あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
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今大切なのは「高校いじめ」ではなく「検疫もれ調査」でしょ

2009年05月10日 22時48分30秒 | 災害・危機管理
ついに国内でも新型インフルエンザの感染者が確認されました。現在,検疫法に基づいていずれも成田空港周辺のホテルに隔離しており,かついずれも快方に向かっているとのことです。
一方で,この高校生周辺の乗客の隔離が不十分であったことから,一部乗客はすでに帰宅してしまうなど,二次感染が懸念されるとのことです。

国内初の新型インフル感染確認 成田帰国の大阪の3人(朝日新聞) - goo ニュース

だから取材の矛先が違うって!!

はっきりいいますが,今この高校を取材する理由も必要性もありません。なぜなら,「感染が確認された高校生は既に検疫法に基づく対応済み」だからです。もし,検疫法に基づく対応が不十分で不安だというのであれば,取材の矛先は,「学校」ではなく,「法律の不備を作った厚生労働省」になるはずです。
また,取材陣がこぞって「なぜマスクをしなかったのか」と糾弾していましたが,行った時期やその国の実情を踏まえると,マスクをしていなかったことを責めることはできません。
だいたい,そんなことを言っている取材クルー自体,海外取材でもマスクしてないですよね。マスコミだけはマスクなくても感染しない保障があるのでしょうか(以前書きましたが,むしろ一番恐い感染ルートは,マスコミ関係者から一気に都心に伝播することなのです。しかも,自分のところから出たことを秘してしまったら,大変なことになります。そういう責任感は全く感じていないのでしょうか?)。
さらに,ほぼ高校名が特定されてしまっていることから,高校や教育委員会に対して「感染者の自宅を教えろ」とか「通学路を教えろ」などという心ない問い合わせもきているようです。感染した患者は,二次感染の可能性がほぼ0の状態になって自宅に戻れますし,学校に通えるようになるわけですから,これは完全に「過剰反応」です。むしろ,いらぬトラブル(本人や家族が学校や地域からのいじめの対象などになる)を回避させる必要性の方が高いのです。
もし,マスコミが取材するのであれば,「徒に不安を煽る」のではなく,「この生徒なら法律に基づいて二次感染の心配はないので安心して対応しよう」という点を強調するべきなのではないでしょうか。校長の責任を問いたいのであればその次の話です。

むしろ,取材をしなければならないこと,それは「検疫制度の限界」と「二次感染可能性」です。
もちろん,今回,検疫官は必死に頑張りました。今も,寝食を惜しんで検疫を行っています。こうした検疫官の働きには,本当に頭が下がります。
しかし,それでもどうしても限界があることが分かりました。今の制度のどこの問題があり,どうするべきなのかをきちんと取材して提示することが大切でしょう。
また,今回,二次感染可能性のある人は帰宅の途についています。もちろん,前記のとおり,徒に不安を煽るのはよくありませんが,この方々に対する対応をどうするのかという点を,もっとはっきりと厚生労働大臣に問うべきなのではないでしょうか。
「水際で阻止できてしてやったり」と言っている総理や厚生労働大臣をよいしょして,一方で校長をいじめるという取材スタイルは完全に本末転倒です。
検疫漏れの実体が本当に他にないと断言できるのかを総理や厚生労働大臣に問うべきでしょう。そして,繰り返しますが,それは「不安を煽る」ことや「検疫官批判」ではなく,「制度上の不備」と「政府の危機管理のあり方」への疑問提示として行うべきことです。

政府の対応と報道のあり方,改めてよーく考える必要があるでしょう。生物テロなどが発生したらどうなのか,そういう点も視野において考えてみると良いでしょう。

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コメント (4)
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