて正解を考えるとすると,私は「この問題を読み,悩み苦しむことができる」こと,それ自体が正解だと思います。「それでもトロッコを止める」とかいう回答は,悩みを放棄したことになり,また「どっちか一方の回答を選択し,それが唯一絶対の回答で,もう一方は誤りだ」と決めてしまうことも,どうように悩みの放棄になります。悩み放棄とは思考の停止です。
また,考える上で大切な点は,「「選択後の結果,その後さらにどうなるのか」ということです。もっというと,「5人の作業員の家族と,1人の作業員の家族から,何を言われるか。」という点も,実は隠れ論点になるのです。

この問題を通じて,「人の命には果たして軽重があるのか」を悩み考えてみるとよい,そういう意味合いを持っていると思います。

さらに,この問題には応用問題が作れます。例えば,「5人のところにはイチロー選手と長嶋元巨人監督とみのもんたさんがいて,1人の所には自分の家族がいる」などとした場合とか,「5人の所には麻生総理が,1人の所には民主党1年生議員がいる」などとした場合,さらには「5人の所には自分の両親が,1人の所には自分の妻と子がいる」などとした場合,もっというと「5人の所には妻が,1人の所には子がいる」などとした場合,もっと究極は「5人の所には長男が,1人の所には長女がいる」などとした場合などの想定問題が作れます。
全問で全く悩むことがなく選択できたとしたら,相当な勝負師でしょう。

私も,これは悩みます。

よろしければ1クリックお願いしますm(__)m人気blogランキングへ
ランキングジャパン


TB先一覧
http://selgae.exblog.jp/8966342
http://blog.goo.ne.jp/d_d-/e/cd1e19ac56a549d3d308bb8e20d15262
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

次官殺傷事件の容疑者出頭,時間をかけて真相を

2008年11月23日 11時08分11秒 | 裁判・犯罪
埼玉と東京で発生した元厚生省事務次官殺傷事件について,46歳の男が自分がやったとして警視庁に出頭しました。
男が犯行に使ったと見られるナイフを所持していたことから,銃刀法違反で逮捕しました。今後,慎重に殺傷事件についても取り調べるようです。

男出頭、関与の疑い=銃刀法違反で逮捕-元厚生次官宅連続殺傷事件・警視庁(時事通信) - goo ニュース

背後関係はかなりの確率でありそうだ

まずは,今後の捜査の行方を慎重に見守るしかありません。
ただ,今回の出頭,あまりに急転直下すぎます。しかも,通常なら証拠物は犯行後すぐに処分するのであるが,昨日までずっと所持しており,それをすべて持ってきているというのは,尋常ではありません。また,出頭場所が警視庁というのは,明らかに「何らかのアピール」があると思わざるを得ません。

証拠物をすべて用意してレンタカーで来るというのは,「ガサ(捜索差押え)の範囲を自宅に限定するなどして,捜査範囲を広げない」というヤクザ系の人が自首する場合に使う手法に似ています。つまり,「背後関係を探られないようにする」という意味合いを持ちます。
また,2人死亡させているとなると,死刑判決もあり得るにもかかわらず,出頭してくるとなると,例え法律上の自首が成立するとしても(犯人が分かる前の出頭なので,本件では仮に警察がまだこの容疑者であると内部で特定していなかったとしたら,法律上の自首が成立する),これは単に任意的減免事由にすぎないことから,死刑リスクが軽減したにすぎませんから,「お金もらってのヒットマン」というだけではちょっと微妙な感じもします。
あとは,意味不明な動機を繰り返すことで,「自首+心神耗弱」の合わせ技一本での刑の軽減を狙っているかもしれません。
当然,警察もバカではなく,似たような事例は多数扱っていること,また広報発表しない情報を山のように抱え込んでいることから,今後こういう点も捜査を進めていくでしょう。
ただ,仮にヒットマンだとしたら,依頼者の氏名は何があっても口にしないでしょうから,結構大変かもしれません。

いずれにせよ,一つ確実に言えること,それはこの容疑者はネット上でちやほやされたような「義賊」や「天誅を下す仕事人」なんていう輩ではないということです。そんな動機を全く口にしていないどころか,「犬殺されて腹立った」というお門違いなことを言っているからです。もし,いわゆる「仕事人」だとしたら,ここまで劇場型犯罪の場合,まさに「出頭後がアピールチャンス」な訳ですから,ここで仮に背後関係を隠すとしても「年金をいい加減にした輩を成敗した」などと主張するはずです。ところが,今は前述のとおりの「自己保身」をしているにすぎないからです。
そもそも人殺しに義賊なんてありませんが,ちやほやしたり祭り上げるような容疑者ではない,っていうことです。もっとも,この辺りも,警察の発表なので,実際は何をどう話しているのかまだ分かりません。この辺は,公開法廷である裁判の席上である程度明らかになるでしょう。

今後どういう展開がまっているのか,行方を見守りましょう。

よろしければ1クリックお願いしますm(__)m人気blogランキングへ
ランキングジャパン


TB先一覧
http://blog.goo.ne.jp/sunafukin-0101/e/405b3be631a55a250168ba13d0fe875b
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/44251f95c352ec2c58edbbec018a6cfb
http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/7c9bc21d4abf06e5a2a2bb5147257d09
http://tetorayade.exblog.jp/9917650/
http://blog.goo.ne.jp/stardustkid0627/e/d772ee5c08193ff1cf6bf667fee548fc
http://shadow9.seesaa.net/article/110048724.html
http://ameblo.jp/sukinakoto/entry-10168335968.html
http://ameblo.jp/kakomonogatari/entry-10168333297.html
http://bbrsun.blog.eonet.jp/bbr/2008/11/post-c966.html
http://zara1.seesaa.net/article/110048446.html
http://hon-5.blog.ocn.ne.jp/honshitsu/2008/11/post_7ac1.html
http://uesama.antena.ne.jp/archives/article/52411.html
http://kmotohiro.exblog.jp/9918788
http://a007.fruitblog.net/?4928ab70e893a
http://aramahosi.cocolog-nifty.com/asaborake/2008/11/post-9f62.html
http://ameblo.jp/sukinakoto/entry-10168447724.html
http://zara1.seesaa.net/article/110068074.html
http://soncyou.blogzine.jp/tofu/2008/11/post_0df1.html
http://blog.livedoor.jp/overage7007/archives/554737.html
http://blog.goo.ne.jp/crofts/e/3bfd58f3ff566e871dd9858d9a52f3b2
http://omegatribe1964.blog69.fc2.com/blog-entry-651.html
http://nmatsu6.blog121.fc2.com/blog-entry-5726.html
http://blog.livedoor.jp/yswebsite/archives/52208145.html
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする